| シンガー・ビークル・デザインは現状に満足することなく、常に進化しているようだ |
その仕上げの美しさはフォロワーの追随を許さない
ポルシェ911のレストモッドを手掛けるシンガー・ヴィークル・デザインが新たなる作品を公開。
この最新作については、これまでの個体のように「なんとかコミッション」という名が与えられておらず、しかしこれまでシンガー・ヴィークル・デザインがリリースしてきた、どの911よりも手が込んでいるように見えます。
シンガー・ヴィークル・デザインの手掛ける911は非常に高価で、かつ納車待ち期間が長いため、その「ニッチ」を狙ったショップも多数出現しているものの、やはり本家シンガーの持つ芸術性には敵わないようですね。
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モノトーン調にイエローのアクセント
このレストモッド911のボディカラーは「ストーングレー」、アクセントとPORSCHEレターはヨークイエロー。
サイドのストライプは「ゴースト」仕様です。
ボディパネルはシンガーの常として「カーボンファイバー製」となり、もちろん前後フェンダーは拡大されています。
おそらくベースは964世代の911だと思われますが、ボンネット、バンパー、ランプ類は初代911風に。
ただしベゼルやフレームなどメタルパーツはマットチタン調にて仕上げられ、現代的な雰囲気も漂います。
ホイールはフックス風デザインですが、ディスク面がすべてマットブラックという一風変わった仕様を持っています。
ホイールナットは「オープン」、そしてブレーキディスクはカーボンセラミック(ブレーキキャリパーはヨークイエロー)。
このレストモッド911でもっともこだわったのはインテリア
なお、外装以上にこだわって作られたのがこのポルシェ911のインテリア。
ボディカラーとシンクロするウォームグレーにて構成され、ダッシュボードやステアリングホイール、ペダル等がブラックに。
シートはカーボンファイバー製のシェルを持つバケットシートで、表面には編み込みレザー、そしてダーク仕上げのグロメットも。
編み込みレザー表面にはストライプ入り。
トランスミッションは6速マニュアル、そしてシフトノブは積層カリン材(軽量性を重視し、ポルシェがかつてのレーシングカーによく採用していた)。
シフトパターンはヨークイエロー。
センタートンネルやフロアはグレー、そして「フロアマット」はパンチングメタルのように見えますが、ホール部分にはラバーの滑り止めがはめ込まれています(ヒールプレートが取り付けられるなど、これまでのシンガー製ポルシェにはないディティールが見られる)。
リアコンパートメントもウォームグレー、そしてシートはスウェードミックスの編み込みレザー。
ロールケージとハーネスバー(レザー巻き!)も装着されています。
ただ、「背もたれ」がないので、後部座席に乗る人は相当な忍耐を強いられることになりそうですね。
タコメーターにはライトアイボリーにチャコールのマーキングを施し、周囲のメーターにはチャコールにライトアイボリーのマーキングを施した逆の組み合わせを採用するといったこだわりも。
ドアオープナーはイエローのレザー製ストラップ。
ウインドウオープナーにはヨークイエローにて(シンガーの?)マーキングが施されます。
フロントフード内にはアラバスターステッチが施されたカバー(ポケット付き)、そしてタワーバーもウォームグレー。
ガソリンタンクキャップはフィン付きで、これも今までのシンガーには見られないデザインですね。
搭載されるエンジンは4リッター・フラットシックス
このレストモッド911に積まれるエンジンは4リッター・フラットシックス、もちろん空冷です。
エアクリーナーボックスのメッシュなど、細部に至るまで作り込まれているところはやはりシンガーならでは。
フードのヒンジ部までもが芸術的です(さらに言えば、ボルトやナットまでにもこだわり抜いている)。
参照:Singer Vehicle Design