| ゲンバラ創業者、ウーヴェ・ゲンバラ殺害のニュースのインパクトは今でも忘れない |
数ある自動車チューナーの中でも、これほどまでに闇を抱えた企業は他にない
さて、先日発表されたばかりの「マーク・フィリップ・ゲンバラ・マーシャン」。
これはポルシェのチューニングで有名だったゲンバラ創業者、ウーヴェ・ゲンバラの息子であるマーク・フィリップ・ゲンバラが立ち上げた会社によるプロジェクトであり、「ゲンバラとは無関係」であることが記されています。
自身の父親の会社を引き継げないのはなぜ?と考えてしまいますが、これについてドーナツメディアが様々な情報を元に解説を行っており、その内容を簡単に紹介したいと思います。
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当時、ゲンバラは先進的なチューナーだった
ゲンバラが人気を博したのは1980年代ですが、この頃は富裕層や、他人が持っていないものを求める人々に対して非常に人気があったといい、さらにはその「行き過ぎた(やりすぎた)超高性能、ワイルドなルックス」が大きく支持を集めたようですね。※当時の貨幣価値を現代のレベルに換算すると、ゲンバラのコンプリートカーは2億円近いレベルであったようだ
そして同社のクルマにはバックカメラやFAXまでもが搭載されており、こういった「当時、あまりに先進的だった」クルマに対しても大きな関心が集まっていた時代であった模様。
しかしながら、そういったゲンバラの過激さは90年代に入ると流行遅れとなり(ナチュラルでシンプルなものが好まれた時代でもある)、さらに2000年代に入ると一気に売上は減少。
ただ、この時期はブラバスやRUFといったチューナー、コンプリートカーメーカーが軒並み人気を失っているので、ゲンバラのみの問題でははなかったのかもしれません。
そしてトドメはエンツォフェラーリをロシアのMIG戦闘機風にカスタムしたコンプリートカー「MIG-U1」を発表し、これによって「フェラーリをみごとなまでにダメにした」という評価を受けることになり、ゲンバラは多額の負債を抱えて倒産の危機に瀕することに。
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そこから事態は急変する
そしてこのMIG-U1発表された数週間後にウーヴェ・ゲンバラは姿を消してしまい、その後に「失踪、そして死亡」が発表されることに。
なお、この死亡については「殺害(南アフリカで発見されたと報じられたように思う)」というオマケつきで、これが大きく報じられることで一気に「黒いウワサ」が広がることとなります。
一説では、マフィアからお金を借りたものの、返済できずに殺害されたとも言われていますね。
その後ゲンバラの資産は差し押さえられることになり、元会社役員のアンドレアス・シュワルツと外部投資家のステファン・コーバッハに売却され、その後まもなく彼らは(ゲンバラの)ビジネスを再開。
この時点ではさらに様々な憶測が登場し、よって新生ゲンバラはウーヴェの名をウエブサイト等から削除することとなっています。
こういった経緯があり、ウーヴェ・ゲンバラの立ち上げた「ゲンバラ」はもはやもとのゲンバラではなく、よってマーク・フィリップ・ゲンバラは法的に「もともとのゲンバラと混同されないよう」、自身の会社を立ち上げることになったようですね。
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参照:Donut Media