| 現時点ではサンプルが少なすぎてその”実際の”性能がどんなレベルなのかわからない |
もしかすると、パガーニやケーニグセグに比肩しうる可能性も
デンマークのハイパーカーメーカー、ZENVO(ゼンヴォ)オートモーティブ。
およそ5年前に「TSR」を発表していますが、今回「ハイブリッド・パワートレーンを搭載した新型ハイパーカーを2023年までに発売する準備が整った」とコメント。
ゼンヴォ社のプロダクト・ディレクターであるアルベルト・ソレラ氏によると、「新モデルの開発に集中的に取り組んでいる」と述べ、TSR-Sに使用されたシャーシをベースに、ハイブリッドパワートレインと全輪駆動システムを搭載する予定だとされています。
ゼンヴォはピュアエレクトリックパワートレーンには興味がない
加えて、アルベルト・ソレラ氏は電動パワートレインには興味がなく、”古き良きレシピ”つまりガソリンエンジンを捨てず、「あくまでも内燃機関にまつわるドラマにこだわる」ともコメント。
そしてこの新型ハイパーカーのデザインを担当するのは今までどおりクリスチャン・ブランド氏で、同氏は現在ゼンヴォのデザインディレクターであり、かつてはアルファロメオやクリーマンにて経験を積んだとのこと。
現時点ではこの新型ハイパーカーがどのようなクルマになるのはわかりませんが、ひとまず3Dプリンティング技術を活用し、ボディとエアロパーツの両方にカーボンファイバーを多用することで、可能な限りの軽量化を実現することが明かされています。
そして気になるのはゼンヴォがTR-Sにて採用したトンデモメカ「可動式リアウイング」。
これは角度のみならず「傾き」をコントロールすることでコーナリング性能を高めるデバイスであり、一部ではその効果に疑問が呈されています。
ただ、効果は別として、その動きはまさにスペクタクルであり、オーナーにある程度の満足感を与えることは間違いなく、そして「その他大勢の」スーパーカーやハイパーカーとの差別化要素となっているのも否定できない、と思います。
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ゼンヴォはエキゾチックであり続ける
なお、ゼンヴォのCEOであるアンジェラ・ハートマン氏によると、ゼンヴォは「少量生産」を維持しつつ、グローバルでの販売を拡大する計画を持ってるそうですが、2009年から2016年までに合計15台のST1を製造し、現在の生産台数(生産能力)は「年間5台」とのこと。
従業員は30名だといい(そのうち5人はカーボンファイバー担当)、しかしよくこの規模で成り立つんだな、と驚かされます。※1台2億円以上だとはいわれるが
現在、ゼンヴォの販売の大部分は英国とヨーロッパだそうで、しかし米国と中東への進出は(ケーニグセグやパガーニ同様に)より多くの顧客を意味し、これらの市場への進出が成功すれば販売台数を大きく伸ばすことができそうですね(すでに米国ではホモロゲーションを取得しており、いざ進出となると米国だけで年間10〜15台の販売が見込めるという)。
加えてゼンヴォは「自社が開発したパーツや技術を他社に供与する」用意があるといい、もしかすると「例のリアウイング」を装着したほかメーカーのクルマが登場するのかもしれません。
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参照:Autocar