| 911カレラはもちろんGT3に勝てずとも、なかなかにいい勝負をしたようだ |
誰もここまで911カレラが善戦するとは思ってもいなかったはずだ
さて、これまでにありそうでなかった「エントリーモデルのポルシェ911カレラと、レース用に開発された最新モデルの911GT3」とのドラッグレース。
911GT3は510馬力(374キロワット)を発生する4リッター水平対向6気筒(自然吸気)エンジンを搭載し、一方911カレラのエンジンは385馬力を絞り出す3リッター水平対抗6気筒ターボ。
ちなみに重量は911GT3が1,435kg、911カレラが1,565kgなのでかなり差があることもわかります(911GT3の重量は「乾燥重量」なのかもしれない)。
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むしろ911カレラの基本性能の高さが際立つ結果に
なお、公称値だと911カレラの0−100km/h加速は4.2秒、最高速度は293km/h、911GT3だと3.8秒と320km/h。
ちなみに価格については911カレラが1429万円、911GT3では2296万円(どちらもずいぶん高くなったな・・・)。
こういった数字を見るに、どう考えても911カレラが勝てる要素はなさそうです。
実際に走ってみたらこうなった
ところがこの動画ではいくつか驚かされる点があり、2回のドラッグレースのうち一回では911カレラのほうが優れた出だしを見せており、これはちょっと驚く部分ですね。
いったん走り出してからの加速を競うローリングスタートだと圧倒的に911GT3のほうが速く、しかしマニュアルモードでのシフトアップを(両者が)行った場合だと意外や接近した走りを見せることとなっています。
参考までに、ゼロヨンタイムだと911GT3が11.4秒。
対する911カレラは12.1秒。
そしてちょっと驚かされるのは911カレラのブレーキ性能で、一定速度からのブレーキングだと、なんと制動にかかった距離は911GT3とほぼ同じ。
911GT3のほうが強力な(カーボンセラミック)ブレーキを搭載し、車体重量も軽いことを考慮すると、これは驚くべき結果だと言えるかもしれません。
やはり911カレラはお買い得
なお、ポルシェ911はモータースポーツと強く関連したクルマであり、レース仕様だと911GT3カップや911RSRといったモデルが存在。
ただしこれらもロードカーと多くの部品を共有しており、つまりは「レースに参加するにあたり、それほど大きな改造をする必要がない」ことが一つの特徴です。
そして使用するパーツが市販車と共通ということは、レース参戦にかかるコストが安く済むということを意味していて、そこが「レースに出るならポルシェがもっとも安上がり」とも言われる所以ですね。
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それはともかくですが、「レースに勝つため」に設計されたのが911であり、もちろん911カレラもその系譜にあたるということになりますが、911GT3が「一流ホテルのディナー」ならば、911カレラは「同じ一流ホテルのランチ」のようなもので、つまり素材や調理技術、シェフは同じなのに、ディナーの素材の一部を「流用」することで比較的安価にそのエッセンスを味わえる、ということに。
実際のところ「原価率」でいえばベーシックモデルがもっとも高いといい、つまり「911カレラはポルシェの儲けが少ない」モデルでもあるわけですね。
ポルシェ911カレラと911GT3とがドラッグレースを競う動画はこちら
参照: