発売されなかったTJクルーザーのかわり？トヨタが新型エレクトリックコンセプト「ミッドボックス（Mid Box）」を発表

｜　ビジネスや若者にエキサイティングなチャンスをもたらす」アクティブなエレクトリックミニバン　｜

TJクルーザーと形は変われど、そのコンセプトは非常に似ている

さて、トヨタが発表したバッテリーEV戦略の中で気になったクルマ、「Mid Box」。

見ての通り道具感が非常に強いクルマですが、ぼくはもともとこういった「道具っぽい」クルマが大好きで、今までだと軽バン（ダイハツ・アトレー）やホンダ・エレメントに乗ってきたことがあるほか、現行のクルマだとダイハツ・ウェイクやタフトに対して強い魅力を感じています。

よってこのマイルドボックスにも非常に惹かれており、「発売されるといいなあ」と考えているわけですね。

これはもうEV版TJクルーザーか

そこで今回ぼくがふと思ったのが、これは「EV版TJクルーザーではないか」ということ。

このTJクルーザーは2017年の登場モーターショーにて発表さるやいなや大反響を巻き起こし、その直後に発売のウワサが飛び交ったクルマで、「T」はツールボックス、「J」はジョイを現します。

その後各自動車メディアはこのTJクルーザーの発売を報じることとなって、2019年から仮受注を開始し、2021年5月から正式に受注を行うという具体的な話が出ていたものの、ぼくはそれでも「発売されないだろうな」と考えていたわけですね。

その理由としては至極簡単で、当時の販売ランキング上（いまもそうですが）において、トヨタはミニバンとSUVをほぼ独占しており、商用車においてもハイエースとプロボックスがブッチギリなため。

加えて、TJクルーザー投入にて獲得できそうな他社のシェア（人気モデル）はなく、この状況においてTJクルーザーを発売しても、トヨタが自社のシェアを侵食してしまって「利益が増えない」ということは明らかです。

よってぼくは当時から「TJクルーザーは発売されない」と踏んでいたのですが、実際のところ今に至るまで発売されないままであり、今後も登場しないだろう、と考えているわけですね。

ただ、トヨタは今回ミッドボックスを（バッテリーEVの新計画とともに）発表しており、これはある意味でTJクルーザーの生まれ変わり。

トヨタはこのミッドボックスについて「仕事にも若者にも超エキサイティングな可能性をもたらす」と紹介しており、これはTJクルーザーの「Tool＆Joy」ともオーバーラップするコンセプトです。

形こそTJクルーザーとは異なるものの、EVならではのフラットな床面、そして広い室内空間を生かした使い方や可能性は「TJクルーザー以上」といってよく、TJクルーザーのコンセプトはミッドボックスに引き継がれたと考えて良いかもしれません。

なお、「TJクルーザーを発売しないのに、ミッドボックスを発売する意味」とはズバリEVだから。

現時点でトヨタはもちろん、他社においても「商用とレジャー用の両方をカバーできる」ミニバンを投入しておらず（ただし近いうちにはフォルクスワーゲンBuzzが登場）、この分野での先駆者となる可能性があるわけですね。

よってトヨタはこのミッドボックスを投入する可能性が非常に高く、かつ比較的早い段階に発売するかもしれない、と考えています（コンパクトハッチバックEVはレッドオーシャンだが、この手のミニバンはブルーオーシャンであり、このセグメントのリーダーとなれる可能性がある）。

トヨタによる「バッテリーEV戦略に関する説明会」動画はこちら

合わせて読みたい、トヨタTJクルーザー関連投稿

参照：Toyota