| 現代のクルマで当時のデロリアンに該当するクルマはそう多くない |
やっぱりドアが上に開かないと話が始まらない
さて、2020年2月にロバート・ダウニーJr.とトム・ホランドを起用したディープフェイク動画が話題になったことから「この2名を起用してバック・トゥ・ザ・フューチャーのリメイク(リブート)版が作られるのではないか」という期待が強くなっているもよう。
これはマーティの顔にトム・ホランド(スパイダーマン/ピーター・パーカー)、ドクの顔にロバート・ダウニーJr(アイアンマン /トニー・スターク)を合成したもので、その違和感のなかさから多くの人を驚かせたワケですね(とくにトム・ホランドのハマり度にはびっくり)。
ただし実際にバック・トゥ・ザ・フューチャーの4作目やリメイクは誕生しないだろう
ちなみに今回に限らずバック・トゥ・ザ・フューチャーの続編(4作目)やリメイクを望む声は多いといい、しかし監督を務めたロバート・ゼメキス、そして脚本を手掛けたボブ・ゲイル両氏は頑なに続編やリブートを否定しており、その理由は「バック・トゥ・ザ・フューチャー3が完璧なエンディングを迎えたことから続編は想像しにくく、リブートによってオリジナル作品を汚したくないから」。
実際のところ、バック・トゥ・ザ・フューチャーを見るとすべてのシーンやセリフに無駄がなく、しかし様々なスポンサーの意向を盛り込まねばならない現代の映画作成環境ではこういった映画は二度とできないだろうな、ともぼくは考えています。
そう考えるとバック・トゥ・ザ・フューチャーのリブートが作られたとしても間延びした駄作になってしまうことは目に見えていて、であれば「伝説は伝説」で置いておいたほうがいいのかもしれません。
参考までに、ユニバーサルとロバート・ゼメキス、そしてボブ・ゲイルとの間には、「ロバート・ゼメキスとボブ・ゲイルとが存命の間は、この二者の合意がなければ関連作品を作ることはできない」という契約があるといい、この契約からしてもバック・トゥ・ザ・フューチャーの続編やリブートが作られることはまずなさそうです。
「もし」バック・トゥ・ザ・フューチャーが作られるならばタイムマシンはどの車に?
そして現在アメリカのネット掲示板で盛り上がっているのが「「もしバック・トゥ・ザ・フューチャーのリブート作品が作られるのであれば、タイムマシンに適したクルマは?」というネタ。
これについてはぼく自身けっこう悩んでしまうところですが、そもそもバック・トゥ・ザ・フューチャーのタイムマシンにデロリアンが起用されたのは、劇中でドクが言うように「どうせならカッコいいうほうがいい」ということに起因しているもよう。
ちなみに当初は「ピックアップトラックに引っ張られた冷蔵庫」がタイムマシンとなる予定だったそうですが、これは制作側の「子どもが冷蔵庫に入って遊ぶようになると危険」という意見によって却下。
その後ユニバーサルはマスタングをタイムマシンに使用すれば予算を75,000ドル上乗せするとボブ・ゲイル氏をはじめとする制作陣に提示したそうですが、ボブ・ゲイル氏はこれを断って「カッコいい」デロリアンを選んだという経緯があります(ジェイ・レノ・ガレージにて本人が語っている)。
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なお、バック・トゥ・ザ・フューチャーが公開されたのは1985年なのでその数年前から企画と製作がはじまっていて、デロリアンの生産は1981年から1982年なので、おそらくは「デロリアンの生産終了直後」に同作品の企画が始まったと考えて良さそう。
つまり当時は「カッコいい」「そんなに古くはない」「おそらくは中古だと安く買える」という条件にてデロリアンが選ばれており、なによりも「普通の車とはかけ離れた」エキゾチックな外観やガルウイングドアを持つというところが重要だったのかもしれません(タイムスリップ先の過去ではとうてい想像できないようなクルマである必要があった)。
このバック・トゥ・ザ・フューチャー公開前までデロリアンは「ほぼ無名のマイナーなクルマ」だったといいますが、実際のところ劇中のエンジン音はほかのクルマのV8サウンドを合成しており(デロリアンDMC-12に積まれるのはV6)、それには誰も気づかなかったという逸話も。
現代ではそれら要件を満たすクルマは少ない
そこで現在の自動車市場を見渡してみると、当時のそういった条件を満たすクルマは非常に少なく、しかし米ネット上で注目されているのがフィスカー・カルマ。
フィスカーもデロリアンと同じく、一人の自動車人が自分の夢を追い求めて作った自動車会社であり、短期間の生産のみでその会社自体が破綻しています(フィスカー・カルマは別の会社が権利を購入してカルマ・レヴェーロとして蘇らせている)。
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くわえてそのマイナーさ、存在感のあるデザインからしても「適役」かもしれませんが、ただ、ぼくとしてはどうしても「ドアが横に開く」ことを許容できず、個人的にはBMW i8をタイムマシンとして推したいところです(BMWというところは”メジャーすぎる”が、その他の要件はけっこう満たしている)。
ロバート・ダウニーJr.とトム・ホランドを起用したディープフェイク動画はこちら
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参照:EZRyderX47