【動画】もっとも偉大なF1ドライバー、ファン・マヌエル・ファンジオの所有していたメルセデス300SLが「そのままの姿で」競売に！ファンジオが座ったシートに座り、同じステアリングホイールを握れるぞ

｜ おそらくはメルセデス・ベンツ300SLの「最高」落札金額を記録しそうだ ｜

当時の「そのままの姿」というのが計り知れない価値を持っている

さて、オークションの中でも人気なのが「モータースポーツゆかりの品」。

レーシングドライバーの着用したスーツやヘルメット、F1マシンに使用されていたパーツ、ピットのサインボード、はてはサーキットの縁石など様々なアイテムがオークションに登場していますが、今回はなんとファン・マヌエル・ファンジオの所有していたメルセデス・ベンツ300SLロードスターがRMサザビーズ主催のオークションへと出品されることに。

ファン・マヌエル・ファンジオって誰？

ファン・マヌエル・ファンジオはアルゼンチン出身のF1ドライバーで、本名はファン・マヌエル・ファンジオ・デラモ、ニックネームは「エル・チュエコ（ガニ股）」としても知られます。

1951年から1957年にかけ5度のF1ワールドチャンピオンに輝くという偉業をなしとげていますが、この記録は2003年にミハエル・シューマッハが更新するまで46年間も破られずにいたといえば、その凄さがわかるかもしれません。

1954年、1955年にはメルセデスからF1に参戦し、両年においてタイトルを獲得しており（1954年は途中までマセラティに在籍）、「モータースポーツ史上最悪の、80人の死者を出した」1955年のル・マン24時間レースにもメルセデスから参戦し、しかし幸いにもクラッシュに巻き込まれることはなかったものの、同僚の運転するメルセデス・ベンツ300SLRが宙を舞って観客席に落下するさまをその後ろからつぶさに目撃したとされています。

かくしてメルセデス・ベンツは1955年に一旦モータースポーツ活動を停止し、そこからファン・マヌエル・ファンジオはメルセデスとともにレースを行うことはなかったものの、その後フェラーリを経て1958年に引退し、引退後にはアルゼンチンに戻ってメルセデス・ベンツのディーラーを経営することに。

なお、後に同郷だったオラチオ・パガーニがスーパーカーメーカーを創業する際、メルセデス・ベンツ（AMG）製エンジンを使用するようにアドバイスし、口利きをしたのもファン・マヌエル・ファンジオで、ゾンダ・ロードスターFの「F」はファン・マヌエル・ファンジオの「F」ということもよく知られていますね。

メルセデス・ベンツはその功績をたたえて300SLロードスターを寄贈

そして話をこのメルセデス・ベンツ300SLロードスターに戻すと、これはメルセデス・ベンツがファン・マヌエル・ファンジオの功績をたたえて寄贈したもので、現在の走行距離は72,951km。

この走行距離はメルセデス・ベンツから車両を贈られた後、ヨーロッパを横断してアルゼンチンまで運んだことが「その理由」だといい、アルゼンチンに輸送した後にはファン・マヌエル・ファンジオ博物館に展示されていた、とのこと。

なお、この車両は「未レストア」の状態であり、つまりファン・マヌエル・ファンジオが乗っていた「そのまんま（もちろん経年による劣化はある）」だそうで、それがまたこのクルマの価値を大きく押し上げていると考えて良さそうです。

要は、ファン・マヌエル・ファンジオが座っていたシート、握っていたステアリングホイールとシフトノブが「そのまんま」残されており、落札者はそこへ座ることができる、ということですね。

なお、メルセデス・ベンツは300SLクーペを1,400台、300SLロードスターを1,858台生産していますが、つい最近も300SLガルウィングが8億円近くで落札されており、今回の「ファン・マヌエル・ファンジオの」300SLロードスターについてはこれまでの記録を塗り替え、300SLの落札記録を更新することになるかもしれません。

ファン・マヌエル・ファンジオのメルセデス・ベンツ300SLロードスターを紹介する動画はこちら

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参照：RM Sotheby's