| 近年、ここまで急激に価値を上げたクルマも珍しい |
ブガッティEB110が生産されたのは154台のみ、今後は熾烈な争奪戦になりそうだ
さて、ブガッティEB110は今年に入って立て続けに「高額落札記録」を塗り替えていますが、今回また「210万ドル」という価格にて記録が更新されることに。
このブガッティEB110は「プロトタイプ」であり、たしかに希少性はあるものの、現在のボディカラーがリペイントだったり、エクステリア/インテリアについてもオリジナルとは異なる仕様へと改装されていて、いわばカスタムカーのたぐいなので「真正性」が失われているわけですが、それでもこの価格で落札されたということに最近の「EB110人気」の凄まじさを感じます。
現在、多くの人が「ブガッティEB110は確実な投資先であり、まだまだ価格は上がる」と主張していて、その正しさが証明されたということになりますね。
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またしてもその落札価格は予想を超える
今回オークションを開催したのはRMサザビーズで、落札金額は上述の通り210万ドルであり、これは予想落札価格を大きく超えるレベルということになりますが、ちょっと前までは「落札されない」こともあったといい、しかしここ最近のブガッティEB110バブルに乗って今までにない記録を出すこととなっています。
このブガッティEB110はシャシーNo. ZA9AB01E0NCD39012として1992年に生産された個体だと紹介されており、もともとはヴェルデ・スクアーロにペイントされていたそうで(現在はブガッティブルーに再ペイント)、エクステリア/インテリアはダウアー社によってカスタムされたもの。
シャシーはアエロスパチアーレ社によるカーボンファイバー製が使用され、プロトタイプといえども走行テストやエンジンの開発に使用されたわけではなく、1992年のボローニャ・モーターショー、1993にはロンドンのグロブナーハウスホテルで展示されたことがあるもよう。
1994年には現在のブガッティブルーへとペイントされ、スイスとアメリカ向けのエミッション・テストを行うためにメカニズムの改装を受け、エンジン、インジェクション、エキゾーストシステム、燃料タンクなどに多くの改良が加えられています。
このブガッティEB110は「借金のカタ」に差し押さえられたことも
ただ、このクルマはそこから数奇な運命をたどっており、アメリカ市場向けのテストのためシャシーナンバーが「ZA9CB02U7RCD39012」へと打ち替えられ、しかし1996年にアウトモビリ・ブガッティの破産に伴って差し押さえられることになり、清算を担当する司法官は(この個体を含め)工場にあった車両の売却を計画することに。
そこでこのプロトタイプは再び修正がなされ、エンジンも(No.41へ)載せ替えられて最初のシャーシナンバー「ZA9AB01E0NCD39012」へと戻されることになり、そしてイタリア人オーナーへと売却され、1996年9月26日にイタリアでAM 389 LAというナンバーにて登録がなされています。
その後2001年にはダウアー社によって内外装がカスタムされ、ライトグレーのインテリア、そしてそのカラーにマッチした新しい樹脂パーツが付与されることになり、エクステリアではEB110最終型同様の「ブガッティのロゴが中央に入った」リアライト間のアルミパネル、フロントスポイラー内に設置したナンバープレートホルダー、ドライバー側ドア脇のプレートなどが追加され、スイスで販売されていたことが確認されています。
2012年にはボナムズがモナコにて開催した「Les Grandes Marques」において、走行距離830kmで出品されることが発表されたものの、紆余曲折を経た履歴やカスタムが災いして落札ならず、しかしモナコ・モーター・ミュージアムにて数週間展示されたこともあるようですね。
さらに2013年にはオランダにて売りに出され、2014年にはドイツにて大規模整備を受けたという記録が残り、2015年にはアメリカ人のオーナーに売却され、イリノイ州のイベントに登場したという記録も残ります。
その後どういった変遷をたどって今回オークションに出品されたのかは不明ですが、今後さらに価値を上げるのは「間違いない」と見られており、その歴史に新たなるページを追加し続けることになりそうですね。
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