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テスラが2022年1月の北米市場でBMWを抜き「もっとも売れたプレミアムカーメーカー」に。数年前まではBMWと並ぶどころか「潰れる」ほうが現実的だったメーカーとは思えない

2022/03/10

テスラ

| 誰もテスラがここまで伸びるとは夢にも思わなかっただろう |

やはりリスクを負って世の中を変えようとした先駆者には相応のリターンがあるようだ

さて、2021年通年での北米における自動車(プレミアムカーセグメント)販売台数にて、テスラが「BMWに次いで2位となった」ことが報じられ、その追い上げっぷりから見て2022年の早い段階でBMWを凌駕すると想像されていましたが、なんと2022年1月ですでにテスラがBMWを抜いていたことが判明しています。

今回公開されたデータだと、2022年1月のプレミアムカーセグメントにおいて、テスラは前年比49%増の3万7000台、しかしBMWは8.2%増の3万6000台にとどまっており、まだ2月の数字は出ていないものの、1月の両者の成長率を見るに、2月はテスラがさらにその差を拡げているのは間違いないだろう、と考えています。

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テスラは今後、まだまだ伸びる

なお、つい数年前までは誰もこういった状況を予想しておらず、モデル3が発売される前には「イーロン・マスクCEOを交代させるための署名」が活発化し、「テスラは販売を伸ばすどころか倒産するほうがはるかに現実的」だと見られていたわけですね。

そしてもちろん、メルセデス・ベンツを抜いたりBMWを抜くというのは「空想の中でしか」実現し得ないと誰もが考えていたと思われます。

ただ、そういった「空想の中の(しかも大半の人々には空想すらできなかった)出来事」が現在起こっているのは紛れもない事実であり、その(自分の頭の中の)空想を実現してしまったのがイーロン・マスクという男であるということはしっかり受け止める必要があるかもしれません。

モデル3の登場がテスラを変えた

とにかくモデル3がテスラを変えたと言ってよく、しかしモデル3の発売は遅れに遅れ、もし「あと数週間、発売が遅れていたら」テスラは間違いなく潰れていただろうとイーロン・マスクCEO自らが語ったほどではあるものの、いざ発売すれば一気にここまでテスラを押し上げることになり、それはテスラが最初に発売したのが1000万円クラスの「モデルS」、次に発売したのもモデルSと同じかそれ以上の価格を持つ「モデルX」だったことが影響しているんじゃないかと考えています。

つまり、その時点で「テスラ=高価なクルマ」という印象が人々の間にあって、そこへ「300万円台の」モデル3が登場したことにより、人々は「あのテスラを安く買える」と熱狂したんじゃないかということですね。

テスラ

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もしこの発売順序が「逆」であればここまでテスラは売れていないものと思われ、最初に安いクルマを発売してしまうと「安いブランド」というイメージが固定されてしまい、そこから高級車を発売しても「どうやっても売れない」のはこれまで歴史が証明しているところ(それぞれのクルマの性能が同じだとしても、順序が逆であればまったく事情が異なる)。

そしてテスラが最初に高いクルマを発売し、それが「売れた」のは、当時どこもEVを発売しておらず、テスラのクルマにそれだけのお金を支払う価値があったからだとも考えていて、そのため(多くのメーカーがEVを発売している)現在、ほかメーカーがテスラと同じ手法を用いたとしても、それは必ずしも成功に繋がるとは限らないかもしれません。

要は、テスラが「最初にEVを発売した」ということに大きな意義があり、これが「1番手と、2番手以降との”超えられない壁”」なのでしょうね。

1月は例年、登録が少ないというが

なお、北米では例年1月の登録が少ないといい、BMWの8.2%増はまだいいほうで、レクサスは6%減の2万5000台、メルセデス・ベンツは20%減の2万2000台。

特に今年はロシアのウクライナ侵攻、マイクロチップ不足という問題があり、よって今後にわたり各メーカーとも厳しい戦いを強いられることになりそう。

ただ、多くのプレミアムカーメーカーが「まず生産を行い、そのクルマを販売する(在庫を持ち、在庫車を売る)」のとは異なり、テスラの場合は「受注を受けたものを生産し、納車しているだけでこの数字」なので、仮にウクライナ情勢の悪化にて消費マインドが冷え込んだとしても販売台数が減ることはないのかもしれません(その前に、チップ不足で最低限の需要を満たすだけの生産も難しいのが現状ではあるが)。

加えて、テスラは今やメインとなりつつある上海工場の拡充に手を付けており、さらにはドイツ、アメリカはテキサス州の工場についても稼働を開始させるので、さらにライバルとの差を広げることになるもの思われます。

もちろん今回の数字は「EVだけ」ではなく「ガソリン車を含んだ数字」なので、いかにテスラが強いかが理解できますが、一方でEVの販売そのものは62%増加しており、つまりテスラの伸び率(49%)よりも大きく成長していて、ここはライバルが躍進してきているというようにも捉えることが可能です(もちろん、テスラ自身がアメリカ市場におけるEVの販売台数を大きく伸ばしていることも間違いない)。

2022年1月の北米市場において、EVは5万384台が登録されていますが、そのうちもっとも多い1万8549台がテスラ・モデルY、2番めはモデル3(1万3604台)、3位はモデルS(3903台)、そして4位はマスタング・マッハE(2781台)だとされています。

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参照:Automotive News

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