>テスラ(TESLA) >フォード(FORD)

テスラのモデル展開はなぜ「SEXY」ではなく「S3XY」なのか?どうやらフォードが圧力をかけ「モデルE」の商標を奪ったもよう。なおフォードは実際に「モデルE」を発表

2022/03/04

テスラ

| 当時、テスラとフォードとのパワーバランスは今とは全く異なっていたようだ |

今だったらテスラはフォードの言うことを聞かないだろう

さて、テスラは現在「モデルS、モデル3、モデルX、モデルY」という4つのラインアップを抱えますが、これらは4つ並ぶと「S3XY」。

そして欧米では「3」を「E」になぞらえることがあるので、つまりこれらは「SEXY」を表しているわけですね。

なお、ぼくは常々なぜ「モデル3はモデルEとしなかったのか」と疑問を感じていたのですが、今回フォードが「モデルE」なる新部門を発表し、それとともに「なぜテスラがモデルEを使用しなかったのか」も明らかに。

フォードはテスラを「抑え込んでいた」

今回明かされた秘話によると、話は2014年にまでさかのぼり、この時期テスラはモデルS、モデルXを発売しており、イーロン・マスクCEOは、3台めのラインアップについて「SとXがあるから、Eにして”SEX”にするといいかもしれない」と非公式に語っていたもよう。

つまり最初から「SEXY」を目指していたわけではないようですが、S=セダン、X=クロスオーバーを表しているのかもしれず、であればここで出た「E」は文字通りの「思いつき」だったのかもしれません。

そしてテスラが実際に「モデルE」の商標を申請した際、これに待ったをかけたのがくだんのフォード。

フォードの言い分としては「モデルEは、モデルTと類似性がある」というものですが、おそらくはテスラが商標を申請し、その内容が(登録前に)一般公開となった際にフォードがこれを見つけたのだと思われます。※モデルTは自動車業界初の量産車であり、フォードはこれによって一気にその勢力を拡大した。現在でもビートルに次いで「史上二番目に売れた自動車」でもある

かくしてフォードとテスラは話し合いを持つことになり、(今だと信じられないことですが)イーロン・マスクCEOが「わかった。モデルEは使わない」として「モデル3」へとその名称を切り替えたもよう。

フォードはモデルeをついに発表

そしてそこから8年の時間が経過し、今回ついにフォードは「モデルe(正確にはフォード・モデルe)」を発表することにになり、しかしこのフォード・モデルTは「特定のクルマ」を指すわけではなく「EVとテクノロジーに特化した」ブランドだと説明され、これに対するのは「フォード・ブルー」という内燃機関を指すブランド。

つまりフォードは今後、自社のクルマを「EVと内燃機関を積んだクルマ」の2つに分けるということになりますが、フォードCEO、ジム・ファーレイ氏いわく「私たちはかつてT型という小さなクルマを作っており、それが大量輸送を可能とし、クルマの所有を普及させました。我々はモデルEのような名称を非常に大切にしています。私たちはそれを保護し、それこそが私たちがこのような名前をつけた理由なのです」とコメントしています。

おそらくテスラが「モデルS」「モデルX」を発売した当時、まさかフォードはテスラがここまで大きくなるとは思っておらず、よってモデルSとモデルX」の商標を看過していたのだと思われますが、モデルEを許さなかった割には「モデルY」について黙認したということになり(文字の形状は似ている)、これはちょっと不思議なところでもありますね。

Unleashing the Ford+ Plan

今後のフォードはこうなってゆく

なお、今回「モデルe」「ブルー」という2つのブランドが発表されたわけですが、フォードは今後、自動車事業をこの2つの区分に沿って分割する、とのこと。

フォード・ブルーは、フォードが以前発表した将来の計画「Ford+」の延長線上にあり、F-150、ブロンコ、マスタングなどがここに含まれ、その一方、フォード・モデルeには、マスタング・マッハeはじめ今後発売されるEVが名を連ねるということに。

フォードCEO、ジム・ファーレイは今回の変革に際して「フォード+で我々が目指すのは、真に偉大で世界を変える企業へと再び変革することであり、そのためには集中力が必要です。私たちは、スタートアップ企業が夢見ることができるような、フォード・ブルーの産業ノウハウ、ボリューム、そしてブロンコなどの象徴的なブランドとともに、フォード・ブルーを展開してゆきます」。

つまりフォードは内燃機関を分離させて捨てゆくわけではなく、ここではオフロード走行、ビークルダイナミクスに関する研究を行い、それをモデルeへとフィードバックし、さらにはモデルeにて開発した制御ソフトウエアをブルー部門へと還元することでより良い製品づくりを目指し、「製品、製造、品質コストの削減に取り組む」とも。

加えて両部門は、商用車や軍用車を扱う部門「フォード・プロ」に対しても、フォード・モデルeの技術とフォード・ブルーの製造ノウハウでサポートを行うことになるもよう。

フォードの最高財務責任者であるジョン・ローラー氏は、「この新しい組織は、輸送の新時代において、業界をリードする成長性、収益性、流動性を生み出す能力を強化するものです。既存の能力を最大限に活用し、必要なところに新しい能力を加え、プロセスを簡素化し、コストを下げることで、ICE(内燃機関)とEVの両事業に資本を配分する効率と、そこから期待されるリターンをより鮮明にすることができるようになります。そして最も重要なことは、それが我々のステークホルダーに成長と大きな価値をもたらすと信じていることなのです」とコメントし、その意気込みを語っています。

フォードがその事業改革について語る動画はこちら

合わせて読みたい、フォード関連投稿

【動画】山中に放置されていた1929年製フォード・モデルAをその場で修理してエンジン始動→自走して山を降りる!フォードの耐久性には脱帽
【動画】山中に放置されていた1929年製フォード・モデルAをその場で修理してエンジン始動→自走して山を降りる!92年経過してもまだ動くフォードの耐久性には脱帽

| 放置していたのはこのフォード・モデルAのオーナーで、どうやらこの後は普通にこのクルマに乗るようだ | おそらく歴史的にはとんでもない価値があるんじゃないかと思う さて、これまでにも様々な古いクルマ ...

続きを見る

フォードがSEMAに展示するマスタング5台を公開!80−90年代風のポップなカスタムに加え、エレクトリックモデル「マッハE」にもシェルビー版が登場
フォードがSEMAに展示するマスタング5台を公開!80−90年代風のポップなカスタムに加え、エレクトリックモデル「マッハE」にもシェルビー版が登場

| 全般的に様々な流行が80−90年代への回帰に向かっているようだ | 少しでも明るく楽しそうなクルマのカスタムが増えると気分も明るくなりそうだ さて、SEMAショー開催が近づいており、ホンダや日産に ...

続きを見る

マスタング・ブリット
スピルバーグ監督にてあの名作「ブリット」現代版が製作されるようだ!フォード・マスタング、そしてカーチェースシーンはどうなる?

| いかに新解釈の別ストーリーであっても、マスタング抜きでブリットを語るのは難しい | フォードとしても、なんとしてもマスタングを使用してほしいところだろう さて、スティーブン・スピルバーグがあの「ブ ...

続きを見る

参照:CNNMoney, Automotive News,  Fox Business’ Varney & Co

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Cirqua_Recommend / 1845256

->テスラ(TESLA), >フォード(FORD)
-, , , ,