【動画】ポルシェが911GT3向け純正オプションとして「ニュルのタイムが4秒も速くなる」マンタイ・キット発売！エアロパッケージに足回りの変更

｜　いかに純正オプションといえど、ボクはこれを「反則」だと捉えている　｜

ただ、そこまでして速くニュルブルクリンクを走りたいというポルシェの情熱には敬服せざるを得ない

さて、ポルシェが純正後付けオプション（テクイップメント）に992世代の911GT3向け「マンタイ・キット」を発売。

この「マンタイ（Manthey）」とはポルシェが買収したレーシングチームで、現在はポルシェ傘下にあるものの、もともとは独立したチームであり、ずっとポルシェを使用して数々のレースで好成績を収めてきたことから、ポルシェが「このチームを欲しい」と考えるように。

そして現在は晴れてポルシェ関連企業となり、991世代の911GT2RSやGT3、718ケイマンGT4向けに、ニュルブルクリンクでのパフォーマンスアップを主目的とした「マンタイ・キット」を発売しているわけですね。

マンタイ・キットは「反則」？

なお、このマンタイ・キットは主にエアロパッケージ、そしてホイールや足回り、ブレーキパーツにて構成され、この装着によってニュルブルクリンクのラップタイムが「数秒」向上します。

そして特筆すべきは、このキットはポルシェ純正部品としてリリースされるもので、これを装着したとしても「改造車」とはならず、ポルシェの新車保証をそのまま継続することも可能に。

このマンタイ・キット装着社は一般に「MR（マンタイ・レーシング）仕様」と呼ばれますが、ポルシェはこれを純正オプション装着装着車の範囲だとみなしていて、昨年6月には「911GT2 MR」にて、メルセデスAMG GTブラックシリーズが樹立したニュルブルクリンク最速ラップタイムを更新し、「ニュル王者の座を奪還した」と声高らかに宣言したのも記憶にあたらしいところ。

ただ、メルセデスAMGはこれに対していい顔をせず、「オプションを装着してまで対抗したこと」に対して皮肉を述べていますが、ぼくとしては本件に関し、マンタイ・キットは非常に限られた目的のために製造され、現在は欧州でしか提供されていないことから、「誰もが利用できる」オプションではなく、よってこれを市販車の分類に入れることはできないだろうと考えています（メルセデスAMGに賛成）。

911GT3向け「マンタイ・キット」はこんな内容

ただ、それでもこのマンタイ・キットが「ニュルブルクリンクに対して」非常に効果的であることは間違いなく、ここでその内容を見てみたいと思いますが、エアロパッケージとしては「大型フロントリップへの変更」「カナード追加」「アンダーボディのエアガイド追加」「リアウイング変更」「リアディフューザーにフィン追加」「リアホイールにエアロディスク追加」というもの。

これによって特にフロントのダウンフォースが増加し、コーナリング時のスピードと安定性が増加することに。

ちなみにエアロディスクについては、整流効果を主眼としたものではなく、エアをリアウイングに向けて「跳ね上げる」ことでリアウイングの効果を最大化するためのものだと（以前に）解説されていますね。

これに加えて4ウェイ調整式コイルオーバー・サスペンションもキットに含まれ、"日常的な使い勝手を犠牲にすることなく"限界性能を向上させるほか、オプションとしてはバネ下重量を7.3キロ軽量化できる軽量鍛造ホイール（フロント：20、リア21インチ）とレーシング・ブレーキパッドも用意され、さらにその限界を引き上げることが可能です。

もちろんこれらはすべて（欧州のみですが）ポルシェの正規ディーラーを通じて入手することができ、実際にポルシェとマンタイ・レーシングはこのキットを装着した911GT3 MRをポルシェのテストドライバー、ケビン・エストレ氏のドライブによってニュルブルクリンクで走行させ、20.6kmレイアウトのコースにてノーマルの911GT3に比較し4.19秒速い6分55.737にて周回しています（無改造の市販車だとだいたい歴代7位くらい）。

ポルシェ911GT3「MR」がニュルブルクリンクにて6分55.737を記録する動画はこちら

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参照：Nürburgring