| 「売りっぱなし」ではブランド価値を高めることは到底できない |
フェラーリは「過去があってこその未来」だと考えている
フェラーリ・レーシング・デイズ、今回は「クラシケ」「スペシャルモデル」編。
まずは「クラシケ」ですが、英語で言うと「クラシック」ということになり、ここではフェラーリが過去に製造したクルマの価値を保全することを目的とし、レストアや、そのクルマに使用されているパーツが「正規品」であることを認証するサービスを指します。
そしてこのブースではクラシケの活動についての理解を深めるための展示がなされており、F40そして250GT tdfが展示されているわけですね。
フェラーリは未来と同時に過去も見ている
そしてこのクラシケを紹介するブースの壁には「最高のフェラーリは、これから生み出されるフェラーリである(by エンツォ・フェラーリ)」。
つまりフェラーリは常に未来を見ているということを示しているわけですが、現在のフェラーリは「過去の資産が未来を創る」ということを強く意識しているようで、250GTOなどの非常に高価な価格で取引されるクルマの存在によって、間接的に「新車の販売価格をより高く設定できるようになっている」と捉えているのだと思われ、その観点から過去に販売したクルマの価値を保全すること、現行モデルについても「7年間の無料メンテナンス」を付与することによってコンディションを保ち、過去と未来を結びつけようとしているのだと思われます。
なお、これはフェラーリに限ったことではなく、ハイブランドや腕時計メーカーにとっても同じであり、そのために「ブランド成立の要件」として”歴史”が挙げられ、歴史のあるブランドの売買が行われているわけですね(ブランドの売買というよりは歴史を売買しているといってもいい)。
ちなみに「現行モデルの価値を維持することで将来的な利益率を高める」という戦略につき、アルファロメオが新社長のもとにてスタートさせていますが(おそらくはフェラーリに倣ったのだと思われる)、今後自動車業界において、プレミアムカーメーカーはこれと同様の動きを採用したり加速させるところが増えてくるのかもしれません。
参考までに、こちらはクラシケがレストアを行う際に参照した当時の書類だと思われますが、こういった記録は非常に重要であり、これがないと話が始まらないということに(よく当時の記録を紛失し、レストアに苦労したという話を聞いたりするが、フェラーリではけっこうしっかりした記録が残っているようだ)。
フェラーリF40はやはり「ザ・スーパーカー」だった
そしてこちらはクラシケブースに展示されるフェラーリF40。
今見てもまったく色褪せない美しさを持っており、クラシケによってメンテンスもしくはレストアが施されているものと思われ、まるで新車のようなコンディションです。
産前と輝くスクーデリア・フェラーリのシールドエンブレム。
今なお現行モデルのオマージュ元としても取り入れられるポリカーボネート製の樹脂フード。
ある意味では「暴力的」とも言えるリアウニング。
フェラーリ・レーシング・デイズでは「オプション」の展示も
そしてこちらは「オプション」の展示。
テーラーメイドが「注文時」に行うカスタムだとすれば、ここに展示されるオプションは「後付け可能なもの」ばかりであり、つまりは購入後に自分のクルマをカスタムするパーツということに。
そしてここに展示されるクルマのいくつかはそういったパーツが組み込まれているものですが、用意されるオプションとしてはカーボンパーツがけっこう多いように思われます。
ポルトフィーノM、812コンペティツォーネ、296GTB、ローマが展示されていますが、なかなかこういったモデルが一堂に会することは少ないかもしれません。
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