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ブガッティが「ブルー」について語るコンテンツを公開!このブルーはどうやって始まり、どう変化し、そしてどこへ向かうのか

2022/07/17

ブガッティが「ブルー」について語るコンテンツを公開!このブルーはどうやって始まり、どう変化し、そしてどこへ向かうのか

| ブガッティのブルーは時代とともに変化し、これからも変化してゆく |

たしかにシロン初期の水色は最新のブガッティではあまり用いられていない

さて、ブガッティというと「ブルー」というイメージがありますが、今回ブガッティが自らそのブルーのルーツを探るコンテンツを公開。

なお、「フェラーリのレッド」「マクラーレンのオレンジ」といった具合にそのルーツが明確なカラーもあり、しかしブガッティのブルーに関してはルーツが明確ではなく、現在の”ブガッティ・オトモビル”体制となるに際し、ブガッティは新たにその定義を行ったのだそう。

ブガッティの「ブルー」は何度か変遷を遂げている

ブガッティのデザインディレクター、アキーム・アンシャイト氏は「フレンチ・レーシング・ブルーは、情熱、モータースポーツの血統、そして愛国心を意味します。ブガッティType35を含む初期のフランス製レーシングカーは、時速100マイルで疾走する群衆に一目でそれとわかる鮮やかなブルーを身にまとっていました」と前置きし、しかしその色味については時代とともに、そしてブガッティのラインアップ同様に変遷を繰り返してきた、とのこと。

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初期のブガッティのブルーは「水色に近かった」といい、これはブガッティ創業者であるエットーレ・ブガッティの妻バーバラが「ゴロワーズ(水色のパッケージのタバコ)」を好んで吸っていたことから、これが初期の「フレンチレーシングブルー」のインスピレーションになったのでは、と言われているようですね。

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よって1920年代はじめのブガッティは明るいターコイズブルーを使用しており、しかし1920年代半ばになると、よりニュートラルに近いダークブルーに変更され、さらにその後、(エットーレ・ブガッティの息子である)ジャン・ブガッティが活躍する1930年代にになると濃淡ブルーの「デュオトーン」がツーリングカーやレーシングカーに採用され、この鮮やかなブルーと明るいターコイズブルーの組み合わせは、ル・マンを制したタイプ57タンクのトレードマークになった、とも。

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これが現在でもブガッティにおけるデザイン的DNAの一部となっているデュオトーンの前身となるものだといい、前出のアキーム・アンシャイト氏によれば「ブガッティとブルーの色調は非常に密接な関係にあり、やがて”フレンチ・レーシング・ブルー”が”ブガッティ・ブルー”と呼ばれるようになったのです」。

ちなみにモータースポーツ黎明期において、その国のレーシングカーは国ごとの「ナショナルカラー」を身にまとうのが通例で、しかし後にスポンサーカラーが浸透することによってこの伝統が崩れています。

参考までにナショナルカラーの一部を挙げてみると、イギリス=グリーン、フランス=ブルー、ドイツ=シルバー、オランダ=オレンジ、ベルギー=イエロー、イタリア=レッド、日本=ホワイトにレッドといった具合ですね。

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2000年代、ブガッティは新時代の「フレンチ・レーシング・ブルー」を再構築

そして1998年にブガッティの商標使用権がフォルクスワーゲングループに移り、2000年代に入ったのちブガッティのデザインチームは新しい「フレンチ・レーシング・ブルー」の色調を模索。

2007年にブガッティは「1090年の創業以降に使用されてきたブルーの色調を丹念に分析し、ブガッティブランド再創造のためにの現代的な解釈を発表することとなっています。

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これが現在の(シロンとともに発表された)より暖かみのあるブルー、よりクールなブルー、ニュートラルなブルー、そしてカーボンファイバー時代にとって重要な排他性を持つ「ブルークリアカーボン」。※ちなみに、初期のシロンに用いられた明るい水色は最近あまり用いられておらず、近代ブガッティにおいても微妙にブルーの用いられ方が変わってきている

ブガッティ・シロン

このカラーを生み出すプロセスは、ブガッティ黎明期にインスピレーションを受け、何百時間にも及ぶ研究とともに進められ、ブガッティはペブルビーチやヴィラデステといった各コンクールデレガンス等のイベントにて当時の実車を確認したといい、しかしアキーム・アンシャイト氏は「初期の塗料は、当時手に入るものだけで作られていることが多く、現在の基準で考えると、単純に現代では使えません。時代を超越し、かつクラシックとモダンのブガッティのラインとスタイリングを反映したものを作る必要があるのです」とも。

ちなみにですが、聞くところによると以前の「ブルー」の塗料には(当時の技術では検知できなかった)有害物質が含まれていることが多いといい、しかし最近では含有される成分を仔細に分析できるようになったため、そういった有害成分が含まれなくなり、これによって発色がやや損なわれている、とのこと。

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「フレンチレーシングブルー」は至るところに

なお、ブガッティの現代的な車種では、「フレンチレーシングブルー」の適用はボディだけにとどまらずブレーキキャリパー、さらにレザーインテリアや、その上に施されるコントラストステッチ、さらに難しいアルミニウムのアルマイト処理にも及ぶことに。

とくにブルーアルマイトの処理は非常に複雑だとされ、特に車のさまざまな部品に一貫して同じ色合いを必要とする場合、その作業は非常に困難であり、一見して同じように見えるアルミニウムでも、他の条件がすべて同じであっても、プロセス中にそれぞれ異なる反応を示すために結果としての色味が異なることが多いようですね(アルマイトは塗装ではなく酸化処理を行うので、その結果をコントロールし予見することが難しい)。

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現在ブガッティはリマックとの合弁会社「ブガッティ・リマック」を設立し新時代へと向かいつつありますが、それに際して再び「フレンチレーシングブルー」の再発明と新しい「ブガッティブルー」の定義が検討されているといい、この新しいブルーに求められるのは「時代を超越し、一目でそれとわかる、ブガッティの豊かな歴史へのオマージュとなる色調」。

さらにはデジタルと物理の両プラットフォームにおいて、オーナー、ファン、愛好家に対して「La Vie en Bleu」を表現する必要があり、いちばん重要なのは、将来のブガッティ車に適用されること。

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アキーム・アンシャイト氏は最後に「デザイン、エンジニアリング、生産のすべての面を新たに見直すことが重要なのです。もちろん、ブガッティの理念であるスピード、ラグジュアリー、美しさ、革新性を追求するのは当然ですが、これまで以上にサステイナビリティ(持続可能性)に目を向けています。そして、サステナビリティを核とした新しい”フレンチ・レーシング・ブルー”の創造は、すでに始まっているのです。私たちは、ゆりかごから墓場までの全工程を見直し、すべての素材を再評価しています。ウールの収穫方法、テキスタイルの作成方法、そして現代では超高級素材とされているものについても検討する必要がありますが、これらはほんの一例です。例えば、歴史を振り返ってみると、運転手はレザーの上に座っていたはずです。しかし、王侯貴族はシルクなどの貴重なテキスタイルの上に座っていたのです。新しい時代を迎えた今、私たちが考えるべきことはたくさんあります」と語っており、つまりはボディにペイントする塗料だけではなく、将来に渡って持続加工な、あらゆる素材において等しく再現できるブルーを求めているのでしょうね。

ブガッティがブルーについて語る動画はこちら

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参照:Bugatti

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