| ゴールド本来の輝きを発揮できるよう、ゴールド仕上げ部分にはクリア塗装を施していない |
まさにブガッティは走る芸術品
さて、先日ブガッティが納車を開始した、シロン最後の限定シリーズ「レベ」。
これはブガッティ創業者であるエットーレ・ブガッティの娘の名を冠したモデルで、彼女が愛したアールデコ調のモチーフ、そしてエレガンスを表現した仕様を持っています。
そしてこのレベにて重要な要素となるのが「ゴールド」ですが、今回ブガッティはそのゴールドについて、そしてエンブレムなどディティールについて語るコンテンツを公開することに。
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フロントのエンブレムの加工にかかるのは10時間
ブガッティ各モデルのフロントグリルに装着されるのは(その形状に起因して)マカロン・エンブレムと呼ばれますが、このシロン・レベに装着されるのは「ゴールド仕様」。
これは他のブガッティには見られないもので、ブガッティとバイエルン(ドイツ)の彫金・エンボス会社であるポーラス(Poellath GmbH & Co. KG)との5年にも渡る試行錯誤の結果として生み出されたものだと紹介されています。
ベースとなるのは標準のシロンに装着されている純銀製のマカロン・エンブレムではあるものの、ブガッティはこれにニッケルメッキ(腐食を防ぐ)を施し、その上にごく薄いゴールドの層を形成し、それを研磨して鏡面仕上げとしているのだそう。
この工程には10時間以上を要するそうですが、ブガッティ・オトモビルにてセールス&マーケティング担当マネージングディレクターを務めるヘンドリック・マリノフスキー氏によれば、「我々のお客さまは常に非凡なものを求めています。そのため、我々はブランドの品質に対する考え方に合うものは何か、どうすればそれを実現できるかを常に考えているのです。ホースシュー・グリルに装着されるゴールド・マカロンをはじめ、このクルマのゴールドのディティールによって、ブガッティでしか手に入らないものをお客様に提供することができるのです。そしてゴールドが本来の輝きを放てるよう、ブガッティはクリアコート仕上げをしていません」。
マカロン・エンブレムはエットーレ・ブガッティによって考案される
赤地に白い「BUGATTI」文字が入る楕円形の”マカロン”エンブレムは、エットーレ・ブガッティ自身によってデザインされ、エナメルとメタルにて成形されたオーバル型バッジがつくられ、それを1909年末に製造されたブガッティType13のラジエーターグリルへと装着したのが起源だとされています。
これは、一目でそのクルマがブガッティとわかるようにするための工夫だったといい、マカロンエンブレムは、”BUGATTI”文字とその上のイニシャル(EB=Ettore Bugattiの略)、そして縁取りと全周にわたる60個の赤いドットから構成されていて、この60個のドットは、20世紀初頭の富と独立を象徴する真珠を表しているという説もあり、しかし実際はパーツ同士を固定するコッターピンの役割を果たすワイヤーなのだそう。
エットーレ・ブガッティにとって、自動車の信頼性と耐久性はもっとも重要なものであり、それらを表現したものがこのエンブレムだとも考えられます。※ホースシューグリルについても、エットーレ・ブガッティが愛した馬の蹄鉄という説、吸気効率を重視した説、卵モチーフ説などがある
ちなみにこのマカロン・エンブレムはそこから現代に至るまで「わずかに」変更が加えられたのみだといいますが、いかなる要望にも応じることができるブガッティであっても、このマカロン・エンブレムだけは顧客の指示によって変更することができないとされ、いかにブガッティがこれを大切にしているかがわかりますね。
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さらにシロン・レベではホースシューグリルのフレーム、エンジンカバー(の一部)、フューエルフィラーキャップにオイルキャップ、リアのEBエンブレム等がゴールドにて仕上げられ、しかしもっとも困難だったのは「縦44センチ、幅40センチ」のホースシューグリルだったといい、このサイズにてゴールドを完璧に、しかし均一に密着させて仕上げることは至難の技だったといいます。
そのほか、「ブルーロワイヤル」にて仕上げられたボディカラーにもゴールドのラインが入り、リアウイングの裏面にもゴールドにてL'Ebeの文字が入ります。
もちろんインテリアやフロントトランク内に設置されるプレート類にもゴールドが用いられ、これらのパーツだけでも相当な価値を誇ることになりそうですね。
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参照:Bugatti