ポール・ウォーカーが所有していたポルシェ911カレラRS 2.7「ナナサンカレラ」が競売に！ポルシェ、そしてポール・ウォーカー側の証明書も付属し高騰必至

｜ ポール・ウォーカーは「自分でステアリングホイールを握り、サーキットを走る」俳優だった ｜

そのコレクションは「実際に走って速い」クルマに集中している

さて、映画ワイルド・スピードにてブライアン役を務めた故ポール・ウォーカーが所有していたポルシェ911カレラRS 2.7”ナナサンカレラ”がオークションへと登場予定。

ナナサンカレラはポルシェの中でも「最も価値のある一台」として知られますが、そこへ「ポール・ウォーカー」というプレミアムが乗っかり、とんでもない価格にて落札されることになるのかもしれません（ナナサンカレラを求める層と、ワイルド・スピードのファンとは性質が異なるようには思うが、投機筋からするとかっこうの投資対象でもある）。

なお、このナナサンカレラにはポルシェの鑑定書と、ポール・ウォーカーがロジャー・ロダスと設立したAE（Always Evolving）コレクションによって発行された権利書のコピーが付属するというので、あらゆる方面から見て付加価値が高いのは間違いなさそう。

仕様としては一般的な「ツーリング」パッケージ

911カレラRS 2.7は、当時ポルシェがグループ4カテゴリのホモロゲーションモデルとして911S/2.4をベースに生産したエボリューションモデルで、つまりはモータースポーツ参戦を前提に作られた車種でもあるわけですね。

軽量化、パワーアップに加えて足回りの強化という、現代のRSモデルにも通じる「（ポルシェの考える）スポーツカーの基本」を徹底したモデルでもあり、搭載されるエンジンは2.7リッターフラットシックス210馬力、トランスミッションは5速マニュアルのみ、そしてグレードは「ツーリング」「スポーツ」「レーシング」パッケージが存在。

なお、「スポーツ（ライトウエイト）」パッケージを選んだ場合はリアシート、カーペット、アームレスト、時計さえもなかったといい、「ツーリング」パッケージだと115kgの重量増となったものの、日常的に乗れる範囲の快適性を備えています。

もちろん「レーシング」パッケージだと文字通りレーシングカー同様のスペックを持っており、あまりにスパルタンだったせいか1525台が生産された911カレラRS 2.7のうちわずか17台しか生産されなかったのだそう（ツーリングパッケージが最も多く1308台が納車されている。競技用車はこれとは別に55台が生産された）。

そしてポール・ウォーカーが所有していたこのナナサンカレラは「ツーリング」スペック。

製造は1973年3月、ボディカラーはライトイエローにブラックのアクセント、ウィンドウとヘッドライトには当時のままののクロームトリムが装着されています。

ドライブトレイン、ブレーキ、サスペンションは全てジェリーウッド・エンタープライズによってレストアされていると紹介されています。

ポール・ウォーカーは映画俳優としてのほか、レーシングドライバー、海洋学者としての側面も持っており、生前には「俳優としてだけには見られたくない」「ワイルド・スピードに出ていたあの人としてだけ人々の記憶に残りたくない」と語ったことも。

私生活上ではたいへんなカーマニアとして知られ、しかし様々なメーカーの車に手を出すのではなく、比較的絞られたメーカーのクルマを愛しており、とくにBMW、ポルシェ、そして日産に対して興味の対象が絞られていたもよう（基本的にはサーキットを走ることができるクルマにコレクションの対象が向いていたようだ）。

このナナサンカレラのインテリアもレストア済み

そしてこのナナサンカレラのインテリアも美しくレストアがなされ、ブラックのスポーツバケットシートのセンターにはホワイトの（当時多く見られた）ペピータ・ハウンドトゥース。

走行距離は走行距離93,774kmを刻みますが、生産したクルマの70％が今でも現役で走っているというポルシェにとっては「まだまだこれから」といった数字でもありますね。

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参照：Mecum Auctions