アキュラ（ホンダ）がル・マン24時間レースに向けて新型レーシングカー「ARX-06」のテストを開始！車体には「タイプS」のラッピング

｜ 現在公開されている中では「珍しい」オレカ製シャシーを使用 ｜

現在、アキュラはエンジン型式含む詳細を公表していない

さて、アキュラはつい先日、ル・マン24時間レース含む世界耐久選手権、そしてIMSAを走るレーシングカー「ARX-06 LMDhプロトタイプ」のティーザー画像を公開していますが、今回はフランスのポールリカール・サーキットにて2日間のテストを行い、その姿がフルに（カモフラージュ付きですが）公開されることとなっています。

このアキュラARX-06はLMDh規定に従って製作されるレーシングカーで、ポルシェ、BMW、キャデラック、ランボルギーニ等と同様の規定に沿って設計されるということになりますね。

今回のテストでは、ウェイン・テイラー・レーシングのドライバー、リッキー・テイラーとホンダ・パフォーマンス・デベロップメント・エンジニアのマット・マクマリーがドライビングを担当したと報じられ、リッキー・テイラーはIMSA DPiのチャンピオンを2度獲得し、さらにはロレックス・デイトナ24時間レースを制した経験もある実力派なのだそう。

アキュラは万全の体制でレースに臨む

一方のマット・マクマリーは、ビークル・パフォーマンス・エンジニアであると同時に、レーサーとしても成功を収めており、ル・マンに3回出場したうえ、2020年にはIMSA GTDドライバーズチャンピオンシップを獲得。

今回のテストでは、ARX-06で活用される複数のソフトウェア制御システムの開発作業を主導している、と報じられています。

このアキュラARX-06について、スペックその他一切が公開されていませんが、ハイブリッドパワートレインが規定の（ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング製の）ものを使用する必要があるという関係上、自ずと求められるエンジンパワーも決まってきて、となるとほかチームと同様に「V8」エンジンを採用する可能性が大きいんじゃないかと考えています。

ボディ表面には「タイプS」の文字

外観としては「極めて一般的な」プロトタイプレーシングカーといった印象であり、これもLMDh規定のシャシー（アキュラはオレカ）を使用するために大きな差異は出しにくいものと思われます。

ただ、フロントだけはほかチーム同様に独自性を（ちょっとだけ）主張しており、ヘッドライトにはアキュラの市販車と同じ（しかしとんでもなく大きい）発光グラフィックを備え、ボディ全体には「タイプS」そして「S」の文字があしらわれていて、これはほかチーム同様に「カモフラージュ用シートを、効果的に宣伝に用いる」という手法に倣ったもの。

いうまでもなく、「タイプS」は（NSX Type Sの存在でもわかるとおり）アキュラにおける最高峰のスポーツグレードです。

HPD（ホンダ・パフォーマンス・デペロップメント）社長兼テクニカルディレクターのデビッド・ソルターズ氏は「もちろん我々のARX-06の開発はまだ始まったばかりですが、ポール・リカール・サーキットでの最初のシェイクダウン走行、そして2日間の夜間走行の結果には、非常に満足しています。オレカ、HPD、ウェイン・テイラー、マイヤー・シャンクの各チームは、この初走行の準備と実施において、非常によく協力してくれました。これからが、本当の意味でのハードワークの始まりとなるのです」といった感じで意気込みを見せることに。

なお、車名のARX-06は「Acura Racing eXperimental, generation 6」の頭文字を取って命名されたもので、これまでアキュラを2019年と2020年のIMSA DPiチャンピオン、2021年と2022年のロレックス・デイトナ24時間での総合優勝に導いてきたプロトタイプレーサーの血統に基づいたものだと紹介されています。

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