テスラ最大のライバルと目されたルシードのキャンセル止まらず。社内では「キャンセル希望者に14回電話をかけるように」というマニュアルも存在することが判明

｜　イーロン・マスクCEOは「ルシードはもう長くない」とツイート　｜

そしてルシードをキャンセルしようと思うと14回も電話を受けることになる

さて、テスラのライバルと言われ、しかし長らく実際の生産や納車に遅れが生じていた米EVスタートアップ、ルシード（ルーシッド /Lucid）。

ようやく納車が開始されたものの、予約台数が37,000台から34,000台に減少したとも報じられており、一部では「キャンセルが止まらない」という報道も出てきています。

そして今回、そういったキャンセルを食い止めるため、社内マニュアルに「キャンセルを申し出た顧客には、最大で14回電話をかけて説得するように」という記載があるとリークされ、これは従業員に対する「上層部からの不健全な圧力」だとしてちょっとした話題に。

ルシードは年内の納車をなんとしても増やしたい

なお、ルシードは年内に6,000〜7,000台の納車を行いたいという計画を持っており、しかし第1〜3四半期の製造台数は3,687台にとどまっていて、となると今四半期だけで少なくとも2,300台を製造する必要が出てきます。

そこで「キャンセル」が出てしまうと命取りにもなりかねず、よってルシードの上層部はキャンセルを食い止めるべく「14回の電話」を義務付けているそうですが、まず顧客からキャンセルの連絡が入ると、そのキャンセル依頼は「ケースオーナー」が担当し、24時間以内に顧客に電話をかけて注文を「キャンセルを思いとどまらせようとする」必要があるもよう。

そこでキャンセルを踏みとどまらせることができれば問題はないものの、それができなければ「顧客のキャンセル情報」はマネージャー、地域マネージャーに引き継がれ、それぞれ5日間、3日間連続で電話をかけ続ける必要があるといい、このいずれの電話に対しても顧客が「キャンセルの意思を貫き通して」初めて予約がキャンセルされるのだと報じられています。

これはルシードの社員からリークされた内容ではありますが、消費者からすると、「キャンセルを申し出ると、その要求が通るまでに2週間毎日、ルシードの社員数人から電話がかかってくる」ことを意味します（ある意味で地獄のようである）。

なお、ルシードは自ら「プレミアムEV」を名乗っており、その一方でテスラを「プレミアムではない」と批判していることで知られ、しかしこの情報を漏らしたルシードの従業員によると「この従業員への圧力は、プレミアムとは程遠く、ハイエンドと贅沢とは無縁のものです」とも。

テスラはルシードの未来を疑問視している

そしてルシードに対して以前から疑問を呈しているのがテスラCEO、イーロン・マスク氏。

同氏はルシードが生産を開始した後にも「本当の試練はこれからだ」と語り、これまでにもその将来性について多くの否定的なコメントを投げかけています。

現在ルシードは一定の評価を得ており、米国で最も魅力的な電気高級セダンのひとつと思われるクルマを作っているとまで言われるものの、今回イーロン・マスクCEOはルシードについて「そんなに長くこの世に存在しないだろう」という衝撃的なコメントをツイッターに投下することに。

これは多くの人々がルシードをキャンセルしていること、そしてその予約を失わないよう必死になっていることを受けてのことだと思われます（別の報道では、キャンセルを申し出た顧客に対し、10％の値引きを提示しているというものもある）。

なお、テスラは生産開始後に生産遅延に見舞われ、かつモデル3の生産も大幅に遅れたことがあり、「あと数週間で倒産」というところにまで追い込まれたそうですが、そういった地獄を経験した人ならではの発言なのかもしれませんね。

UPDATE: Lucid is also offering customers who ordered a Grand Touring after prices were increased up to a 10% discount to complete their order https://t.co/UG5nNmxNMy

— Drive Tesla 🇨🇦 (@DriveTeslaca) December 8, 2022

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参照：Insider, Drive Tesla(Twitter)