| いかに優れたドライビングテクニックをもってしても、上り坂はクリアできなかったようだ |
クルマの動きを見るに、このドライバーは雪上をかなり走りなれていると見える
さて、現在日本列島は大雪の影響にて大混乱といった状況ですが、米国のユーチューバーが雪の中でフェラーリ・テスタロッサを走らせるという動画を公開して話題に。
テスタロッサは「ミドシップ」レイアウトを採用するものの、実際のエンジン搭載位置は車体中央というよりは後ろ寄りにあり、さらにはギアボックスの上に180度のバンク角を持つV12エンジンを搭載しているために「リアヘビー、そしてリアの重心が高い」というスーパーカー。
つまりは扱いが非常に難しい類のクルマといって良いかと思います。※しかも現代のクルマのようなドライバーエイドは装備されていない
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ただしそのテスタロッサを雪の中で走らせるツワモノがいた
しかし今回紹介するのは「ただでさえ扱うのが難しい、フェラーリ・テスタロッサを雪の中で自由自在に操る男」。
この動画はまず、テスタロッサが収まるガレージからはじまります。
ちなみにタイヤは冬用ではなくオールシーズンっぽく見え、ガレージの床にはオイルがこぼれたあとも散見されるので、このテスタロッサは頻繁にオイル漏れを起こすのかもしれません。
そしてエンジンに火を入れて暖気を行い・・・。
バックして車道に出るのですが、この際にけっこう深くアクセルを踏んでいるのか(もしくはそうでなくてもこれくらいの強烈なトルクを発生させるのか)派手にホイールスピンしつつバックすることに。
なお、ガレージの面している道路の反対側はこんな感じでガードレールも何もない状態であり、そのすぐ向こうは恐ろしいことに「海」。
それでもこのテスタロッサは思いっきりバックしていて、動画を見ていると「スリップして止まらなかったら海に落ちそうだ」と思ったり。
そしてギアを1速に入れてスタートさせ、これもまたけっこうな勢いでホイールスピン。
テールを右に左に振りつつもなんとか前進します。
こんな感じで右を向いたり・・・。
左を向いたりしてけっこう危険。
カーブではこんな感じ。
フルカウンター、そしてドリフト状態にて駆け抜けていますが、車線を完全に無視しているので対向車が来たらちょっとヤバそう。
雪道で問題となるのは「トラクション」
そしてテスタロッサが直面した困難が「上り坂」で、駆動輪(後輪)が滑ってしまって前に進まず、クルマが横になってしまいます。
そこでドライバーは坂道をのぼることを諦めてそこを下って引き返すことに。
この動画を見るに、この積雪状態であっても「カーブを曲がる」のには問題はなく、しかし「上り坂をのぼる」、つまりトラクションに苦労しているようですが、雪の日の上り坂でクルマを走らせる難しさについては、五木寛之著「雨の日には車をみがいて」にて、シトロエンにまつわるストーリーが(全輪駆動の優位性とともに)紹介されています。※後輪駆動車は、後輪の駆動力によって車体を押し出すことになるので、前輪の駆動力によって車体を引っ張るFFとは異なり、低ミュー路における上りには弱い
その後はガソリンスタンドにて給油を行い・・・。
ふたたび雪降りしきる道へと勢いよく飛び出します。
そしてやってきたるはショッピングセンター。
駐車場ではドーナツターンも披露しており、このオーナーさんは十分に積雪を楽しんだようですね。
なお、このオーナーさんはなんと「裸足」でこのフェラーリ・テスタロッサを運転しており、車外に出るにはこんな感じでまずサンダルをポイ。※繊細なコントロールを行うために「裸足で運転」というのは実際のところ悪くはなく、さらには指先が自由に動く「地下足袋がいい」という人もいる
ただし車外に出ると寒いので足の指にはカイロを挟んでいます。
ひとしきりテスタロッサを眺めた後にまたスタートとなりますが・・・。
面白いのはパワーウインドウが壊れているようで、手でウインドウをつかんで引っ張り上げていること。
やはりこの時代のスーパーカーを乗るにはそれなりの苦労があるようですね。
参考までにですが、ぼくが住んでいるところでもけっこう雪が積もり、しかし出勤の必要があるのでミニJCWにて出動。
今までにも同様の積雪が何度かあって、積雪の中でミドシップ(ポルシェ・ボクスター/ケイマン)、RR(ポルシェ911カレラ)、4WD(レンジローバー・イヴォーク/ポルシェ・マカン)、FF(フォルクスワーゲン・シロッコ/ポロ)等にて走ったものの、今回の動画同様、「停まる」「曲がる」はさほど問題ではなく、しかし「トラクション」の問題にて後輪駆動車は苦労することがあり、やはり上り坂は慎重に走らねばならないという印象です(今回の積雪では、上り坂で立ち往生しているクルマが多かった)。