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| 中国はなんと2位の米国にダブルスコアというぶっちぎりの1位 |
おそらくはEV販売が増加するにつれ、このランキングも大きく変動することになるだろう
さて、2022年の自動車販売において、トヨタがNo.1の座を確定させたと報じられている中、今回は「国別」登録台数とランキングが公開されています。
これは世界78カ国からの速報値を集計したもので、全世界での販売台数は2%減となる7849万台(乗用車と小型商用車)だと報じられていますが、国別新車販売ランキングだとインドが日本を抜いて3位ランクアップするなど上位の変動が見られ、日本の停滞ぶりがここでも鮮明となることに。
なお、インドは(人口減少で話題となった)中国を抜いて人口が世界ナンバーワンとなることが確実視され、さらに最近の中国の人件費高騰、そして政治的な不安、先行き不透明なサプライチェーン等といった理由から「(生産、販売ともに)第二の中国」として注目を浴びており、アップルもiPhoneの(インドでの)生産強化に乗り出したと報じられていますね。
国別新車販売ランキングはこうなっている
そこでまずは国別の新車販売ランキングを見てみると、1位の中国が2位の米国に「倍」ほどの差をつけて圧倒的1位に輝いているのが印象的。
なお、ちょっと前までは日米欧の自動車メーカーがこの巨大マーケットになだれ込み、こういった外国の自動車メーカーがシェアのほとんどを握っていたものの、現在では中国の自動車メーカーが力をつけており、中国車のシェアが年々高まっていると報じられます。
加えて、販売の大半がEVとなる時代が来れば、価格的側面から「海外自動車メーカーのクルマ(EV)が売れなくなる」可能性が非常に高くなり、中国依存度の高いフォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツはかなり困ったことになるのかもしれません。
その他、今回のランキングで気が付いたことといえば、今年はじめてブラジルがイギリスを抜いており、新興国のパワーが感じられる結果となっていることですが、徐々に自動車販売の「主役」が変わっていっているのでしょうね。
1 | 中国 | 26,864,000台(+2%) |
2 | アメリカ | 13,828,337台(-8%) |
3 | インド | 4,367,964台(+24%) |
4 | 日本 | 4,167,590(-5%) |
5 | ドイツ | 2,874,828台(0%) |
6 | ブラジル | 1,953,557台(-1%) |
7 | イギリス | 1,896,259台(-5%) |
8 | フランス | 1,874,805台(-10%) |
9 | 韓国 | 16,526,305台(-2%) |
10 | カナダ | 1,551,409台(-7%) |
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ヨーロッパでの販売ランキングはこんな感じ
そしてこちらは欧州での国別新車販売ランキング。
フランスとイタリアが大きく落ち込んでいることがわかりますが、全般的に状況があまり良くなかったようで、その理由はディーラーでの新車供給不足、そしてエネルギー危機によるものだと言われます。
1 | ドイツ | 2,874,828台(0%) |
2 | イギリス | 1,896,259台(-5%) |
3 | フランス | 1,874,805台(-10%) |
4 | イタリア | 1,477,261台(-10%) |
5 | スペイン | 929,731台(-8%) |
6 | ポーランド | 481,807台(-7%) |
7 | ベルギー | 422,418台(-7%) |
8 | オランダ | 368,891台(-5%) |
9 | スウェーデン | 322,603台(-4%) |
10 | スイス | 257,531台(-7%) |
もっとも販売が沈んだのはこういった国々
そしてこちらは「もっとも販売が凹んだ」国々で、デンマークやオーストリアは「エネルギー危機」が影響しているのだと思われ、しかしエジプトとシンガポールが縮小した理由は不明です。
ロシアの大幅減はもちろん戦争の影響だと思われますが、経済活動全般が停滞しているのは間違いなく、この先がちょっと心配になってしまいますね。
なお、現在ほとんどの日米欧の自動車メーカーがロシアでの生産やロシアへの輸出・販売を停止しており、その「空白」を中国車が埋めている、という報道も見られます。
1 | デンマーク | 176,762台(-19%) |
2 | オーストリア | 242,517台(-20%) |
3 | エジプト | 213,152台(-27%) |
4 | シンガポール | 36,101台(-32%) |
5 | ロシア | 677,008台(-59%) |
反面、販売が伸びたのはインドネシア、タイ、マレーシア、ベトナムといった東南アジアの国々で、宏光ミニEVのようなマイクロEVの販売がこの成長に寄与したと報じられており、さらにこの傾向が続くものと見られています。
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参照:JATO Dynamics