やはりEVのバッテリー交換は高額だった。GM、テスラ、日産、VE等のEV/PHEVの電池交換費用調査結果が公開、最も高いのはVW、安価なのは日産

｜　どう考えてもEVのバッテリー交換は割に合わないような気がするが　｜

それでも交換しなければならない事情もあるのだろう

さて、EVが普及しはじめてしばらく経ちますが、ここでチラホラ問題となってきているのが「バッテリーの交換費用」。

保証が切れ、そしてバッテリーの持ちが悪くなってくるとバッテリーの交換を考えざるを得なくなってくるわけですが、今回発表された調査結果があまりに衝撃的であり、「この価格で実際に交換する人がいるのか・・・」とちょっと疑問に思ったり。

正直なところ、この価格でバッテリー交換を行わねばならないのであれば、車両を売り払って「買い替えた」ほうがずっといいのではと思える価格となっているものの、ここでその内容を見てみましょう。

バッテリーの交換費用はざっと平均して1kWhあたり137ドル

今回公表されたバッテリー交換費用に関するレポートを見てみると、平均してその交換費用は1kWhあたり137ドル（現在の為替レートにて18,222円）。

ただしこれはあくまでも「平均値」であり、メーカーによって、また新品バッテリーを使用するか、中古バッテリーを使用するかによっても大きく価格が変わってくるもよう。

たとえばBMW i3のバッテリーは中古で2,500ドルから、しかしBMWディーラーにて新品を装着すると16,000ドルもすることが判明していますが、これを1kWhあたりの価格になおすと中古だと145ドル/kWh、新品だと727ドル/kWhに相当します。※工賃は含まず

シボレー・ボルトEVだと2017年にGMが公式に（バッテリーの交換費用）15,734ドルと発表したものの、その後バッテリー価格は下がっておらず、直近の例だと16,000ドルくらいのコストが（バッテリーのみで）かかったという報告もあるようですね。

そしてこのボルトEVの場合、実際にバッテリー交換を行ったケースから算出すると250ドル/kWh〜271ドル/kWhとなるもよう。

なお、EVではなくPHEV版のボルトだとバッテリーが小さいのでバッテリー自体の価格は中古で3,000ドル、新品で8,000ドルくらいだそうですが、これはそれぞれ152ドル/kWh、467ドル/kWhに相当します。※ただ、バッテリーのみで26,857ドル、工賃込みで30,842ドルの費用がかかった事例もあるようだ

一方日産は「良心的」な価格にバッテリー交換費用を設定している

その一方日産リーフのバッテリー交換コストは比較的安価だという統計が見られ、30kWhのパックで3,500ドルから4,500ドル、40kWhのパックで6,500ドルから7,000ドル、62kWhのパックで8,500ドルから9,500ドル（工賃別）となっていますが、これらはそれぞれ、150ドル/kWh、187.5ドル/kWh、153ドル/kWhという計算となり、工賃を入れると12,000ドルから19,000ドル（266ドル/kWh-300ドル/kWh）でバッテリー交換ができるという計算に。

ちなみに日産はもともとリーフのバッテリーについて交換と再利用を想定したビジネスモデルを確立する意向を示していたものの、実際にはリーフのバッテリーを交換する例がかなり少ないということも明らかになっています（バッテリーの劣化が小さいのか、それとも高額な費用を支払ってまで交換する必要性を感じていないのかは不明）。

参考までにテスラだとモデル3のバッテリーは10,000～15,799ドル程度、モデルSのバッテリーは12,000～22,000ドル（バッテリー容量が不明なので1kWhあたりのコストの算出が不可能）、フォルクスワーゲンE-Golfだと35.8kWhバッテリーは23,443ドルと見積もられており、これはなんと654ドル/kWhに相当し、今回の調査の中では最も高い部類に属します。

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参照：Recurrent’s study