| 思ったよりも劣化速度は早そうだ |
Quartz が報じたところによると、EVのバッテリーは平均して毎年2.3%づつ性能が劣化してゆく、とのこと。
これは世界中の6,300台の法人・個人が所有するEVにおけるデータを集計したものだそうですが、印象としては「けっこう落ちるな」という感じです。
さらにこのレポートでは、バッテリーの加熱や冷却状況によってもその寿命が大きく変わるといい、たとえばテスラ・モデルSは年間2.3%のバッテリー性能の劣化にとどまるものの、日産リーフだとその劣化は4.2%。
この差については、モデルSが液体によって冷却を行うのに対し、リーフは「空冷」であることに依存していると結論づけており、つまりは「バッテリーを適温に保つ」ことが需要だということになりそうですね。
しょっちゅう充電と放電を繰り返すほうがバッテリーは長持ち
なお、面白いことに「頻繁に乗られ、充電されるEV」は、「あまり乗られず、充電されないEV」よりもバッテリーの劣化が少ないということ。
そのほか、暑い地域に住む人のEVのほうが寒い地域に住む人のEVに比較して早くバッテリーが劣化し、より「急速充電」を行う機会が多い人の所有するEVのほうがやはりバッテリーが早く劣化する、という結果も出ているようです。※ぼくは比較的頻繁にi3に乗っていたせいか、さほど劣化は感じなかった
さらにこの劣化は「毎年同じように」進むのではなく、ある程度使用開始から年月が経つと加速度的に劣化が進む、とも報じています。
総合すると、「水冷のEV」を選び、かつ頻繁に乗って、急速ではない方法で充電を行う、そして長く所有しないというのがベターということになりそう。
日産リーフはその中古価格があまりに安いことで知られますが、その一因は「バッテリー劣化」とも言われていて、今後市場に出てくるであろう様々なEVの中古車を検討する際には、「どれだけバッテリーが劣化しているか」ということを考慮に入れる必要があるのかもしれません。
メーカーによっては「バッテリー保証」も
なお、バッテリーはある程度劣化するという前提のもと、多くのメーカーはそのバッテリー容量について保証を行っていて、たとえば「新車購入から3年以内に70%まで低下すれば無償交換」というイメージ。
ただ、こんな短い期間でバッテリーがそこまで劣化するケースは「不良」以外に考えられず、しかし「5年」というタームだと「ありうる」のかも。
実際のところ、各自動車メーカーはどうやっても損しない範囲で保証内容を定めているということになりそうですね。
このような例を見ても、やはりEVはまだまだ「心配の多い」乗り物であり、かつ中古相場が安定しないことから「売るとき」に困るということにもなりそうです。
VIA:GEOTAB