>BMW(ビー・エム・ダブリュー)

BMWもAIをデザイン制作プロセスに導入したもよう。「しかしAIは既存の画像を合成するだけなので、結局はどこかで見たことがあるようなものになってしまいます」

2023/06/08

BMWもAIをデザイン制作プロセスに導入したもよう。「しかしAIは既存の画像を合成するだけなので、結局はどこかで見たことがあるようなものになってしまいます」

| ただ、やがてはAIが人間の思いつかないようなデザインを作り出す時代が来るだろう |

しばしそれまでは「人間の補佐」にとどめておくのがベターなのかもしれない

さて、ここ最近なにかとデザインについて語ることが多いBMW。

今回、BMWグループのデザイン責任者であるエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏が人工知能(AI)のデザイン分野における活用について語っており、同社がすでに人工知能をデザインプロセスに取り入れたことについて言及しています。※一番上と一番下の画像はぼくが「未来のBMWのスポーツカー」と画像生成AIソフトに入力したら出てきたもの

BMWのデザイナー「これからもキドニーグリルは変わり続けます。今までは横に長くしたり縦に伸ばしましたが、ちょっとクリーンなデザインになるでしょう」
BMWのデザイナー「これからもキドニーグリルは変わり続けます。今までは横に長くしたり縦に伸ばしましたが、ちょっとクリーンなデザインになるでしょう」

| 正直、ボクは現在のBMWのデザインをけっこう支持している | そして今後、どういったデザインになるのかにはちょっと期待している さて、とにかく近年のクルマのデザインで話題に上がるのがBMW。もとは ...

続きを見る

BMWはAIに全責任を委ねることはしない

現在BMWがデザイン段階においてAIを取り入れているのは「ホイール」だといい、たとえばAIに対して「5本スポークで、20インチで、重量はこれくらい」というプロンプト(パラメータ)を入力すればいくつかのアイデアを出してくれるソフトを用いているのだそう。

ちなみにアウディも「ホイールのデザインにAIを取り入れている」とコメントしていますが、用途としてはほぼ同様であったと認識しています。

アウディがホイールの設計にAIを導入し「デザイン手法を再発明した」と発表!AIがデザイナーに無限のパターンを提供し、デザイナーはそれをAIと対話しつつも最終形へ
アウディがホイールの設計にAIを導入し「デザイン手法を再発明した」と発表!AIがデザイナーに無限のパターンを提供し、デザイナーはそれをAIと対話しつつも最終形へ

| 製品のデザイン、設計の現場はどんどん変わってゆく | 今後は車体デザインにもAIが導入されることになるのかもしれない さて、アウディがホイールのデザインにおける「再発明をなしとげた」というプレスリ ...

続きを見る

なお、エイドリアン・ファン・ホーイドンク氏はAIとデザインとの関係性において、「AIは時として非常に優れたツールとなりえますが、それでも、人間として、我々はアートディレクターになる必要があります。コンピュータは完全に物事を発明できるわけではありませんが、さまざまなパラメーターを組み合わせて、人間よりもずっと早く様々なデザインを提案することができ、しかし任せっきりにすることはできず、”選ぶ”必要が出てくるのです」とコメント。

さらには「AIに車体のデザインを任せることができるか」という問題に対しては「AIは、ネット上にある画像やスケッチを使い、さまざまな方法でそれらを組み合わせて新しいデザインを生み出すことが可能です。ただ、AIは既存のデータを組み合わせるだけなので、出来上がったものはすでに見たことがあるようなデザインになってしまうのです」とも。

現段階だとAIは「人間の補助」としての活用が最適か

現在様々なデザイナー、そしてユーチューバーがAI活用について言及しており、実際に作品を披露したりしていますが、現時点ではエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏の言うように「見たことがある」ものになってしまうことが多いもよう。

たとえば「マクラーレンのSUV」と入力してみても、なぜかランボルギーニ・ウルスのようなものが提案されたりするため、デザイナーとしてはこれをそのまま使用することは自身のデザイナー生命を放棄することを意味するのかもしれません。

AI (7)

元フェラーリ / マクラーレンのデザイナーがAI画像生成ソフトを使用したカーデザインについて語る!「デザインプロセスが大きく変わり、画期的なクルマが登場するかも」【動画】
元フェラーリ / マクラーレンのデザイナーがAI画像生成ソフトを使用したカーデザインについて語る!「デザインプロセスが大きく変わり、画期的なクルマが登場するかも」【動画】

| フランク・ステファンソンは過去の自分の実績にこだわらず、新しいものや、いいものはいいと何でも素直に受け止める | だからこそ常に時代の最先端を走り続けることができるのだろう さて、ここ最近色々と話 ...

続きを見る

ただ、現在BMWやアウディが行っているように、「アイデアソースとして活用」するぶんには人の可能性を拡張することにもつながるものと思われ(優れたアウトプットを行うにはインプットが多い方がいい)、AIを利用するのであれば、確固たる目的を持ち、その達成のための手段のひとつとして利用するのがベターであり、目的そのものをAIに委ねるべきではないのでしょうね。

実際のところ、AIが出力するものは「実現不可能」「なんか色々おかしい」というものもありますが、それを「どこがどうなっているのか」「なんとか実現できないか」と考えるだけでも自分自身の幅が多少なりとも広がるのかもしれません。

1

合わせて読みたい、関連投稿

「いらすとや」の画風にてAIが自動で画像を生成するアプリが登場!早速「ポルシェ」「フェラーリ」「ランボルギーニ」、そして「太った猫」「自分」を生成してみた
「いらすとや」の画風にてAIが自動で画像を生成するアプリが登場!早速「ポルシェ」「フェラーリ」「ランボルギーニ」、そして「太った猫」「自分」を生成してみた

| どうやらこの「いらすとやAI」は工業製品にヨワく、人や動物であればそれっぽく生成されるようだ | ただし中にはいらすとやの画風とはかけはなれたものも さて、先日は「AIによる画像生成」について触れ ...

続きを見る

BMWのデザイナー「これからもキドニーグリルは変わり続けます。今までは横に長くしたり縦に伸ばしましたが、ちょっとクリーンなデザインになるでしょう」
BMWのデザイナー「これからもキドニーグリルは変わり続けます。今までは横に長くしたり縦に伸ばしましたが、ちょっとクリーンなデザインになるでしょう」

| 正直、ボクは現在のBMWのデザインをけっこう支持している | そして今後、どういったデザインになるのかにはちょっと期待している さて、とにかく近年のクルマのデザインで話題に上がるのがBMW。もとは ...

続きを見る

BMWのデザイナー「今後我々は極限のシンプルさを目指し、時間の淘汰を受けないデザインを目指す。10年経っても古く見えない、そのようなデザインだ」
BMWのデザイナー「今後我々は極限のシンプルさを目指し、時間の淘汰を受けないデザインを目指す。10年経っても古く見えない、そのようなデザインだ」

| たしかにBMWの言うことは一理ある。今後BMWがそれをどうやって実現するのかを見届けたい | 2025年発表のノイエクラッセの革新性がどんなものか非常に気になる さて、BMWは2025年に新EVシ ...

続きを見る

参照:TopGear

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->BMW(ビー・エム・ダブリュー)
-, , , ,