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ランボルギーニが仕掛ける“最高峰の仕立て”。テメラリオに「アド ペルソナム」がイタリアの高級仕立て服の世界観を付与、比類なきエレガンスが誕生

ランボルギーニ・テメラリオ「アドペルソナム」のエクステリア〜フロントサイド

Image:Lamborghini

| いままで「ありそうでなかった」イタリアの高級仕立て服とのコラボレーション |

一見すると「トロン」あるいは「マンガ塗り」のようではあるが

電動化への舵を切りながらも、狂気的なパフォーマンスで世界を圧倒し続けるランボルギーニ。

その最新のプラグインハイブリッド(PHEV)スーパースポーツ『テメラリオ(Temerario)』に、これまでの自動車の常識を覆す極上のビスポークモデルが登場することに。

2026年7月、ランボルギーニは英国「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2026」にて、同社のパーソナライズプログラムの頂点を示す『テメラリオ Ad Personam(アド・ペルソナム)』を世界初公開し、わずか2台のみが制作されたこの限定車はイタリアの高級仕立て服(アルタ・モーダ/サルトリア伝統)の世界観を融合させたことが特徴です。

自動車としては極めて異例の「バージンウール素材のピンストライプ(チョークストライプ)生地」をコックピットに採用し、10,000rpmまで回る920馬力のV8ツインターボハイブリッドという怪物的なスペックに対し「息をのむようなエレガンスを掛け合わせている」というわけですね。

この記事の要約

  • わずか2台の芸術作品: イタリアの高級仕立て服(スーツ)にインスパイアされた、アド・ペルソナムによる世界に2台だけの特別なテメラリオ。
  • 業界初の「チョークストライプ(高級ウール)」内装: ドアパネルや天井に、光によって表情を変える最高級バージンウール素材のピンストライプ(ゲッサート)を初採用。
  • デザイナーのスケッチを纏う外装: ボディに引かれたグラフィックラインは、デザイナーがプロポーションを決める際の「初期スケッチの線」を再現。
  • 超弩級のPHEVスペック: 新開発のV8ツインターボエンジンは驚異の10,000rpmを許容。3基のモーターと合わせシステム総合920馬力を発揮。
ランボルギーニ・テメラリオ「アドペルソナム」のインテリア〜全景

Image:Lamborghini

オートクチュールのドレスのように「車の境界線」を仕立てる

今回の「テメラリオ Ad Personam」は、高価なカーボンパーツを散りばめたり珍しいボディカラーを選んだりするという従来の「カスタム」の領域を遥かに超越するもので、ランボルギーニのCEOであるステファン・ヴィンケルマン氏は以下のように述べています。

「ランボルギーニにおける『エクスクルーシビティ(唯一無二であること)』は、パフォーマンスだけで定義されるものではありません。それは、お客様一人ひとりの個性とビジョンをどれだけクルマに反映できるかです」

ランボルギーニ・テメラリオ「アドペルソナム」のインテリア〜シート

Image:Lamborghini

デザインを担当したチェントロ・スティーレ(デザインセンター)は、仕立て職人が1着の極上スーツを仕立てるプロセスを車体に投影し、外装には、まるでデザイナーがデザイン画を描く際に走らせる「補助線(グラフィックライン)」のようなコントラストカラーのラインが精密に描かれており、クルマそのものが今まさにデザインボードから飛び出してきたかのような錯覚を覚えさせるかのよう。

ランボルギーニ・テメラリオ「アドペルソナム」のエクステリア〜リアサイド

Image:Lamborghini

テメラリオ アドペルソナム:車種概要

用意された2台のテメラリオは、それぞれ全く異なる個性を与えられていて・・・。

1. マットグレー×エレガンス仕様

ボディカラーに「Grigio Crater Matt(マットグレー)」を採用し、コントラストラインに「Grigio Artis」を組み合わせた個体。テメラリオの彫刻的なボリューム感を最も美しく、アンダーシュテート(控えめ)かつ上品に際立たせています。

ランボルギーニ・テメラリオ「アドペルソナム」のエクステリア〜ピンストライプペイント

Image:Lamborghini

2. ライトブルー×軽量レーシング仕様(アレジェリータ・パッケージ)

鮮やかな「Celeste Fedra(ライトブルー)」に「Bianco Phanes(ホワイト)」のアクセントを施し、さらに軽量化パッケージである「アレジェリータ(Alleggerita)」を装着した仕様。現代ファッションやテクニカルイラストレーションからインスパイアされた、よりエクスプレッシブ(表現豊かな)モデルです。

ランボルギーニ・テメラリオ「アドペルソナム」のエクステリア〜フロント正面

Image:Lamborghini

贅沢すぎるインテリアの「仕掛け」

内装の最大の特徴は、ランボルギーニの量産車史上初めて採用された高級バージンウール製の「Gessato(ゲッサート:ピンストライプ)」インサートで、ブラックのウール地を走るシルバーのピンストライプは、あえて等間隔ではなく「不連続」に配置。

ランボルギーニ・テメラリオ「アドペルソナム」のインテリア〜シート

Image:Lamborghini

これにより、伝統的なスーツの堅苦しさを破壊するとともに、テメラリオのシャープな内装デザインに調和する「動きと緊張感(ダイナミズム)」を生み出していると説明されていますが、異なる糸が織りなすテクスチャーは、光の当たり方によって3次元的な深みを見せ、デジタルディスプレイや硬質なカーボンファイバーで構成された現代的なコックピットへと息をのむような温かみとクラフトマンシップのコントラストをもたらしているようですね。

なお、軽量仕様(アレジェリータ)のモデルでは、ウールの代わりに超軽量レーシング素材「Corsa Tex(コルサ・テックス)」を使用しつつ、このピンストライプの視覚効果を緻密な技術織物で再現しています。

ランボルギーニ・テメラリオ「アドペルソナム」のインテリア〜全景

Image:Lamborghini

テメラリオ Ad Personam 主要諸元・スペック

項目スペック・数値
パワートレイン4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジン + 3基の電気モーター(PHEV)
エンジン最高回転数10,000 rpm (市販V8としては驚異の5桁回転)
システム総合最高出力920 CV (エンジン単体:800 CV / 9,000〜9,750 rpm)
0-100 km/h 加速2.7 秒
0-200 km/h 加速7.1 秒
最高速度343 km/h (210 mph以上)
シャシー構造新開発アルミニウム・スペースフレーム(前型比でねじり剛性20%以上向上)
内装特別素材最高級バージンウール「Gessato」ピンストライプ、プレミアムレザー、露出カーボン
ランボルギーニ・テメラリオ「アドペルソナム」のインテリア〜エンジンスターター

Image:Lamborghini

ラグジュアリーの定義を変える「繊維」の戦い

スーパーカーセグメントにおけるパーソナライズプログラムは、今やブランドの収益とアイデンティティを支える最大の主戦場。

フェラーリの「テーラーメイド」、ポルシェの「ゾンダーブンンシュ(Sonderwunsch)」など、各社がしのぎを削っているという状況で・・・。

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従来の「高級」からの脱却

これまでのスーパーカーの高級化といえば、アルカンターラ(スエード調の人工皮革)を貼り巡らせ、コントラストステッチを入れ、カーボンパネルを敷き詰めるのが定番中の定番。

しかし、これらは多くのブランドがやり尽くし、市場ではやや見慣れた景色(均一化)になりつつあるのもまた事実。

今回のランボルギーニの試みが秀逸なのは、あえてレーシングカーとは対極にあるような「ウール(天然繊維)」や「仕立てスーツ」の文脈を取り入れた点で、デジタルディスプレイだらけになった現代のEV・PHEVハイパーカー市場において、タッチパネルの奥にある冷徹なテクノロジーと、人間の手による最高峰の「触感(テクスチャー)」を対比させることで、競合他社の一歩先を行く「知的なラグジュアリー」のポジションを確立したというわけですね。

ランボルギーニ・テメラリオ「アドペルソナム」のエクステリア〜ピンストライプペイント

Image:Lamborghini

クルマの楽しさを広げる「素材」の歴史と新たな気付き

自動車のインテリアにおける「ファブリック(布地)」の採用は、実は非常に深い歴史とステータスを持っていて・・・。

かつてレザーは「運転手のもの」だった

現代でこそ「高級車=本革シート」が当たり前ですが、1920年代〜1950年代のショーファードリブン(運転手付きの超高級車)において、最高ステータスとされたのは後部座席に採用される「ウールやブロードクロスの布地」。※本革は耐久性が高いため、雨風にさらされる前席の運転手用として使われていた

今回のテメラリオがウールを採用したことは、かつてのクラシック・ラグジュアリーの王道への回帰であり、同時に最新のハイパフォーマンスカーにインストールするというアヴァンギャルドな挑戦であるとも受け取ることが可能です。

また、ポルシェが近年「911スポーツクラシック」などで往年の千鳥格子(ペピータ)柄のファブリックを復活させているように、2026年現在のハイエンド市場では「液晶画面やレザーに頼らない、上質なファブリックの織りなす世界観」が、真に通なコレクターを惹きつける重要なファクターとなりつつあります。

ランボルギーニ・テメラリオ「アドペルソナム」のエクステリア〜ピンストライプペイント

Image:Lamborghini

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技術中立の時代にこそ輝く、血の通ったクラフトマンシップ

ランボルギーニ『テメラリオ Ad Personam』が示したのは10,000rpmまでハイスピンするV8ハイブリッドという「最先端の工学技術」、そしてイタリアが誇るサルトリアの精神という「伝統的な職人技」が融合したときの「圧倒的な感情的価値」。

クルマのスペックがどれほどデジタル化され、電動化されようとも、ぼくらがクルマに乗り込み、ステアリングホイールを握り、インテリアの素材に触れたときに湧き上がる「エモーション(感動)」だけは、けっしてデジタル信号だけで置き換えることはできません。

この2台の特別なテメラリオは、「クノロジーの引き算と人間の感性の掛け算」によって生まれた、モビリティの未来を優雅に照らす記念碑的なマスターピースとも言うべき存在であると思います。

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