｜ めったにオークションに登場するクルマではないが、ひとたび出品されれば非常に高い入札バトルに ｜
サリーンS7の姿は機能美に溢れている
さて、非常に希少な、そしてポール・ウォーカーともゆかりがあるというサリーンS7が競売に登場。
サリーンはスーパーカーを専門に製造するアメリカの自動車メーカーですが、なかでもこのサリーンS7は550馬力 / 711Nmを発生するという7リッターV8エンジンをマニュアル・トランスミッションで駆動するというとびっきりのハードコアモデル。
この個体は2003年モデルで、ポール・ウォーカーとロジャー・ロダスがカリフォルニア州バレンシアにて経営していたAEパフォーマンス・コレクションで販売されていた個体であり、ポール・ウォーカーの所有ではなかったにせよ、多少なりとも繋がりがある一台、ということに。
サリーンS7はトータルで100台程度しか製造されていない
当時サリーンはS7について「標準バージョン（今回出品されているモデル）」「ツインターボ版」「レーシングバージョン」の3種類をリリースしていますが、生産台数はすべてあわせても100台以下だとされ、つまりは非常に希少なクルマでもありますね。
搭載されるエンジンはフォード製V8をサリーンが改造したもので、CNC加工シリンダーヘッド、ビレット製コンロッド、鍛造ピストンなどが組み込まれています。
サリーンは1984年にレーシングドライバーであるスティーブ・サリーン氏によって設立され、当初はフォード製スポーツカー（マスタングなど）をチューンすることが主な業務内容であったものの、2000年に発売したオリジナルスポーツカーがこの「S7」。※サリーンは自動車メーカーとしての認可も受けている
シャシーは自社による設計で、上述のV8エンジンを車体ミッドにマウントして6速トランスミッションを経由して後輪を駆動し、最高速322km/hというスペックを掲げます。
なお、2005年には750馬力を誇るツインターボ版を発表しており、こちらは0−100km/h加速2.8秒、最高速399km/hという現代のハイパーカー並みの数字を誇りますが、18年前にこの性能を発揮していたということは驚き以外の何ものでもありません。
ただ、その後はほとんど新たな活動が報じられなくなり、2017年には2.5リッター4気筒ターボエンジンを積む「S1」をロサンゼルス・モーターショーにて発表していますが、こちらについては中国企業とのパートナーシップ契約にて製造されるとも報じられており、しかし実現したのかどうかは不明です。
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その後2018年には活動35周年として、35年前と同様に「マスタングのチューンドカー」を発表しており、しかしその後はまた音沙汰ない、というのが現状です。
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ただ、今回出品されているS7はすでに50万ドルを超えていて（まだ落札までには6日ある）、そして少し前には別のS7が551,000ドルで落札されているので、このS7は非常に高く評価されているということもわかります。
たしかに今見ても全く色褪せない美しさを持っており、現在の工学入札にも「納得」ではありますね。
サリーンS7のインテリアはこうなっている
そしてこちらはサリーンS7のインテリアですが、当時のスーパーカーらしく「質実剛健（当時、スーパーカーにはラグジュアリー性が求められてなかった）」。
ちなみにシートは「調整式」ではなくボルトによる「車体固定式」で、もし調整しようとすれば、いったんボルトを外して取り付け直す必要が出てきます。
ステアリングホイールは小径フラットボトム。
メーターも非常にシンプルで、この車両が1,800マイルしか走行していないことを示しています。
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参照：Bring A Trailer