| BMW 328ロードスターの車体、エンジン、内外装全てがレストアされ、その後に走行したのはわずか28km |
まるで今しがた工場から出てきたかのような美しさ
さて、現存するのは200台以下という貴重なクラシックカー、BMW 328ロードスターが41万ユーロ(現在の為替にて約6400万円)にて落札されたとの報道。※当時464台が生産されたと言われている
今回落札されたBMW 328ロードスターは1938年製だといい、画像を見る限りでは「85年も前のクルマだと」信じられないほどの美しさを持っていて、このコンディションが今回の高額落札に結びついたのは間違いないものと思われます。
なお、BMWは非常に歴史が古い自動車メーカーではありますが、意外にクラシックカーが高値で取引きされることはあまりなく(生産台数が多いからかもしれない)、よって今回の事例はかなり珍しい、と捉えてよいかと思います。
BMW328ロードスターは数々のレースで多くの勝利をあげている
BMW 328ロードスターは当時のモータースポーツにおいて支配的な地位にあったと言ってよく、1930年代には100を超えるクラス優勝を果たしていますが、その中にはミッレ・ミリアと、英国を拠点とするロイヤル・オートモーティブ・クラブ・ツーリスト・トロフィー、そして1939年のル・マン24時間レース、1948年のオーストラリア・グランプリも含まれます。
一般に、モータースポーツにて大きな実績を残したクルマは(その個体ズバリでなくとも)オークションにおいて非常に高額にて取引される傾向がありますが、この328ロードスターもその条件に該当し、今回の実績によって「値上がり有望株」の仲間入りを果たしたとも考えられ、(328ロードスターが出品される)今後のオークションは”要注目”かもしれませんね。
なお、この個体は現在のクラシックレースに出場可能な状態にあるといい、ル・マン・クラシックや、ミッレミリア、そして75周年を迎えるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに出場することができるそうで、これによってその歴史を追体験することが可能であるばかりか、存在に「ハク」をつけることも可能となりそう。
搭載されるエンジンは6気筒2.0リッター、出力は80馬力だそうですが、車体重量は830kgしかないとされるため、現代の多くのスポーツカーが失った人馬一体感を味わえるかもしれません。
ちなみに車体そしてエンジンはフルレストアされており、コンディションはもちろん「ミント」、そしてリビルト後の走行距離はわずか29kmだと紹介されています。
この個体の詳しい来歴は語られていないものの、このBMW 328ロードスターは数十年もの間、チェコ共和国にて”手つかずのまま”放置されていたといい、なんと8年かけてレストアが行われ、作り直されたチューブラーシャシー、美しいメタリックグレーのボディ、そして新しく張り替えられた(しかしヴィンテージ調の)レザーシートなどが与えられ、文字通りの新車のようでもありますね。
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参照:CARBUZZ