トヨタが「GR GT3は2026年からWEC（世界耐久選手権）に参戦する」と認める。それ以前にGR GT3はレクサスRC後継モデルとして市販される可能性が濃厚に

｜　当初のウワサどおり、レーシングカーとして開発され、それを市販仕様に”デチューン”したロードカーが新型レクサスRCとなるもよう　｜

トヨタはモータースポーツに参戦するカスタマーのバックアップ、そこから得たフィードバックにて「より良いクルマづくり」を目指している

さて、ここしばらく話が出なかったトヨタのコンセプトカー、GR GT3。

これは2022年1月に開催された東京オートサロンにて公開されたレーシングカーで、2022年6月には欧州連合知的財産庁（EUIPO）へと申請した特許画像が公開となり、時を同じくしてトヨタ・オブ・アメリカのクーパー・エリクソン副社長が開発を開始したことを確認している新型車。

しかしその後2023年3月にはGR GT3らしき車両が富士スピードウエイを走行する姿が目撃されているものの、そこからはほぼ噂が出ておらず、「一体計画はどうなっているのか」とやきもきしていた諸兄も多いかもしれません。

トヨタ「GR GT3は2026年からWECに参戦する」

そこで今回唐突に出てきた情報が「GR GT3は2026年からWEC（世界耐久選手権）に参戦する」というもので、これはトヨタWECチームディレクターのロブ・ロイペン氏がカーメディアに対して語ったもの。

加えて同氏はこの（レーシングバージョンの）GR GT3をベースにした（公道走行可能な）市販スポーツカーを開発中であることにも言及しており、たしかにこれは「モータースポーツからのフィードバックによる、よりいいクルマづくりを行う」というトヨタそしてGazoo Racingの理念にも合致するもの。

さらにトヨタは、このGR GT3について、「まずはレーシングカーを開発し、そこから市販バージョンへと仕様を調整する」ともコメントしたことがあり、これはつまり「市販車を競技仕様へと改装してモータースポーツに参加する」という通常の流れとは全く逆。

これはトヨタが「本気でモータースポーツ（この場合はGT3）で勝とうとしていること」を意味していますが、それと同時に、実際に競技で勝てる車両を作ることで「カスタマーチームに購入してもらい」、パーツなどの供給を含めるサポートを行うことで「利益を得ながら、よりよいクルマづくりを行う」という良質なサイクルの構築を考えているのかもしれません。

GR GT3は「レクサス」ブランドから？

そして今回得られたもう一つの情報が「このGR GT3の市販モデルはレクサスブランドから発売される」。

これについてはロブ・ロイペン氏が明確に「現時点ではそういった決定がなされている」とコメントしており、しかしこれまでのトヨタ関係者の発言、そしてGT3に参戦するという事実を考慮すると、このGR GT3はレクサスLFAの後継モデルではなく、レクサスRCの後継車であると考えるのが妥当です。

実際のところ、2022年初頭にはトヨタ・レーシング・デベロップメント（TRD）のデビッド・ウィルソン社長が「GR GT3が、GT3仕様のレクサスRC後継モデルのプレビューであるという可能性を示唆している」ともコメントしており、流れとしてはまず「市販バージョンの」GR GT3（レクサスRC）が登場し、その後にレースにてGR GT3の競技仕様がデビューする、ということになるかと思われます（モータースポーツのカテゴリにもよるが、GTクラスであればまず先に市販車を発売しなくてはならないので、市販車のデビューのほうが先になると思われる）。

ただ、ちょっと気になるのは「GR GT3コンセプトとマツダRX ヴィジョンGT3コンセプトとの共通性が非常に高い」ということで、両者がトヨタとマツダとの共同開発である可能性が報じられていること。

たしかに（ちょっと前に）レクサスのFR用プラットフォームや直6エンジンはマツダが設計を担当するという話もありましたが、もしGR GT3コンセプトとマツダRX ヴィジョンGT3コンセプトとが兄弟車となるのであれば、「マツダもWECに参戦する可能性」が生じると考えていいのかもしれません。

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参照：Motorsport.com