| トヨタはどうやら本気でポルシェやメルセデス・ベンツ、BMW、アウディらに対抗するようだ |
現時点でGT GT3のスペックはわからないが、おそらくは世界トップレベルであることは間違いない
さて、先日は立て続けに新型トヨタ・クラウン、そして中国向けのEV、bZ SDNのパテント画像があらわになりましたが、今回はトヨタがなんらかのレーシングカー、もしくはロードカー、あるいはLFA後継とも思われる画像を意匠として出願・登録していることが明らかに。
これは「意匠登録第1714921号」として登録されているもので、出願したのはもちろんトヨタ、そして創作者としてはデザイナーだと思われる「村上 悠」「加藤 滉平」両名の名が連なっています。
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トヨタが意匠登録した謎のクルマはこんな感じ
そこで今回トヨタが意匠登録したのは2ドア、そしてロングノーズ・ショートできスタイルを持つスポーツカーで、タイヤ/ホイールとのバランスからするとかなり大きなクルマであるように見えます。
フロントにはダブル仕様のカナード(エアロフリック)、クイックリリース式ボンネット、フェンダー上の(エア抜き用)ルーバーが見え、ドアミラーは簡素なGTスタイル、そして速報排気。
ホイールはセンターロック、そして最近のトヨタ/レクサスにも通じる横一文字のLEDライトバー、そしてその端は上下に広がるデザインを持ち(新生代のトヨタ/レクサスでは、スポーツカー、セダンだとこのスタイルを採用し、SUVでは”上下に広がらない”一直線のラインを持つようだ)、巨大なリアディフューザーを装備します(サイドマフラーによってテールパイプを後ろから出す必要がなくなり、レイアウトが自由になったのだと思う)。
ちなみに短いリアデッキもクイックリリース式で、小ぶりなダックテール形状を持つリアスポイラーも装着されていることがわかります。
サイドから見るといっそうのロングノーズっぷりがわかりますが、ルーフが後方に延長されてクーペスタイルを持つのは特筆すべき点。
セオリー通りだと、クルマの上にあるものはできるだけコンパクトにまとめ、かつ前後にも短くまとめるのが理想的で(重心を低く、中心に集めるため)、しかしこのクルマの場合は「ガラス(樹脂かもしれない)」という自動車を構成するパーツの中では最も重い部類の部品の面積が大きく、かつ後方に伸ばされており、もちろん重心もこれによって上がってしまうことに(前後重量配分を改善するためなのかもしれないいが、それにしても他の手法を採用すべきであり、となるとこの形状にななんらかの意味があるのかも)。
そして上から見るとこう。
ルーフは「ダブルバブル」、リアウインドウの面積は最小化され、軽量化を意識していることもわかります。
なお、燃料タンクキャップとも思える物体が右Cピラーあたりに見えますね。
一体このクルマは何なのか?レクサスLFA後継?
そこでこのクルマが一体何なのかということを考えてみたいと思いますが、ダウンフォース重視のエアロパーツ、簡素なドアミラー、センターロックホイール、サイドマフラー、日常性を無視したサイドステップといったところからして「GR GT3コンセプトのロードゴーイング版市販モデル」なんじゃないかと考えています(というか、コレしかない。ただ、市販モデルにしてはキャンバー角がかなりキツい)。
トヨタは2022年1月に「GR GT3コンセプト」を発表していますが、これはGT3クラスに投入するカスタマーレーシングカーであり、トヨタいわく「(他メーカーのように)市販車をレース用に仕立て上げるのではなく、最初からレーシングカーとして設計したクルマ」。
現在、GT3クラスにはポルシェ911GT3、アウディR8LMS GT3、ランボルギーニ・ウラカンGT3、メルセデスAMG GT3、BMW M4 GT3等が参戦し、そしてこれからはフェラーリ296GT3が加わることになりますが、これらは市販車から公道走行に必要な装備を取り払い、レギュレーションに適合するための安全性の強化、さらに競技に要求されるパフォーマンスを実現するための装備を盛り込んだという背景を持っています。
つまりは市販車を競技用車のコンバートしているわけですが(もちろん、市販車の設計時には競技用車への転用が前提に考えられている)、GR GT3の場合はまず先に「GT3クラスで勝てるレーシングカー」を設計し、その市販モデルがロードバージョンのGR GT3ということになりますね(市販モデルを販売しないとレース参戦のためのホモロゲーションが取得できない)。※トヨタはレクサスRCにてGT3へと参戦したが、レクサスRCはもともとGT3クラス参戦を想定していなかったとされ、そのため相当に苦労したと言われる
こうやってGR GT3コンセプトを見てみると、今回登録された意匠はGR GT3コンセプトの市販モデル(リアウイングがないだけ)と考えるのが妥当であり、そのスペックや価格が気になるところです。
なお、GT3クラスで「勝つため」のクルマを作ることが至上命題と言えど、GR(Gazoo Racing)はカスタマーチームのバックアップを含めてモータースポーツを盛り上げてゆくことを考えているので、「プライベートチームが買えないような」価格だと意味がなく、他メーカーのGT3用マシンとのバランスを考えると(他自動車メーカーと同様の)5000万円前後となるのかもしれません。
そして、そのパフォーマンスと価格とのバランス(ほかメーカーの事例)を市販車にも当てはめると、GR GT3のロードバージョンの価格は2500~3000万円弱くらい、というのが妥当なところなんじゃないかと考えています。
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参考までに、マツダはこのスーパースポーツに関連すると思われる特許をいくつか出願しており、それらの内容、そして今回のトヨタの意匠登録を見るに、両者のスーパースポーツ計画が「実現に近づいた」とも考えることができそうですね。
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もうひとつ参考までにですが、トヨタは怪しげな意匠をたくさん出願・登録しており、中には「秘密意匠」が相当数見られます。
当然ながら「秘密」なのでどういった意匠なのかを見ることはできないのですが、これらこそが「レクサスLFA後継モデル」に関する意匠なのかもしれません(GR GT3がレクサスブランドに転用される可能性も否定できないが、ぼくとしては、レクサスLFAはやはり他車との共通性を持たない、専用設計を持つ孤高のスーパーカーであってほしいと思う)。
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