ランボルギーニが公式に「レヴエルトの生産枠は2年以上先まで埋まっている」と発表。あわせてレヴエルト生産のために拡張した工場の設備についても紹介

｜　ランボルギーニはカーボンファイバー製造工場も拡張しており、今後発表されるモデルにもカーボンを積極採用してゆくものと思われる　｜

それにしてもこの価格帯のスーパーカーが2年先まで完売というのは恐ろしい

さて、発表してまもなく「2年分の生産台数が完売した」と言われたランボルギーニの新型V12スーパーカー、レヴエルト。

今回ランボルギーニが公式に「2年以上の生産期間をカバーする受注を抱えている」と発表することでそれが裏付けられたわけですが、実際の受注台数については非公開となっています。

参考までに、先代であるアヴェンタドールの総生産台数は11,465台であり、かつアヴェンタドールのモデルライフは10年だったので、1年あたり1,146台が製造されたということになりますね。

そしてレヴエルトが仮に同じペースで生産されると「2,300台くらいの受注が入っている」と考えることができるものの、レヴエルトは受注前に「3,000台くらいの注文を受けている」ともアナウンスされているので、現段階での受注が3,000台以上であることは間違いなく、仮に「現在4,000台の受注が入っている」と仮定するならば、レヴエルトの年間生産台数は2,000台くらいなのかもしれません。

なお、現在でもレヴエルトを注文することは可能だそうですが、モデルイヤーは2026もしくは2027となり、場合によっては「生産されない」可能性についても了承しておく必要がある、とされています。

ランボルギーニはレヴエルトのために新しい生産方式を導入

今回の発表に際し、ランボルギーニは「レヴエルトは、性能、技術的特徴、企業戦略においてのみ革新的なのではなく、生産プロセスにおいても真の革命をもたらしており、その生産プロセスである” マニファットゥーラ・ランボルギーニ・ネクストレベル”は自動車産業においてパラダイムシフトを完璧に表現しているのです」とコメント。

さらにランボルギーニの最高製造責任者であるラニエリ・ニッコリ氏によれば 「レヴエルトを製造するためには、これまでれ以上のことをしなければならないと理解していました。高度にカスタマイズ可能なハイブリッドカーでありながら、伝統的な手作業も取り入れて製造されています。私たちは、マニファットゥーラ・ランボルギーニ・ネクストレベルと呼ぶ生産システムを構築し、このクルマを生産するためのハードルを引き上げました。」。

マニファットゥーラ・ランボルギーニ・ネクストレベルにおいて、現在の生産設備のバージョンは「マニファットゥーラ4.0」にまでアップデートされており、これはどういったものかというと、モノコックの製造から仕上げの段階まで、すべての工程において、レブエルトラインに設けられた各ステーションが人間の作業をサポートするといい、簡単に言うと「職人が力を発揮できるよう、最新のテクノロジーがそれをサポートする」ということなのだと思われます。※このアプローチにより、エラーの可能性が大幅に減少し、生産速度が向上し、製造されるクルマの品質が向上するそうだ

これら各ステーションでは、オペレーター個人に専用のリストバンドが渡されることになるそうですが、これをもってシステムにアクセスし、各種作業を行うことになるもよう。

さらにこのシステムにおいては、最先端かつ未来的な技術ツール、特に「コボット」（フロントガラスの組み立てなど、反復動作が必要なすべてのラインや、エンジン、内装ラインで使用される）と呼ばれる協働ロボットもひとつの特徴として挙げられており、生産ラインのオペレーターをアシストしつつもオペレーターとの対話によって作業を効率化し、そのレベルを押し上げてくれる存在だと考えていいのかもしれません。

そしてもうひとつの革新は、自動搬送車（AGV）の存在だといい、このAGVは一部のステーションにおいて自動車の組み立てに使用される特定の材料を共同モードで搬送するハンドリング装置だと紹介されています。

おそらくは完成したコンポーネントを次の作業スペースへと自動で搬送するものだと考えてよく、「人の手を介さなくてもいい部分は機械が担当し、そのぶん人間は”人間でないとできないような”業務に集中するというのがこの新しい生産プロセスの特徴だと言えそうですね。

ランボルギーニはカーボンファイバー製造工場も拡張

レヴエルトの主な構造材はカーボンファイバーで、ランボルギーニのCFK工場にて手作業と自動工程の両方を使って生産されていますが、レヴエルトの生産のためにこの工場は大きく拡張されることになり、現在では約500人の生産オペレーターが働いているといいます。

つまりレヴエルトの車体に使用されるカーボンファイバーは「外注ではなく自前」ということになりそうで、おそらくレヴエルトでもっとも手間がかかる（あるいは生産台数を制限することになる）パーツはこのカーボンモノコックだと思われ、しかしこれを自前にて、効率よく量産する方法を整えたことにより、レヴエルトの生産台数はアヴェンタドールに比較して飛躍的な向上を見ることになるのかもしれません。

そしてここまで力を入れているところを見るに、ウラカン後継モデルにおいても大量のカーボンファイバーが投入されることになる可能性もありそうですね。

なお、このカーボンファイバー生産設備含めた「マニファットゥーラ・ランボルギーニ・ネクストレベル」の実現に関し、ランボルギーニは1億5,000万ユーロ（約1746億円）のコストを投資しており、面積においては17万2,000平方メートル拡張したというので、これによって生産キャパシティを気にすることなく「大量にスーパーカーの生産を」行えるようになったのだとも考えられます。

あわせて読みたい、ランボルギーニ関連投稿

参照：Lamborghini