
| ハイブリッド戦略「Direzione Cor Tauri」に集中する真意とは |
たしかにランボルギーニはかねてより「過去を振り返ることはない」と宣言してている
クラッチペダルを踏み込み、Hパターンのシフトレバーを叩き込む――そんな伝統的なマニュアルトランスミッション(MT)の操作感は、今なお多くのスーパーカーファンを魅了してやまないロマンの一つであることに誰しも異論はないかと思います。
近年、フェラーリやマクラーレンといった競合ブランドが限定モデルなどでMT(またはMT風システム)の復活に向けた動きを見せる中、イタリアの雄ランボルギーニの幹部が明かした「MT非採用」の理由、そして同社が描くハイブリッドスーパーカーの未来像について見てみましょう。
この記事の要約
- ランボルギーニは、一部の顧客から要望があるものの、マニュアルトランスミッション(MT)を再導入する予定はないと表明
- 同社は電動化・脱炭素化戦略「Direzione Cor Tauri」に基づき、新世代ハイブリッド(PHEV)技術の進化に注力する方針
- ガヤルドの生産終了以来10年以上MTモデルをラインナップしていないが、「革新と未来思考」を最優先に掲げる
- フェラーリ(12チリンドリ マヌアーレ)やマクラーレン(McL 6GT)など他社がMT復活へ動く中、ランボルギーニは独自の道を突き進む

ランボルギーニのパワートレイン戦略の概要
自動車メディア「CarExpert」が報じたところによると、ミラノにて行われたインタビューにて、「テメラリオ(Temerario)」のプロダクトラインディレクターを務めるパオロ・ラッケッティ(Paolo Racchetti)氏がMT復活に対する考えを明らかにしたといい、ラッケッティ氏は「マニュアル車や伝統に根ざしたモデルを求める声が常に存在することは理解している」と認めつつも、「ランボルギーニのアイデンティティは常に進化し、未来を考えることにある」と断言。
現在進めている電動化ロードマップ「Direzione Cor Tauri(コル・タウリ:牡牛の心臓)」に集中し、新世代ハイブリッドアーキテクチャの性能とエモーショナルな走りを極限まで高めていく姿勢を強調した、と伝えられています。
ランボルギーニの最新ラインアップ:概要
ランボルギーニの最新ラインナップ、そして現在の戦略における主要モデルのスペックは以下の通りとなっていて・・・。
ランボルギーニの主要ハイブリッドモデルと戦略概要
| 項目 | 詳細 / 仕様 |
| 製品戦略 | Direzione Cor Tauri(脱炭素化・電動化ロードマップ) |
| 温室効果ガス削減目標 | 2030年までに1台あたりの企業排出量を40%削減 |
| 主要ハイブリッドモデル | ・レヴエルト(Revuelto):V12+PHEVフラッグシップ ・テメラリオ(Temerario):V8ツインターボ+PHEV ・ウルス(Urus):PHEVモデルへ移行済み |
| トランスミッション | 高速デュアルクラッチ(DCT)のみ(MTの採用予定なし) |
| MTモデルの最終生産 | ガヤルド(Gallardo)の生産終了時(10年以上前) |

ランボルギーニは「レヴエルト」や「テメラリオ」、そして主力SUVの「ウルス」に次々とプラグインハイブリッド(PHEV)システムを導入しています。
最新のハイブリッドアーキテクチャは、エレクトリックモーターによる瞬時のトルクレスポンス、そして内燃機関による圧倒的なパワーを組み合わることで従来の内燃機関単体やマニュアル操作では到達できない異次元のパフォーマンスと走行体験を提供していますが、同社はこのアーキテクチャにさらなる伸び代とポテンシャルを感じており、当面はパドルシフトを備えた高度なデュアルクラッチトランスミッション(DCT)との組み合わせを継続する、というのが今回改めて示された方針です。
競合比較・市場での位置付け
超高価格帯のスーパーカー市場において、マニュアルトランスミッションの扱いには各社のスタンスの違いが明確に現れていて・・・。
- フェラーリ(12チリンドリ マヌアーレ):既存の8速デュアルクラッチにクラッチペダルとHパターンシフターを組み合わせたバイワイヤ技術「Manuale By-Wire」を開発し、伝統主義者の要望に対応。
- マクラーレン(McL 6GT):伝説の「マクラーレン F1」以来約30年ぶりとなるマニュアルトランスミッション搭載超限定モデル(2028年生産開始予定)を発表。
- アストンマーティン:極めて限定された台数にて、「V12+マニュアル・トランスミッション」を継続する可能性。
- ポルシェ:マニュアル・トランスミッションを可能な限り(一部モデルにおいて)継続させる意向を示し、その一方で「疑似MT」の開発も継続。
- ランボルギーニ:ノスタルジーや懐古主義に寄せるのではなく、スーパーカーセグメントで最も革新的なブランドであり続けるために、最新テクノロジーによる性能とエモーションの追求を選択。
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このように、競合他社が限定されたラインアップ、あるいはコレクターズアイテムとしてのMTモデルを用意する一方、ランボルギーニは自社の全ラインナップにおいて先端技術と電動化を推進する独自のアプローチを維持しており、そして電動化車両は基本的に「(機械式)マニュアル・トランスミッションとの共存ができないため、自動的に「今後のランボルギーニにはMT車が存在しない」ということに。
補足情報
ランボルギーニがガヤルドを最後に10年以上もMT車を生産していないという事実は、同社がいかに早くからパフォーマンスと変速速度の極限(デュアルクラッチ化)を追求してきたかを示すもの。
また、単に「環境規制に対応するため」だけにハイブリッド化しているのではなく、モーターアシストを活用することで「ガソリン車以上のドライビングプレジャーを生み出す」という明確な哲学が根底にあり、MTという物理的な操作感に頼らずとも、音や加速感、ハンドリングによって「ランボルギーニらしさ」を表現できるという自信を持っているがために「MTを投入しない」のだとも思われます。
加えてランボルギーニCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏は「我々に必要なのは広いフロントウインドウと小さなバックミラー」だとも語っていて、つまりは「後ろを振り返らず、前だけを見て走り続ける」「レトロ路線は採用しない」姿勢を明確にしており、今後は「カウンタックLPI800-4」のようなオマージュモデルを販売しない意向についても触れているため(カウンタックLPI800-4は前CEO時代に企画されたクルマである)、この視点からもマニュアル・トランスミッションの登場は「ほぼないであろう」と考えていいのかもしれません。
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結論
ランボルギーニが明かした「MTを復活させず、ハイブリッドの進化に集中する」という方針は、常に時代の先頭を走り続けてきた同社らしい未来志向の決断ともいえるもの。
クラッチを繋ぐアナログな歓びを懐かしむ声は絶えませんが、V12やV8エンジンにエレクトリックモーターを融合させた「レヴエルト」や「テメラリオ」が見せる走りはぼくらに新しい時代のスーパーカー像を提示してくれるものでもあり、「Direzione Cor Tauri」の旗印のもと、ランボルギーニがこれからどのような感動を届けてくれるのか、その進化から目が離せないといった状況でもありますね。
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参照:CarExpert











