
| 新規客を引きつけ続ける「2つの顔」と成功の裏側 |
ウルスなくしていまのランボルギーニは存在しない
実用性と過激なパフォーマンスを兼ね備えた「スーパーSUV」というジャンル。
ポルシェやフェラーリ、さらにはマクラーレンまでもが参入を図る中、ランボルギーニ「ウルス(Urus)」は他社ブランドから顧客を引き寄せ続ける圧倒的な強さを見せ続けているというニュース。
なぜウルスはこれほどまでに顧客を魅了し、競合他社からオーナーを奪い続けることができるのか?
米カーメディア「Carbuzz」の取材に対し、ウルスのプロダクトラインディレクターを務めるステファノ・コッサルター(Stefano Cossalter)氏が明かした成功の裏側に迫ってみたいと思います。
この記事の要約
- ランボルギーニのスーパーSUV「ウルス」は、初代だと顧客の80%、現在のモデルでも60%が「ランボルギーニをはじめて購入する」新規顧客という驚異的な新規獲得力を誇っている
- ウルスを起点としてランボルギーニファミリーに入ったオーナーは、その後に「テメラリオ」などの本格スーパーカーへステップアップする傾向が見られる
- VWグループ内でのプラットフォーム共有でありながら独自のブランドDNAを守り抜き、EV走行と過激な走りを両立する「二面性」が成功の秘訣だと分析されている

ランボルギーニ・ウルスの概要と新規顧客獲得の成功劇
かつて限定生産の「LM002」でスーパーカーブランドとしていち早くSUV市場の可能性を示したランボルギーニですが、現代のウルスが登場して以来、同社の収益構造と顧客層は劇的に変化しています。
コッサルター氏によると、初代ウルスを購入した顧客の実に80%がランボルギーニを初めて所有する「新規顧客」であり、現在においても購入者の40%がリピーター、60%が新規顧客となっているとのことで、「他社ブランドからの新規流入が途切れる兆しはない」のだそう。
さらにウルスは、単に売り上げを伸ばすだけでなく、新規オーナーを最新V8ハイブリッド・スーパーカー「テメラリオ(Temerario)」などの本格的なミッドシップモデルの所有へと導く「ランボルギーニファミリーへの入口(ファネル)」として機能していることも明かしており、「ウルスそのものの販売以上に」ランボルギーニにとってはありがたい存在ということに。
独自の二面性(プラグインハイブリッド)
ウルスがこれほど幅広い層に支持される理由は、日常使いの快適性とサーキットレベルの劇的な走りを一台で叶える「二面性(二重人格)」にあると分析されており・・・。

ウルスが誇る主な特徴と仕様
| 項目 | 詳細 / 特徴 |
| プラットフォーム | VWグループ共有(アウディRS Q8、ポルシェ・カイエン、ベントレー・ベンテイガと同系) |
| ブランドDNAの継承 | Y字型ライトのデザイン、ジェット機風スタートボタン、専用コントロールソフト |
| パワートレイン | V8ツインターボエンジン + プラグインハイブリッド(PHEV)システム |
| 走りの二面性 | EVモード:静粛で洗練された日常走行(周囲にランボルギーニと気づかれないレベル) Corsaモード:「レヴエルト」を彷彿とさせる過激なスーパーカーの走り |
| 顧客維持力 | ウルス購入後にイベントやブランド体験を通じ、他モデル(テメラリオ等)を追加購入 |
VWグループのプラットフォームを共有しながらも、サウンドやハンドリング制御、内外装のディテールに至るまで「ランボルギーニらしさ」を一切妥協せずに作り込んでいる点が、目の肥えた顧客を納得させている、というわけですね。

競合比較・市場での位置付け
高級車・ハイパフォーマンスカー市場において、ウルスは競合モデルや自社グループ内のライバルに対して独自のポジションを築いており・・・。
- BMW XM:新規顧客の獲得やブランドイメージの刷新を狙ったものの、市場では想定通りの成果を上げられず苦戦
- フェラーリ・プロサングエ:V12自然吸気エンジンを搭載し強烈な個性を放つ一方、常に高揚感を求める官能的な仕様であり、日常のあらゆる場面で控えめに乗る選択肢は少ない
- ランボルギーニ・ウルス:プラグインハイブリッド化により「早朝の住宅街でも静かに走れるEV走行」と「サーキットでの猛牛らしい咆哮」をボタン一つで切り替え可能。この柔軟性が、日常使いを求める富裕層の心を掴んでいる
他社が真似できないハイブリッドシステムによる多様なドライビングアビリティこそが、他ブランドからの乗り換えを加速させている大きな要素であると考えられます。
補足情報
「スーパーカーブランドがSUVを作るのはピュアではない」という議論はかつて多くなされたものの、ウルスの商業的成功はブランド全体の未来を支える強固な基盤となったことは誰の目にも明らかです。

ウルスが圧倒的な収益と新しい顧客基盤をもたらすからこそランボルギーニは「レヴエルト」や「テメラリオ」といった専用プラットフォームを持つ純粋なスーパーカーの開発に多大な投資を続けることができるのもまた事実。
SUVモデルが収益の柱として機能し、そこで得た資金をスーパーカーの開発に回すことでブランドをさらに進化させるというサイクルは現代のパフォーマンスブランドにおける最も理想的なビジネスモデルと言ってよく、ある意味では「人気SUVを持っているかどうか」によってスポーツカーラインアップの未来が左右されるというのが現代です。
結論
他社ブランドから顧客を誘引し続けるランボルギーニ・ウルス。
その秘密は、ポルシェやアウディとの技術共有を活用しながらもランボルギーニの強烈なDNAを保持し、EVモードと過激な走りを一瞬で切り替えられる実用性にあるものと思われます。
単なる「売れ筋のSUV」にとどまらず、新たなファンをスーパーカーの世界へと誘う架け橋として、ウルスはこれからもラグジュアリー市場を牽引し続けることになるのは間違いないのかもしれません。
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参照:Carbuzz











