| 新型ミニは生産地・仕様など、これまでのミニに比較すると「かなり変則的な」展開となりそうだ |
ひとまずはミニからの正式な追加情報の提供を待ちたいと思う
さて、ミニはピュアエレクトリックパワートレーンを積む新型3ドアハッチバックを発表していますが、そこでは内外装の大きな変更に加え、「JCW(ジョン・クーパー・ワークス)モデルが、性能向上を伴わない、見た目だけのモデルになってしまった」という驚愕の事実が判明しています。
どういうことかということ、これまでミニにおけるJCWとは「モータースポーツに近い、ハードコアなチューニングを施された」モデルとしてトップレンジに君臨していたものの、新型ミニにおけるJCWは「デザインパックのひとつ」になってしまい、レッドのアクセントが付与されるものの、出力向上も足回りの強化もブレーキの強化もないというモデルに格下げされてしまったわけですね。
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しかし安心してほしい、ちゃんとガソリン版JCWが存在する
こういった変更には多くの人が「がっかり」したかと思いますが、ミニのプロダクトラインアップを管理する偉い人によれば「来年にはガソリンエンジンを積んだ(ハイパフォーマンスな)ジョン・クーパー・ワークスを発売し、2025年のはじめにはピュアエレクトリック版の(やはりハイパフォーマンスな)ジョン・クーパー・ワークスEを発売する」。
なお、ガソリンエンジン版のミニ・ジョン・クーパー・ワークス(おそらく英国生産)とピュアエレクトリック版のジョン・クーパー・ワークス(おそらく中国生産)とはプラットフォームやパワートレーンに関連性はなく、しかしこれら両者は「同様のパフォーマンスを発揮するように設計される」といい、しかし微妙に正確が異なる存在となるのかもしれず、以下のようにコメントが発せられています。
内燃エンジン車と電気自動車を運転すると、その違いがわかります。最高速度はガソリンエンジン車のほうがわずかに上ですが、加速という点では劣っています。でも、すでに両方のクルマに乗りましたが、ドライビング・ダイナミクスやゴーカートフィーリングにつき、違うといえばわずかに違いますが、かなり似ている。素晴らしいことに変わりはありません。
ちなみにですが、エレクトリック版のミニに採用されるプラットフォームはデュアルモーターつまり4WDに対応しており、しかし現時点ではジョン・クーパー・ワークスEが4WDとなるのかどうかは不透明(ぼくは、ミニ・ハッチバックのJCWに4WDが導入されれば完璧なクルマになると考えている)。
ミニのプロダクトラインアップ担当者は「ピュアエレクトリックモデルで最も重要なことは、重心が低いという大きなメリットがあることです。フロントとリアの重量バランスもいい。低重心と50対50の重量バランスという遺伝子は、ドライビング・ダイナミクスにとってより大切な要素です」と語っており、デュアルモーターとなるかどうかは別として、ジョン・クーパー・ワークスEがかなり期待できるクルマであることは間違いないのかもしれません。
なお、ピュアエレクトリック版のミニ・クロスオーバーに設定されるJCWも「見た目だけ」ではあるものの、ガソリンエンジンを積むPHEV版クロスオーバーに設定されるJCWは「パワーアップや足回りのチューニングがなされた」正統派ジョン・クーパー・ワークスとなっています(ただ、外観をJCW風にするだけのオプションもある)。
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ガソリンエンジンを積むミニにはマニュアル・トランスミッションが搭載されない
「真の」ミニJCWが別途追加されるなど「嬉しい」ニュースもあれば「悲しい」ニュースもあるもので、それは「ガソリンエンジンを積むミニには、マニュアル・トランスミッションが用意されない」ということ。
ジョン・クーパー・ワークスのほかにもガソリンエンジンを積むミニ・ハッチバックが(5ドア含め)追加されるそうですが、これらについては「MTのラインアップがない」という事実がミニによって明言されており、これはもう動かしようがない決定事項なのかもしれません。
なお、ミニは数少ない「マニュアル・トランスミッション車を用意し続ける自動車メーカー」であり、MTに馴染みがない顧客のためにマニュアル・トランスミッションの操作方法を教えるスクールを開催したほど。
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加えて6月には「我々は明らかに、可能な限りマニュアルを残すよう懸命に働きかけている。100%決定したわけではありません。ただし楽観視はしています」というコメントが(ミニのエンジニアから)発せられていたものの、どうやらエンジニアたちの戦いは「徒労に終わった」ということになりそうです。
ちなみにぼくがミニJCWを購入しようとミニディーラーを訪れた時点で「MTはもう発注できない」と言われたので、ミニはけっこう早い段階でMTの廃止を進めていたのかもしれませんね。
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参照:CARBUZZ