初代テスラ・ロードスター「シグネチャー・ワンハンドレッド」がはじめて競売に登場。落札価格は3287万円、当時は誰もが今のテスラの地位を想像できなかっただろう

｜　間違いなくほとんどの人が「数年後にはテスラは消滅する」と考えていたはずである　｜

そう考えると、10年後のテスラは今ボクらが考えるものとは全く異なるだろう

さて、初代テスラ・ロードスター・シグネチャー・ワンハンドレッド・エディションがオークション形式にて中古車売買サイトに登場。

なお、テスラ・ロードスターそのものはこれまでにも何度か売りに出されたことがあるものの、この「シグネチャー・ワンハンドレッド・エディション」が中古市場に登場するのははじめてのことだといい、しかも低走行（約5,000マイル＝8,050km）ということから大きな注目を集めています。

テスラ・ロードスターは電気自動車の進化における重要なマイルストーンである

テスラ・ロードスターは電気自動車のパイオニア的存在であり（2008年に発売）、というのも「電気自動車黎明期の、さらにごく初期に登場したからではなく、当時「遅く、何かと我慢しなくてはならないことが多く、スポーツカーとは程遠い存在で、さらに高価」という認識のほとんどをひっくりかえししてしまったため。

もちろんテスラはそういった電気自動車の常識を非常識にすべくこのロードスターを開発したわけですが、電気自動車は（いま現在でも）バッテリー価格に起因して高価になってしまい、であれば価格を抑えるのではなく、「高価であっても、富裕層が欲しいと思えるような」電気自動車を作ったわけですね。

その結果として「電欠を気にして走るケチくさいEV」ではなく「速くスマートで、見せびらかしたくなるようなEV」が誕生したわけですが、このテスラ・ロードスターの動力源は375ボルトのACインダクション・モーターで、シングル・スピードのトランスミッションを介して248馬力を後輪に供給します。

テスラ・ロードスターは、0-60mph（96km/h）加速をわずか3.7秒でこなし、スポーツカーとしての資格を確固たるものにしていますが、この個体は、今年に入ってから「ロードスター1.5シリーズ」のバッテリーパックへと換装されており、バッテリーの劣化という問題もクリアしているようですね。

ボディカラーはブリティッシュレーシンググリーン、インテリアはブラックとベージュのレザー張りにカーボンファイバーのアクセントという組み合わせを持ち、シートヒーター、クルーズコントロール、エアコンも標準にて装備しています。

なお、テスラ・ロードスターはロータス・エリーゼのアルミニウム製押出材接着式のバスタブを採用していますが、見て通りなかなかに高級な仕上げを持っています。

ボディパネルはカーボンファイバー製で、このシグネチャー・ワンハンドレッド・エディションは、ボディカラー同色仕上げのカーボンファイバー製ハードトップ、ボディ一体型リアスポイラー、LEDテールライトを（特別装備として）備えます。

ちなみにホイールは前後異径となり、フロントは16インチ、リアは17インチ。

左右シートの間にはシグネチャー・ワンハンドレッド・エディションであることを示すプレートが装着されています。

そして上述の通り走行わずか5,000マイルにとどまり、車体底面もきれいなまま。

さらに、110ボルトと220ボルトの充電ケーブルが付属しており、「コレクション」としてだけではなく、日常的に走行が可能であることも意味しています。

なお、オークションはすでに終了しており落札価格は220,420ドル（本日のレートにて約3287万円）。

この価格は驚くべきことに、テスラが「新」ロードスター発表時に掲げた価格に近いものであり、つまりはそれだけの評価がこの初代ロードスターに対してなされている、ということになりますね。

初代ロードスターが登場したとき（日本では中古車販売チェーン店のガリバーが1810万円にて少量のみ販売した。アメリカでは128,500ドルで販売開始されている）、おそらく多くの人がテスラは数年内に潰れてしまうだろうと考えたであろうことは間違いなく、もしかすると誰一人として（イーロン・マスクCEOを除いては）今日のテスラの成功、そしてポジションを予想し得なかったのかもしれません。

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参照：Bring a Trailer