フォードが過去のコンセプトカー378台の画像を公開。1950-60年代ですでに「空飛ぶクルマ」「カーナビ」「自動車電話」「電気自動車」などが考えられていた

｜　中には後に「ブレードランナー」「ガンダム」をデザインすることになったシド・ミードの作品も　｜

かつて、コンセプトカーは「デザイナーにとっての、自由なイマジネーションを表現する場」であったようだ

さて、いくつかの自動車メーカーは「実現しなかったコンセプトカー」を公開することがありますが、今回はフォードが「100以上のコンセプトカーの画像を公開」することに。

これまでに公開したものを含めると合計378台にもおよび、そして全体としては（未公開のものを含めると）1,844台ものコンセプトカーの画像を管理していることについても言及しています。※これらについても追々公開されることになるもよう

フォードは過去にこんなコンセプトカーを作っていた

そこで今回フォードが公開した「実現しなかった」コンセプトカーの一部を見てみたいと思いますが、まずこちらは1962年製「シアトル」。

当時のSF映画に出てきそうな感じですね。

1957年の「ヴォランテ」。

なお、「ヴォランテ」とは「空」という意味ですが、大きなファンを持つところを見ると、今で言う「空飛ぶクルマ」ということになりそうです。

この1967年の「コミュータ」はなんと電気自動車。

1964年の「オーロラ」はまるで自動運転を標榜する（現代の）コンセプトカーのラウンジのような雰囲気を持っており、当時かなり進んだクルマであったのかもしれません。

なお、フォードによると、1953年の「X-100」には100種類もの新技術が盛り込まれており、たとえば「雨滴感知式ワイパー、車内電話、自動感知式ハイ／ロービーム・ヘッドライト、ナビゲーション・システム」など、現在当たり前となった装備が与えられていた、とのこと。

ちなみにオーロラの外観はこう。

こちらは「ニュークリオン」なるコンセプトカー（1958年）で、その名から分かる通り「核」を燃料として走るクルマ。

フォードによれば、当時のデザイナーたちは「現在あるものよりも、 "ありうるもの "を自由に想像することを許された」といい、そういったデザイナーのイマジネーション自動車の発展を助け、そして現在の便利な自動車を実現したのだ、とも。

こちらは1961年にシド・ミードがデザインした「ジャイロン（1961年）」。

ちなみにシド・ミードはフォードにてデザイナーとしてのキャリアをはじめ、その後に「ブレードランナー」「ガンダム」などのメカデザインを担当したことで知られます。

1960年の「タイフーン」もまたSF映画にでも出てきそうなクルマですね。※その姿がファニーすぎて「タイフーン」の名とはマッチしないところが面白い

フォードは「コンセプトカーは長い間、自動車メーカーが新しい技術やデザイン、あるいは自動車デザイナーの創造的な空想の世界を披露するための手段だった」とも述べており、当時のコンセプトカーは現代のそれとはやや性格が異なるものであったことがわかります（毎日のように新しい技術が誕生していた時代でもあり、テクノロジーに対する期待度、科学や文明の発展に対する期待が大きかったのだと思われる）。

こちらは1992年の「ブロンコ・クロス」。

現代の「クーペSUV」の先駆けのようなクルマでもありますね。

このフォード・ヘリテージ・ボールトは年代別やフリーワードでもコンセプトカーを検索でき、いったん見始めると確実に「一日をムダにしてしまう」たぐいの危険なサイトかもしれません。

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参照：Detroit Free Press, Ford Heritage Vault