イーロン・マスクに違法薬物使用疑惑が浮上。同氏が経営する6つの会社の幹部や投資家は薬物による健康被害を懸念するもテスラの株価はこれを意に介せず上昇する

｜　イーロン・マスクが経営する企業はいずれも同氏の求心力に依存しており、同氏抜きではこれまでと同じ成長を維持することは難しい　｜

少し前に「イーロン・マスク外し」の声が投資家からあがったのがウソのようである

Image：Tesla（X）

さて、現在一気に報道が拡大しているのがテスラCEO、イーロン・マスク氏の違法薬物摂取。

テスラとスペースXのCEO、イーロン・マスクの薬物使用の噂は何年も渦巻いており、定期的にこの話題が出るのですが、同氏が経営する6つの会社は「イーロン・マスクの才覚に依存している」ところが大きく、そしてスペースXはじめ政府との契約を行っている会社も少なくはなく、よって「違法薬物常習者」のイメージがついたり、実際に逮捕されて有罪判決を受けると会社のイメージどころか「政府や有力企業との契約解除」など大きな影響が及ぼされるのでは、と見られています。

違法薬物摂取の影響は無視できない

なお、デロリアンが倒産してしまった一因はその創業者であるジョン・ザッカリー・デロリアンの薬物疑惑（のちに無罪）であったとされますが、アメリカはこのほか人種や宗教に関するネタにも強く反応する傾向があり、少し前にはイーロン・マスクCEOが反ユダヤ主義陰謀論を支持する意図の発言を行ったことから、ディズニーがXにおける広告の契約解除を行ったばかりです（そのほか、同様の問題を起こしたハリウッド俳優が干されるなど、アメリカではこういった事情に過敏である。むしろ日本は薬物や宗教、差別に関する反応がかなり緩いのかもしれない）。

ただ、昨日この話題が出た後に「テスラの株価が下がるだろうな」と考えていたものの、実際には前営業日比で2.96ドル上昇しており、アメリカ的にはこの話題には慣れっこであり、「またか」、あるいは「いつものようにテスラ株空売り派の陰謀か」という感じで深刻には受け止められていないのかもしれません（ただし他の主要銘柄に比較すると上昇幅は大きくない。ダウ工業株30種平均の値上がり幅は216ドルである）。

Image：Tesla（X）

いったいイーロン・マスクにはどういった疑惑が出ているのか？

今回の報道は主に米ウォールストリート・ジャーナル等によって報じられたもので、「イーロン・マスク氏とその企業に詳しい関係者らによると、テスラやスペースXの最高経営責任者の薬物使用は、同氏の健康だけでなく、同氏が監督する6つの企業と数十億の資産にも大きな影響を与える可能性がある」という内容。

イーロン・マスクが経営する会社の一部の幹部や取締役、そして投資家たちはイーロン・マスク氏の薬物摂取に対して強い懸念を抱いているといい、無謀とも言える挑戦、配慮を欠く発言、挑発的な態度については「彼の創造性の表現」だと認める一方、精神的健康上の課題、あるいはストレスや睡眠不足、そして違法薬物の摂取の影響が少なくはない、と語っています。

イーロン・マスク氏の薬物使用を目撃した人々や関係者によると、世界中のプライベートパーティーでLSD、コカイン、エクスタシー、サイケデリックマッシュルームを頻繁に使用しており、パーティーの出席者は機密保持契約書に署名するか、携帯電話を預けて入場することになるもよう（イーロン・マスク氏はこれまでにも公の場でマリファナを吸ったことがあり、いくつかの場面では合法であるとも伝えられている）。

そのほか、2018年にはロサンゼルスで主催したパーティーにて違法薬物を摂取したこと、2019年のメキシコのイベントでマジックマッシュルームを用いたこと、2021年のアート・バーゼル期間中、マイアミのホームパーティーで弟のキンバル・マスクとともにケタミンを摂取したことが報じられており、特にケタミンがお気に入りだとも報じられています。

なお、今回のこういった報道に対し、イーロン・マスク側は「虚偽の事実」があると述べ、これまでの検査でも違法薬物摂取の事実は認められていないと主張していますが、現時点ではなにひとつ「事実」はわかっておらず、今回の報道の行方、そしてこれによる調査がなされるのかもナゾのままです。

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