| ポルシェはサイバーセキュリティ基本法に対応させるためのコストを「許容できない」として販売終了を選択 |
規制が多様化する中で、様々なクルマが「規制に対応できない」というだけの理由で販売が制限されることに
さて、ポルシェ718ケイマンとボクスターにつき、(ポルシェのお膝元でもある)欧州での販売が終了するとの報道。
その理由は「販売不振」といったものではなく、すでに報じられているとおり、マカンと同じく「欧州で施行されるサイバーセキュリティ規制(サイバーセキュリティ基本法)の基準を満たさないため」です。
ただ、このサイバーセキュリティ法は2024年7月に施行され、その時点でポルシェ718ケイマン/ボクスターはEU内で自動車を登録できなくなるのですが、ポルシェとしては(在庫等も考慮したのか)その数ヶ月前にその廃止を実施するという決定を下したわけですね。
なお、マカンもやはり欧州だと(ガソリンエンジンを搭載する従来モデルにつき)継続販売ができず販売を終了しており、電動版マカンの発表とデリバリーを急いだのにはこういった背景があったということもわかります。
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ただしいくつかの例外も
なお、このサイバーセキュリティ法に関し、いくつかの例外も認められているそうで、たとえば「少量生産車」は対象外となっており、よって718ケイマンGT4 RS および718ボクスター RS スパイダーは「サイバーセキュリティ法対象外」となるのだそう。
しかし残りの718モデルはすべからくこのサイバーセキュリティ法の対象となってしまい、ポルシェとしては「この法規に対応させるだけのコストを支払って718ケイマン/ボクスターを存続させることは割に合わない」という判断を行ったということになります。
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今後、718ボクスターとケイマンは大きな運命の転換期を迎える
なお、現行718ケイマンとボクスターはコードネーム「982」として2016年に登場しており、そしてその基本構成は981世代がルーツとなるため、現行モデルとしては「かなり古い」設計です。
そのため(同じく今回のサイバーセキュリティ基本法にひっかかってしまう)2014年発売のマカンと同じく、新しい法案への対応を考慮した設計がもともとなされておらず、よって今回は苦渋の決断となったわけですが、ポルシェは今年にもその代替モデルとして718ボクスターのピュアエレクトリックモデルの導入を行うべく準備を進めており、欧州市場においては、事実上718ケイマン/ボクスターがこの新しいEVモデルへと切り替わるということを意味します。
ただ、そのほかの市場についてはこれまでどおり、ガソリンエンジンを搭載する「982」世代の718ケイマン/ボクスターが販売されるというので、今後は(以前に報じられた通り)ガソリン版とEV版の718ケイマン/ボクスターが併売されることになりますが、「いずれは」このガソリン版についても全世界的に販売が終了するものと思われ、数年後には完全にEVのみのラインアップへと切り替わってしまうのかもしれません。
ちなみにこのサイバーセキュリティ基本法は日本でも対応の必要性があるようで、しかしどこまでの拘束力があり、どの車種に影響が及ぶのかは不明です(日本では段階的にサイバーセキュリティ基本法=UN-R155への対応が要求され、2026年5月からOTA非搭載車の継続生産規制が開始されるようだ)。
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