| eN1クラスはまず今年「トライアル」を行い、チームそして運営も”EVでのレース”に習熟することとなるもよう |
いずれはEVで「耐久レース」を行うであろうが、その際のチャージ方法がちょっと気になる
さて、ヒョンデが大人気のEV、アイオニック5 N(IONIQ 5 N)をベースにしたピュアエレクトリックレーシングカー、アイオニック5 N eN1 Cupを発表。
これはヒョンデ Nフェスティバル・モータースポーツイベントの参加チームによって行われる公式練習ラウンドで披露されており、ヒョンデによれば「持続可能なレースの新時代の始まりを告げる」。
私たちは、持続可能なレースへのヒョンデの取り組みを実証するため、アイオニック5 N eN1 Cup カーを発表できることを非常に誇りに思っています。このユニークな電動レーシングカーは、レーストラックでEVが達成できる限界を押し上げるという、当社の最先端技術と情熱を実証しています。
ヒョンデ副社長兼 N ブランド&モータースポーツ責任者 ティル ヴァルテンバーグ
ヒョンデ アイオニック5 N eN1 Cupはこんなクルマ
このアイオニック5 N eN1 Cupは、市販モデルのアイオニック5 Nと同じパワー エレクトロニクス (PE) システム、エレクトリック グローバル モジュラー プラットフォーム (E-GMP)を使用しており、しかしアップグレードによって力強い加速と最大650PSの高出力を誇るエレクトロニックパワートレーン、激しいサーキット走行に耐える高い耐久性、堅牢なバッテリー熱管理システム、および強力な回生ブレーキ システムを備えたNブランド初の高性能エレクトリックレーシングカー。
アイオニック5 N eN1カップカーは、既存のアバンテ(エラントラ)N1クラスと同様に、スリックタイヤを採用しサーキット走行性能を高めた、N1クラスに参戦するプロドライバー向けの最高級レーシングカーで、しかしピュアエレクトリックカーということで今年導入される新しい「eN1クラス」への参戦が可能な要件を満たしています。
アイオニック5 N eN1 Cupは再設計されたボディキットを備え、ロー&ワイドスタイルのオーバーフェンダー、ハンドリングを向上させるワイドホイール、フロントリップとリアウイングによるダウンフォースの増大、空力性能の向上を実現しており、これに加え基本重量を軽減するために不要な部品を取り除き、鍛造ホイール、FRP製ボンネット、ポリカーボネート製ウインドウを採用することで軽量化も実現。
NGBオーバーブースト、バーチャル シフト (N e-Shift)、NAS+ (N アクティブ サウンド) といった装備を持ち、これによって観客はエキサイティングなサウンドを楽しむことができると説明されていますが、面白いのは「各チームが独自のサウンドを開発できること」で、これはEVならではの特徴だと言えるかもしれません。
そのほか、競技用車両に求められる安全対策を強化するため、ロールケージ、レーシング バケット シート、シートベルト(ハーネス)などの重要な安全要素が追加され、EVレースにおける最高レベルの安全性を確保することを目的に高圧遮断装置に加え高電圧警告インジケータ、電気火災専用消火器や酸素遮断消火器の装備、充電ポート位置の変更などのさらなる安全対策が講じられています。
公表されているスペックは車体重量1,970kg、フロントモーター226馬力/リアモーター383馬力、800V/400Vマルチチャージングシステム、18分での10~80%までの充電能力、調整式ダンパー、フロント:6ピストン/リア:4ピストン鍛造ブレーキキャリパー、18インチ鍛造ホイール/モータースポーツスリックタイヤなど。
ちなみに今シーズンはeN1クラスの創設であるとともにトライアル期間であるといい、今後の電動化クラスの発展のためのテスト、そして改善を目的として実施されるとのことで、レースチーム、ドライバー、マーシャルがEVレース競技について学ぶ機会となるとともに、このトライアルシーズン中に充電関連のインフラ、火災対応措置、緊急対応がさらに開発される予定であることについても言及されています。
ヒョンデによれば「eN1クラスを通じ、私たちの究極の目標は、現代自動車をEVモータースポーツプラットフォームの真のリーダーとして確立し、韓国の活気に満ちたモータースポーツ文化の成長と発展を促進しながら、世界規模で大きな影響を与えることです。eN1クラスにより、私たちはレースの未来を再定義し、モータースポーツの感動的な成果の新時代への道を切り開く準備ができています」とのことですが、新設されるクラスだけあって、既存のクラスに比較するとそれだけ「リーダーになれるチャンスが大きい」のかもしれませんね。
あわせて読みたい、ヒョンデ関連投稿
-
ヒョンデが「アイオニック5」をフェイスリフト。小幅ながらも内外装がアップデートされ、実用性と快適性が向上したうえ「スポーティーなNライン」も登場
Hyundai | ヒョンデは常に消費者の嗜好を見据えつつ的確な仕様へとアップデートを行っている | そのためヒョンデは欧米だと高い支持を集めるブランドの一つへと成長 さて、ヒョンデがフェイスリフトバ ...
続きを見る
-
ヒョンデ・アイオニック5 Nがニュルに挑みシビック・タイプRやブガッティEB110、パガーニ・ゾンダC12Sと同等のタイムを記録。「EVにしかできないこと」で道を切り開く【動画】
Image:sport auto(Youtube) | おそらく今後、EVは独自の進化を遂げてガソリン車では到達できない領域へとたどり着くだろう | そしてやはり、クルマの進歩は「誰よりも速く走りたい ...
続きを見る
-
ヒョンデがサーキット走行に対応したEV、アイオニック5 Nを発表。ガソリン車の8速トランスミッションの動きを再現しドリフトも自在、「戦闘機」からサンプリングしたサウンドも【動画】
| ヒョンデは現在世界中でその存在感を強めており、「あなどれない」ブランドにまで成長している | キャッチコピーは「Never just Drive(単に運転するだけではない)」 さて、韓国ヒョンデが ...
続きを見る
参照:Hyundai