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| 正直、ヒョンデそしてジェネシスは「侮れない」レベルにまで達している |
もはや日米欧いずれの自動車メーカーもこれを無視できない
韓国のラグジュアリーブランド、ジェネシス(Genesis)。
いよいよスーパーカービジネスに対して本気を見せ、コンセプトカーの発表のみにとどまらず、ランボルギーニやフェラーリといった超一流ブランドと同じ「勝利の方程式」を用いての参入を宣言しています。
ここでジェネシスが描く「Magma(マグマ)」プロジェクトの全貌、そしてその戦略的なロードマップを見てみましょう。
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この記事のポイント(30秒でわかる要約)
- 市販化確定: コンセプトカー「Magma GT」の(2030年までの)市販化を正式発表
- GT-R方式の進化: 発売して終わりではなく、毎年改良・レース参戦・特別仕様車を繰り返す「ロングライフ戦略」を採用
- レース参戦: 元ルノーF1代表シリル・アビテブール率いる「Genesis Magma Racing」がGT3カテゴリーへ殴り込み
- 超限定モデル: 数億円クラスの限定車やハイパーカー「GMR-001」など、ブランド価値を最大化する特別枠も設定
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ヒョンデの「お化粧直し」はもう終わり
ジェネシスはこれまで「ヒョンデを豪華にしただけのブランド」という印象を持たれることもありましたが、今後はその認識を改める必要がありそうです。
ヒョンデ・モーター・グループのホセ・ムニョスCEOは、「ジェネシスのプラットフォーム、テクノロジー、パフォーマンスはヒョンデや起亜とは完全に別物だ」と断言。
その象徴となるのが、中核を担うハイパフォーマンスブランド「Magma(マグマ)」です。
参考までに、ジェネシスはプレミアムブランドとしては「最後発」の部類ではあるものの、それだけに各社の成功を十分に検討し、その上で「勝てる武器」を選択しています。
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これはK-POPにも通じる手法であり、徹底したマーケティングとターゲティングによる「必勝プロセス」ともいえる戦略で、これまで「製品が牽引してきた」自動車業界にとっては斬新な手法ともいえるもの。
ただ、昔と違っていまや自動車の品質や性能は「(一部を除くと)どこのブランドでもあまり変わらず」、よって消費者も性能や機能で選ぶということはほぼなくなっており、商品選択の際の重要な基準は「見た目やイメージ」。
そしてジェネシスはここに勝機を見出したということになりますが、さらにはJDパワーやコンシューマーレポートが実施する「満足度」「品質」調査ランキングの評価項目を精査し、「高得点を取ることが出来る」よう、ある意味では「テスト対策」とも言える製品づくりを行っているようにも思われ、こういった「今までの自動車業界にはない、今の時代に即した手法」を徹底して追求することによってその存在感を日々高めているわけですね。
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Magma GT(マグマGT):予測スペックとロードマップ
そこでまず発売が予定されているという、ジェネシス初のミッドシップスーパーカー「Magma GT」につき、現在判明している情報は以下の通り。
| 項目 | 詳細予測 |
| パワートレイン | V8ツインターボ(ハイブリッドアシスト付) |
| 最高出力 | 1,000 hp 以上(目標値) |
| レイアウト | ミッドシップ(ミッドリアエンジン) |
| 0-100km/h加速 | 3.0秒未満 |
| 市販予定 | 2027年後半 〜 2028年頃 |
| 価格帯 | 15万ドル 〜 20万ドル(約2,250万〜3,000万円)〜 |
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成功を約束する「ライフサイクル・プレイブック」
デザイン責任者のルク・ドンカーヴォルケ氏(ランボルギーニにてムルシエラゴやガヤルドをデザインした人物)は、このクルマの販売戦略を「ロケットサイエンス(複雑な難問)ではない」と説明します。
- ベース車の投入: まずは標準モデルを発売。
- 派生モデルの追加: ハイパワーな「S」、サーキット仕様の「GT3」、そして「ロードスター」を展開。
- 定期的なアップデート: 日産GT-Rのように、毎年改良を加え常に新鮮さを保つ。
- レースでの勝利: 2026年からWEC(世界耐久選手権)への参戦を皮切りに、GT3クラスでの成功を市販車の販売へ直結させる。
そしてこういった戦略も他社の成功例を取り入れたものであり、現代のハイパフォーマンスカーでは「必須」とされるモータースポーツでのプレゼンス強化をも織り込んだもの。
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加えて、ヒョンデそしてジェネシスは豊富な資金力にモノを言わせて欧州のスポーツカーメーカーからエンジニアやデザイナー、さらにはモータースポーツ関係者を引き抜いており、「時間のかかる自社での育成」ではなく「外部からの人材獲得」によるスピーディーな展開を行っており、この「スピード感」もヒョンデ / ジェネシス特有だと言っていいのかもしれません。
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富裕層を狙い撃つ「限定モデル」と「X Scorpio」
ジェネシスの野望は、量産スーパーカーだけにとどまらず、彼らはフェラーリやランボルギーニが得意とする「超高収益な限定車ビジネス」にも乗り出しています。
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- X Scorpio(X スコーピオ): 2026年1月に発表された、中東の砂漠を爆走するための1100馬力オフロード・ハイパーカー。発表数分で注文が殺到し、数億円クラスの「大人の玩具」として限定生産が決定済み
- 低投資・高スピード: ドンカーヴォルケ氏は、これまでに発表した「X Gran Coupe」などのコンセプトカーも「最小限の投資で即座に生産可能」であると語り、市場の反応を見ながら矢継ぎ早に限定車を投入する構えを見せている
そしてこれら戦略もまた「現在の市場」を見極めたものだと考えてよく、広く世界中に向けるより、「中東」という限られた、しかし富裕層が集中するマーケットにまず特化。
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ぶっ飛ばしてるなジェネシス。驚愕の1100馬力、砂漠の怪鳥「X Skorpio」を初公開。ラグジュアリーの枠を超えた“真のオフローダー”
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「数千万円」のスーパーカーは「モータースポーツを通じて」広く世界中に訴求する一方、「数億円」のハイパーカーは「それを買うことが出来る人がいる」地域に絞って展開し、かつポテンシャルカスタマーが要求する「パーソナライズ」「排他性」を強く押し出すことで支持を集めようとする戦略を採用しているわけですね。
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韓国ジェネシスが「ハイパー」パーソナライズド車両を製作する「ワン・オブ・ワン」最新車両を公開、そのレベルがベントレーやロールスロイスに達することをアピール
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こういった戦略は非常にスマートで理にかなったものだと考えてよく、その意味では「ジェネシス」は自動車ブランドというよりも、「製造部門を持つマーケティング会社」だと表現してもいいのかもしれません。
なお、ぼくはジェネシスのデザイン、そしてマーケティング手法については高く評価しているものの、エンジニアリング面については評価できるほどの情報を持っておらず、かつモータースポーツ(トップカテゴリ)での実績もないため、エンジニアリング面では「未知数(評価できる段階にない)」という印象。
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結論:韓国発、世界最強の挑戦者へ
かつてレクサスが「LFA」で、そして日産が「GT-R」で世界を驚かせたように、ジェネシスはいま「マグマ」というオレンジ色の炎を掲げて欧州スーパーカーの牙城に挑もうとしています。
豊富な資金力、そして元ポルシェやBMW、ランボルギーニ、さらには元F1関係者などの超一流人材を揃えたジェネシスの「本気」。
さらには2026年のル・マン24時間レース、そしてその後の市販車の登場も控えており、今後のジェネシスの活動いかんによって、ぼくらは「他のどの自動車ブランドもなしえなかった」新たな伝説の目撃者になるのかもしれません。
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参照:Genesis





















