
Image:Hyundai
| まるでSF映画、今後は「惑星」シリーズを展開か |
ただしホンダ「0」EVにちょっと似たデザインと構成に
韓国の巨頭ヒョンデがEVサブブランド「アイオニック(Ioniq)」の次世代を担う衝撃的な2台のコンセプトカーを公開。
その名も「VENUS(金星)」と「EARTH(地球)」と名付けられた壮大なクルマたちであり、2026年4月24日に開幕する「北京モーターショー(Auto China 2026)」にて世界初公開されることとなるのだそう。
これまでの「アイオニック 5」や「6」のデザインが過去のものに見えるほど未来的かつSF映画のような雰囲気を持つようですが、発表の場が「北京」なのは「米国での税制優遇廃止を受けて試乗が縮小する可能性がある」という想定に基づいているのだと考えてよく、よって今後はひつまず中国市場へと軸足を移すということになりそうです。
【この記事の要約:3つのポイント】
- 惑星シリーズの始動: VENUS(セダン)とEARTH(SUV)を皮切りに、アイオニックを「宇宙(ユニバース)」へと拡張
- 対中国・特化戦略: ソフトウェア重視の内装、現地企業との提携、さらには航続距離延長型(レンジエクステンダー)の投入も示唆
- 次世代プラットフォーム: 現行のE-GMPを超える、次世代EV専用プラットフォーム採用の可能性

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常識を破壊する「リード、ドント・フォロー」の造形
ヒョンデが掲げた「追従するな、リードせよ」という哲学はそのエクステリアに色濃く反映されており・・・。
VENUS Concept:地を這うウェッジシェイプ
セダンタイプの「VENUS」は、伝説のランボルギーニ・カウンタックを彷彿とさせるドラマチックなウェッジプロファイルを採用。
極限まで低く抑えられたノーズと滑らかなラインは、空力性能の極致を目指しています。

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EARTH Concept:要塞のような堅牢SUV
一方のSUV「EARTH」は、対照的に角ばった力強いフォルムが特徴。
垂直に切り立ったガラスエリアとブロックのようなスタンスは、圧倒的な存在感と広い室内空間を両立しています。

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車種概要・スペック(予測含む)と特徴
ヒョンデ次世代コンセプト比較
| 項目 | VENUS Concept (金星) | EARTH Concept (地球) |
| ボディ形状 | 超低重心・スポーツセダン | ボクシー・大型SUV |
| 主なターゲット | 中国・都市部の若年層 | プレミアム・ファミリー層 |
| 内装のハイライト | 超大型センターディスプレイ | ミニマル&テック・ラウンジ |
| 注目デバイス | AIアシスタント「Lumi (ルミ)」 | ソフトウェア定義車両 (SDV) 機能 |
| パワートレイン | 次世代EVプラットフォーム(レンジエクステンダー設定の可能性) | 同左 |
特筆すべきインテリアと独自技術
車内では物理スイッチを極限まで排除し、ダッシュボードを占拠する超大型ディスプレイがすべての機能を司ることに(これはコンセプトカーだからなのかもしれない。市販バージョンでは物理スイッチが採用される可能性が大)。
- AIアシスタント「Lumi」: 中国ユーザーの嗜好に合わせ、音声のみで車両の全機能を操作可能にする高度なAIを搭載
- ローカライズ戦略: 自動運転やコネクティビティにおいて中国現地企業と深く提携。さらに、中国で需要の高い「レンジエクステンダー(発電用エンジン搭載EV)」モデルの追加も検討中

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なぜ今、中国なのか?
現在、米国のEV市場は連邦税額控除の撤廃などによって一時的な足踏み状態にあり、そして現在アイオニックシリーズは米国での生産がなされておらず、よって米国市場での成長は「期待薄」。
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それとは対照的に、中国は依然として世界最大のEV激戦区ではあるものの市場規模としては非常に大きく、ヒョンデはここで「自社のEVをライフスタイル全般をサポートするモビリティ・エコシステムとして再定義」すること、そして独自性溢れるデザインによって中国市場でのシェア奪還を狙っているというわけですね。
さらには数字ベースの「アイオニック 5 / 6 / 9」というネーミングから、惑星(VENUS / EARTH)シリーズへと移行することそのものが「アイオニックブランドが独立した一つの宇宙(ブランド)へと昇華する」ことを象徴しているかもしれません。

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結論
ヒョンデが放ったVENUSとEARTHはデザインスタディにとどまらず、それは「次世代EVの覇権は誰が握るのか」という問いに対するヒョンデからの挑戦状。
次世代プラットフォームによる標準化、AIによる操作系の統合、そして市場に合わせた柔軟なパワートレイン。これらが揃う2026年後半、ぼくらは「アイオニック・ユニバース」という新たな時代の幕開けを目撃することになるのかもしれません。
なお、今回発表された「ヴィーナス」「アース」につき、偶然の一致かもしれませんが、どうしても「ホンダ0 EV」シリーズを思い浮かべてしまいます(中止になった0 EVシリーズのプロジェクトを引き取ったんじゃないかと思えるほど)。

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なぜ「レンジエクステンダー」が再注目されるのか?
今回の発表で驚きなのは、純EV(BEV)を推進してきたアイオニックが「レンジエクステンダー(発電用エンジン搭載)」に言及したこと。
実は中国市場では、完全なBEVよりも「航続距離の不安がなく、税制優遇も受けられる」プラグインハイブリッドやレンジエクステンダー車が爆発的に売れており、ヒョンデはプライドを捨ててでもユーザーの「リアルな不便」を解消しに来たのだとも考えられます。
一見すると「方針を曲げた」かのように見えますが、この柔軟性こそが現代においてもっとも要求されるものであり、今の激動の自動車市場で生き残るための最大の武器となるのなのかもしれません。
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