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ヒョンデが挑む“金太郎飴にならない”ファミリーデザイン戦略。各車の個性とラインナップ間での統一性を両立する「チェスピース」哲学とは

ヒョンデ

| これまでヒョンデは意図的にモデルごとの個性を最大化させる”ヒョンデ・ルック”を採用してきたが |

ヒョンデ(Hyundai)の最新デザイン戦略は非常にユニークなステージに突入しています。

これまでの「モデルごとに全く異なる顔を持つ」という大胆な手法から、ブランドとしての統一感を少しずつ強める方向へとシフトしつつあり、しかしこれはドイツ勢のように「金太郎飴的」状況に陥ってしまう危険性も孕んでいます。

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この記事のポイント(30秒でわかる要約)

  • 適度な統一感: これまでの「モデルごとに別物」だった手法を微調整。ブランドとしての繋がり(ファミリー感)を強化へ
  • 「コピーマシン」の否定: ドイツ車のような「サイズ違いの同じ顔(金太郎飴)」は作らない。各モデルに独自のキャラクターを維持
  • チェスピース哲学: チェスの駒がそれぞれ異なる形をしながら「一つのセット」であるように、車種ごとに役割を持たせる
  • セグメント別の進化: SUVは「タフな角型」、EVは「クリーンな空力重視」と、カテゴリーごとの一貫性を追求

なぜヒョンデは今、デザインを「引き締め」ようとしているのか?

ヒョンデのデザインは、近年最もエキサイティングな変化を遂げており、SF映画から飛び出してきたような「アイオニック 5」から、無骨でレトロな「新型サンタフェ」まで、その振り幅の大きさがブランドの象徴(そしてより広い客層へとアピールする原動力)でもあったわけですね。

しかし、欧州ヒョンデのグザビエ・マルティネCEOは、今後の課題として「過去には、車両同士の体系的なファミリー感が欠けていたかもしれない」と認めており、ブランドがグローバルにて成長し、プレミアムな地位を確立する中で、「一目でヒョンデとわかる記号」をより洗練させる段階に来たと述べています。

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ヒョンデのデザインを読み解く「チェスピース(チェスの駒)」哲学

この戦略の核となるのが、デザイン責任者サンヨップ・リー氏が提唱する「チェスピース」コンセプト。

チェスや将棋の駒は、キング、クイーン、ポーン、あるいは王、歩、飛車など形も役割もバラバラです。

しかし、それらは同じセット(同じチーム)であることが誰の目にも明確にわかり、ヒョンデが目指すのは「まさにこのバランス」ということに。

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カテゴリー別のデザインライン(2026年現在の方向性)

カテゴリーデザインの特徴代表モデル
EV(アイオニック)「ピクセル」を共通言語としたクリーンかつ空力的なフォルム。Ioniq 5 / 6 / 9
SUV系「タフ」「堅牢」を感じさせるボックス型(スクエア)デザイン。サンタフェ / 新型コナ
ヘリテージ/高級系初代ポニーやソナタを彷彿とさせる「アート・オブ・スチール」言語。新型ソナタ (2026年下半期予定)
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今後の注目:ロゴレス・ステアリングと「光のサイン」

2026年以降の新モデルでは、さらに洗練された細部の「共通記号」が導入される予定だといい・・・。

  • ロゴレス・ステアリング: ここ最近で発表された新型車のように、ステアリング中央の「H」ロゴを廃止し、ドット(ヒョンデのモールス符号)やミニマルなLEDライトに置き換える動き
  • 水平の光: 「シームレス・ホライゾン・ランプ(一文字のLED)」は、多くのモデルで共通のアイデンティティとして定着する予定

これらの要素が、モデルごとの個性を邪魔しない程度に「あ、これはヒョンデだ」という確信を読者に与える役割を果たすこととなります。

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結論:「同じ顔」をしないことが、ヒョンデのブランド戦略

多くのプレミアムブランドがブランド認知のために「金太郎飴」のようなデザインを採用してきましたが、ヒョンデはその逆を行くことで成功したというのがその歴史(一方、プレミアムブランドであるジェネシスでは意図的に金太郎飴デザインを採用している)。

今後彼らが目指すのは、「バラバラの個性なのに、なぜか集まると家族に見える」という、より高度なデザインの調和です。

これは非常に難しく、というのも「あまりに似通ってくると」その方向のデザインが好きではない人をブランドそのものから遠ざけてしまい「これまで用意していた多様な選択肢による成功」を失ってしまい、「あまりにバラバラだと」その市場におけるブランド全体としてのプレゼンスを欠くことに。

参考までに、トヨタもこれまでは「モデルによってバラバラの個性」を持たせて「より多くの消費者の嗜好を」披露戦略を採用していたものの、現在では(全部ではありませんが)ラインアップの多くを「ハンマーヘッド顔」へと変更しており、ときを同じくしてヒョンデと同じ方向へと動いています(そしてトヨタもやはり金太郎飴にならないように配慮している)。

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Image:Toyota

そしてこういった「ファミリールックを持ちながらもメンバー各々の個性がちゃんと光る」デザインが可能となったのは、LEDはじめとするライティング技術の進歩、素材の多様化、設計や加工・製造技術の進歩によるものだとも考えており、これまでは演出できなかったような「僅かな違い」を表現できるようになったからなのかもしれません。

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