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| ヒョンデ アイオニック6 Nによる「7分35秒42」という異次元の存在証明 |
エレクトリックパワートレインは「ボディ形状の不利」を覆す
ドイツの自動車専門誌、『sport auto』によるニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ(北コース)の走行テストにおいて、ピュアEVセダンであるヒョンデ(現代自動車)「アイオニック6 N(Ioniq 6 N)」が7分35秒42という驚異的なラップタイムを記録したことが明らかに。
このタイムは日本の誇るスーパースポーツ「日産 R35 GT-R」の初期公式タイム、そしてかつての「フェラーリ 458イタリア」「ポルシェ カレラGT(初期公式タイム)」をも上回るという、EVの常識を覆す歴史的快挙です。
この記事の要約
- ニュル7分35秒42をマーク: ドイツ誌の独立テストで、初期型R35 GT-Rやフェラーリ458を超えるタイムを記録
- 最高出力641馬力のモンスターEV: アイオニック5 Nと共通の強力な電動パワートレインを搭載
- 空力性能で「5 N」を圧倒: 流麗なセダンボディにより、兄弟車であるアイオニック5 Nのタイムを10秒以上短縮
- EVの弱点「熱」を克服: トラック対応の高度なバッテリー温度管理システム(N Battery Endurance)を装備

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4ドアセダンがスーパーカーを喰う時代の到来
かつて電気自動車(EV)といえば、「直線は速いが、サーキットを数周走ると熱ダレする」というのがクルマ好きの間での共通認識であったかと思います。※あの圧倒的な加速を誇るテスラ モデルSでさえ、過酷なサーキットコースでは冷却問題に悩まされ、酷評された時期があったほど
しかしいま時代は変わりつつあり、上述の通りヒョンデのハイパフォーマンス部門「N」が送り出した最新のEVセダン「アイオニック6 N」がニュルブルクリンクで7分35秒42という数字を叩き出し、EVがサーキットにも適応できるように進化したという事実を証明することに。
なお、この「7分35秒42」というタイムの凄さは他の名車たちと比較するとより鮮明になります。
タイム比較:GT-Rやフェラーリ、ポルシェとのパワーバランス
自動車メディア『sport auto』は、自動車メーカーによる公式タイムとは異なり、独自のドライバー(クリスティアン・ゲプハルト氏など)が完全に独立した条件でテストを行うことで知られていて、過去の同誌のデータ、および一般的なサーキットデータと比較してみると以下の通り。
| 車種 | タイム | テストの背景 / 特徴 |
| ヒョンデ アイオニック6 N (2026) | 7分35秒42 | 『sport auto』による最新EVセダンテスト値 |
| 日産 R35 GT-R (2011) | 7分36秒00 | 『sport auto』(ホースト・フォン・サウルマ氏) |
| 日産 R35 GT-R (2007) | 7分38秒00 | 日産による初期の最初の公式発表タイム |
| フェラーリ 458 イタリア | 7分38秒00 | ミッドシップ・V8自然吸気のガソリン車アイコン |
| ポルシェ カレラGT | 7分40秒00 | V10自然吸気を積む伝説的なアナログ・スーパーカー |
参考までに、日産GT-Rの開発チームはその後、公式アタックで7分27秒56、NISMOバージョンではさらなる驚異的なタイムを記録していますが、アイオニック6 Nがその「本物のスーパーカー」の領域に迫り、同列に語られるようになったという事実自体がとてつもない「非常事態」だとも言えそうです。

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アイオニック5 Nとの兄弟対決:セダン形状がもたらした「10秒の壁」
ただしアイオニック6 Nの本当のライバルは日産GT-Rではなく、先に登場して世界を驚かせた”身内”によるコンパクトクロスオーバーEV、「アイオニック5 N」。
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この2台は最高出力650馬力(N Grin Boost使用時)を発揮するまったく同じ84kWhのデュアルモーター・パワートレインを共有しているのですが、それにもかかわらずアイオニック6 Nは兄弟車よりも10秒以上も速いタイムを叩き出しており、その最大の理由は「空力性能(エアロダイナミクス)」にあります。
といのもアイオニック 6 Nは滑らかなクーペ風のシルエットを持つため前面投影面積が小さく、空気抵抗係数(Cd値)が極めて優秀。
さらに大型のスワンネックリアウイングやカーボン製エアロパーツによって強力なダウンフォースを発生させ、超高速域が長く続くニュルブルクリンクのストレート(ドッティンガー・ヘーエなど)や高速コーナーにおいて、このエアロダイナミクスの差が10秒という決定的なアドバンテージを生み出したというわけですね。
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新型ヒョンデ・アイオニック6 N の主要スペック
なお、サーキットを限界で走り続けるため、アイオニック6 Nには以下のような独自のハードウェアとソフトウェアが詰め込まれています。
- パワートレイン: 前後デュアルモーター(AWD)
- 最高出力: 通常時 601 hp / Nグリン・ブースト(NGB)作動時 641 hp (650 PS)
- 最大トルク: 770 Nm(NGB作動時)
- バッテリー容量: 84 kWh
- 0-100km/h加速: 3.2秒(Nローンチコントロール使用時)
- 最高速度: 257 km/h
- 航続距離: 最大 487 km(WLTPサイクル)
- 充電性能: 800Vシステム対応(350kW急速充電により10-80%まで約18分)
- 専用装備:
- 23段階調整式「Nディフト・オプティマイザー」
- バッテリー温度管理モード(Sprint / Drag / Endurance)※ニュル走行時は「Endurance」モードが活躍
- ピレリ P Zero トロフェオRS タイア

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なぜEVセダンがこれほど速いのか?
そこで現代のハイパフォーマンスEVがなぜここまで速いのか、技術的な背景を考えてみると・・・。
- 瞬時なトルクベクタリング(駆動力配分):ガソリン車の場合、デファレンシャルギアなどの機械を介して左右のタイヤに力を配分するため、どうしてもミリ秒単位のタイムラグが発生。一方、EVのツインモーターは、コンピュータが1秒間に数百回レベルで緻密に左右の出力を計算し、コーナリング時に内側のタイヤを減速、外側を加速させることに。これにより、2トンを超える巨体(車重約2.1トン)を感じさせない、まるでレールに乗ったようなコーナリングが可能となる
- 高度な熱マネジメント:ヒョンデNが開発した「N Battery Endurance」モードは、サーキットを連続周回することを前提に、あらかじめバッテリー温度を50〜68℃の最適な低温度帯に冷やし込むという設定。これにより、一般的なEVで発生する「走っている途中で熱ダレして出力が制限される現象(デレーティング)」を限界まで遅らせることに成功している
結論:電気の力は「ガソリンのアイコン」を過去にするのか
大排気量のマルチシリンダーエンジンが奏でる官能的なエキゾーストノートや軽量なミッドシップスーパーカーの操縦性は今でも自動車文化の至高の存在です。感覚的な楽しさにおいて、ガソリン車のアイコンたちが色褪せることはありません。
しかし、「純粋な速さ」という冷徹な数字のスコアボードにおいて、新世代の電動技術が過去の遺産を置き去りにしつつあるのは紛れもない事実であり、650馬力を誇るファミリーセダンが、かつての3,000万円クラスのスーパーカーや、ニュルの覇者であったGT-Rを脅かす時代を迎えようとしており、そしてEVに関する技術は日進月歩でもあるため、時間を置かずに「最新のガソリンエンジン搭載スーパーカー」のタイムすら書き換えてしまう可能性も。
そう考えるならば、ヒョンデ・アイオニック6 Nが残したタイムは、「EVの未来が退屈なものではなく、エキサイティングなものになる」という明確なメッセージなのかもしれませんね。
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参照:sport auto, Jalopnik











