| その来歴に起因して最高落札価格は1500万円を超えると目される |
歴史的に見てこれほどまでに価値があるフィアット500Lは他に存在しない
さて、フィアットというと「中古市場で大きく値下がりするブランド」の筆頭ではありますが、今回なんと最高落札価格「10万ドル(現在の為替レートにて約1520万円)」というエスティメイトが出されたフィアット500LがRMサザビーズ主催のオークションへと出品されることに。
なお、ここまで高額な価格が予想されているのは「2015年にフランシスコ教皇がニューヨークを訪問した際に乗車したクルマだから」ですが、フランシスコ教皇であればもっといいクルマに乗りそうなものだと考えたり。
ただしフランシスコ教皇は「庶民と近くありたい」という想いから高級車や特別仕様車を好まず、訪問先では最も安価な移動手段を用いることでも知られ、2019年に広島を訪問した際に選択したクルマが「マツダ3」であったことも広く報じられています。
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このクルマは世界でもっとも価値のあるフィアット500Lであることは間違いない
フィアット500Lはアメリカでは(新車だと)2万ドル程度で販売されており、平均的な(同年式の)中古車だとその半分である1万ドル程度で購入できるそうですが、今回出品されるフィアットLは「おそらく世界でもっとも価値のある個体」となるのは間違いなさそう。
その外装はメタリックブラック、そして平均的なサイズのホイールを持っており、まったくフランシスコ教皇らしくないクルマではありますが、この「普通さ」こそがフランシスコ教皇自身が求めたものなのかもしれません。
搭載されるエンジンは1.4リッター4気筒ターボ、出力は160馬力、そしてこのフィアット500Lのグレードは上位の「ラウンジ」なのでレザーシートやシートヒーターが内蔵される、と紹介されています(おそらくはフルノーマルであり、防弾設備などを持たないように見える)。
このフィアット500Lは2015年に(フィアット・クライスラーの提供によって)教皇が移動する際の手段として用いられた後、セント・パトリック大聖堂のロバート・リッチー牧師の管理下に置かれ、2016年には聖パトリックデーのパレードに使用されていますが、その際にはティモシー・ドーラン枢機卿が鑑賞したという記録も残っており、世界でもっとも「ありがたい」フィアット500Lであることも間違いなさそう。
その後このフィアット500Lはニューヨーク大司教区によってカトリックの慈善活動、教育、救援活動を目的としたオークション団体に寄贈され、デア・トゥ・ドリーム・コレクションがこの車両を(オークションを通じて)入手し、それ以来ずっと保管して現在に至る、と説明されています(大司教区によって販売された最初の教皇車両=パパモビルであると言われている)。
新車にて提供された後、わずかな距離を走行したのみなので、走行はわずか773マイルにとどまり、そしてその来歴を保証する「ニューヨーク大司教区が所有者として記載された」書類も付属するのだそう。
この「世界でもっとも有名な、しかし世界でもっとも謙虚な」人物の輸送を仰せつかったフィアット500Lがいったいどれくらいの価格で落札され、ここからどういった物語を紡ぎ出すのかはわかりませんが、注目すべき出品物であることは間違いなく、この成り行きには注目したいと思います。
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参照:RM Sotheby's