| この速度警告装置は日本でいうところの昔懐かし「キンコン」である |
なお欧州でも今年7月から装着義務化が開始され、世界中にこのトレンドが拡大することになるのかも
さて、現在はガソリンエンジン含む内燃機関に対する締め付けのほか、速度や騒音に対する規制が厳しくなっていますが、今回は米国カリフォルニア州にて販売されるすべての車両に対し「2029年以降、制限速度を超過すると警告を発する装置を取り付けることを義務付ける」という法案が可決されることに。
この目的はもちろん「スピード違反に関連した事故や死亡事故を減らすこと」ですが、2017年から2021年までのカリフォルニア州の交通死亡事故の3分の1はスピード違反が原因だったといい、この状況を鑑みるに、この法案がの成立も「やむなし」なのかもしれません。
日本にもかつて「時速100キロを超えるとチャイムが鳴った」ものだが
ちなみにですが、かつての日本車(1980年代くらいまで)にはこういった速度超過を警告するシステムが備わっていて、多くのクルマでは時速100キロを超えるとチャイムやブザーが延々と鳴り続け(トヨタはチャイム、ホンダはブザーが多かった。頭文字Dでも”キンコン”という描写が登場する)、今回のカリフォルニア州で要求されるシステムも同様のもの(しかし時の経過ぶんの進歩を内包したもの)だと考えられます。
この速度超過警告について、カリフォルニア州の場合だと緊急車両への取り付けは「除外」され、しかし一般車だと制限速度を16マイル超過した段階で「音と視覚情報にて」速度を落とすように警告するという仕組みを持つもよう。
この新しい規制は、米国国家運輸安全委員会が、新車に対し、ドライバーにスピード違反を警告する”インテリジェント・スピード・アシスタント(ISA)技術”の装着を義務付けることを国家道路交通安全局に勧告したことを受けて可決されたそうですが、この法案の提案者であるスコット・ウィーナー氏は「カリフォルニア州の死亡事故は本来予防可能なものであり、スピード違反を放置したことが死亡事故の増加に繋がった」とも指摘しています。
参考までに、このインテリジェント・スピード・アシスタントにはパッシブ型とアクティブ型が存在し、今回のカリフォルニアの場合はパッシブ型(1980年代にはすでにフランスにて導入されていたらしい)で、これはドライバーが制限速度を超えること自体を妨げないものの、一方のアクティブ型だと車両の速度を物理的に制限し、制限速度を超えることが困難または不可能となっています。
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今回のカリフォルニア州の法律「SB 961」は、欧州連合(EU)で今年7月に発効する規則と似ており、該当地域で販売されるすべての自動車にはドライバーに聴覚と視覚で警告するパッシブリミッターの装着が義務付けられることが報じられていますが、ちょっと前に報じられた「アクティブ型」の導入については最近あまり話題に登っておらず、もしかすると「パッシブ型で代用可能」ということになったのかもしれません。
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