| ポルシェだろうがフェラーリだろうがランボルギーニだろうがこの規制から逃れることはできない |
そしてこうやってクルマのコストはどんどん高くなってゆく
さて、EUはつい先日「2035年にはガソリン車の販売全面禁止」を決めたところではありますが、今年の7月以降に(EUで)発売される新型車すべてにはインテリジェント・スピード・アシストの搭載が義務付けられることになり、2024年7月からは、その車種がいつ発売されたかにかかわらず、EU内で販売される新車であれば、すべからく同様の技術を装着しなければならなくなる、とのこと。
インテリジェント・スピード・アシストには4種類の選択肢がある
なお、このインテリジェント・スピード・アシストには4種類の選択肢があり、自動車メーカーは最低でもいずれか一つを装着せねばならず、そしてもちろん複数を同時装着してもOK。
ただしどのインテリジェント・スピード・アシストであってもカメラもしくはGPSにて速度を読み取ることが絶対条件になるので、すべての新車にはこれらを搭載せねばならず、当然ながらそのコストは上昇します。
とくにEUでは「足」として使用される安価なクルマにはカーナビをそもそも装備せず、スマートフォンにて代用するという考え方のクルマも少なくはありませんが、こういったモデルにもGPS機能もしくはカメラを搭載する必要が出てくるわけですね。
ちなみにこの4種類のうち、もっとも「ウザい」と言われているのは「警告音」で、これはその道路の制限速度を超えて走行するとアラーム音が鳴るというもので、これは(日本の)昭和のクルマに装着されていた「キンコン音」のようなものだと考えて良さそう。
そしてこのキンコン音(もしくはその代わりの電子アラーム)のほかには車線逸脱警告システムと同様に「ステアリングホイールを振動させる」という方法もあるそうですが、制限速度を超えて走っている間ずっとステアリングホイールがブルブルしているのはたまったもんじゃない、という感じですね。
このほかには「制限速度を超えると、アクセルを踏み込んでも加速しない」という機能も選択できるそうですが、どの機能であっても「正直勘弁して・・・」といった内容なのは間違いないと思います。
ただし「救い」もあるようだ
しかしながらこういった一連の機能はスイッチによってオフにすることもできるといい、これはある意味EUの良心なのかもしれません。
加えてですが、そもそも標識がない道路であればカメラで読み取ることはできず、トンネル内であればGPSも動作せず、カメラやGPSアンテナを覆ってしまうとこの機能は役に立たなくなるので(ただし純正カーナビも使えなくなる)、このインテリジェント・スピード・アシストについては本気で速度違反を撲滅すると言うよりは、なんらかの心理的抑止効果などを狙ったものという可能性もありそうです(ひとつのエクスキューズであるとも考えられる)。
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