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ケータハムがヤマハとの提携を発表。その理由は「ヤマハはバイクを作ってきたので重量とその配分の重要性を理解しているから」、そして電動モーターの提供を受けることに

ケータハムがヤマハとの提携を発表。その理由は「ヤマハはバイクを作ってきたので重量とその配分の重要性を理解しているから」、そして電動モーターの提供を受けることに

Image:Caterham

| 現時点で「プロジェクトV」は”非常に実現度の高いコンセプトカー”にとどまり、市販化については具体的なアナウンスがなされていない |

しかし「EVに対する固定概念を覆すため」にもぜひ当初のスペックのまま発売してほしいものである

さて、昨年ケータハムは初の市販電動モデルを示唆するデザインコンセプト、「プロジェクトV」を発表していますが、これはEVであるにもかかわらず「非常に(マツダ・ロードスターよりも)」軽量であること、そしてアウディTTなど既存(他社)モデルのパーツを多く流用して設計されていることが大きな話題となっていますが、ぼくにとっては「さすがケータハム」だと唸らされる一台です(軽量性にせよ、流用にせよ。いずれもケータハムでしか実現できないものである)。

そして今回ケーターハムが追加情報として公開したのが「ヤマハとの共同開発によるパワートレーンを積む」ということで、「車両の動きの制御に関する技術と専門知識を共有すること」「プロトタイプモデルは東京のR&Dによって開発されており、来年の中頃までには完成する予定であること」についてもアナウンスがなされています。

ヤマハはEV向けのモーターサプライビジネスを計画中

なお、ヤマハはこれまでにも数台の「4輪」コンセプトカーを制作して発表し、直接あるいは間接的にでも4輪業界への参入を検討していましたが、経営陣の刷新によて「4輪事業から撤退する」という決定がなされることに。

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しかしヤマハとしては、それまでに培った技術の一部を収益化しようという考えからなのか「4輪用のエレクトリックモーターを提供する」ことをアナウンスしていて、実際に470馬力を発生するスポーツカー向けのモーター(ハイパーEVモーター)を発表済み。

そして2022年の東京オートサロンでは、スバルSTI E-RAのワンオフ開発プロトタイプに4つのハイパーEVモーターを搭載することで”合計出力1,073馬力”を達成し、かつアルファロメオ4Cの車体を使用した実走可能な試作車も製作しており、つまりヤマハは実用化が可能なレベルの技術を有しているということになりますね。

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さらにこのヤマハの技術は最近設立されたローラFormula Eチームとの新しい技術パートナーシップによって強化され、この恩恵を受けるのがケータハム。

「ご想像の通り、ヤマハのようなグローバル企業は詳細な議論や検討なしに決定を下しません。プロジェクトVに関する私たちの議論はかなりの時間をかけて成熟してきました。彼らと一緒に仕事ができることを非常に光栄に思っており、今日この発表ができることはケ^タハムブランドにとって素晴らしいニュースです。」

ケータハムCEO ボブ・レイシュリー  

ボブ・レイシュリーCEOはさらに「ヤマハはOEMへの技術支援で長年の実績を持っているため、他の潜在的なパートナーよりも優位性がある」「ヤマハは長年バイクを製造してきたという歴史により、重量最適化の必要性を明確に理解している」ことを指摘し、それらが今回のパートナーシップ締結の大きな要因であると述べていますが、実際のところこのヤマハのエレクトリックモーターは「軽量コンパクト、もっとも高い出力密度を持つ」部類だとされており、よってケータハムがプロジェクトVを実現するためのキーになり得るのかもしれません。

ケータハム「プロジェクトV」を紹介する動画はこちら

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参照:Caterham

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