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テスラがサイバーキャブを発表したのち、なぜ株価は下がったのか?そもそも販売許可を取得できない可能性が高く、認可を得たとしても年間2,500台の登録しか許されない

テスラがサイバーキャブを発表したのち、なぜ株価は下がったのか?そもそも販売許可を取得できない可能性が高く、認可を得たとしても年間2,500台の登録しか許されない

Image:Tesla

| この数年というタームでは販売できる可能性が非常に低く、販売できても経営に大きな影響を与えることは考えられない |

イーロン・マスクCEOがサイバーキャブに過度に期待する姿勢は「危険」だと捉えられているのかも

さて、テスラは先日ロボタクシーとしても機能すると謳う「サイバーキャブ」を発表したところですが、この発表後には株価が下がってしまい、つまり投資家にとっては「期待外れ」であったということに。

そして「期待外れ」であった理由は明らかではなく、しかし「発売時期が不明確であったこと」「デザインが魅力的ではなかったこと」に加え、「採用される技術の実現性や安全性、認可(法的問題)に不安があったこと」が考えられるのかもしれません。

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テスラ サイバーキャブは年間2,500台しか生産できない可能性も

さらに今回報じられているのが「テスラ・サイバーキャブは年間2,500台くらいしか生産できない可能性がある」ということで、そしてどうやらこれは生産能力の問題ではなく「(たとえ販売許可を取ったとしても)法的に生産台数が規制される」からだと報じられています。

テスラのサイバーキャブは交通手段に革命を起こすことを約束していますが、法的および安全性の課題が大きな障害となっていて、現在のNHTSA(日本の運輸省に相当する期間)の免除規則では、人間の操作がないモデルの生産(厳密に言うと販売)は年間2,500台に制限されており、”ステアリングホイールなし”というサイバーキャブに対する規制承認は、生産を著しく制限し、この変更なしにはテスラの計画する大規模な普及を困難にしてしまうわけですね。

一方、このサイバーキャブを発表した際、イーロン・マスクCEOは「非常に多く」の台数で生産されることを約束していて、これは大胆な発言ではありますが、この完全自動運転車が生産ラインにさえ入る前に、テスラは多くの厄介な規制上の障害をクリアする必要があるのもまた事実。

テスラの他のモデルと同様に、サイバーキャブは同社の”ビジョンオンリー”自動運転技術に依存していますが、一つのしかし大きな違いがあり、それは(サイバーキャブには)ステアリングホイール、ペダル、操作装置が全くないこと。

これは、人間の介入なしに100%自動で運転できる車両には理にかなっているものの、そのような車両を公道に出すための承認を得ることをより困難なものとしています。

標準の運転操作がない車両を発売しようとする自動車メーカーは、国立高速道路交通安全局(NHTSA)から許可を得る必要があり、GMは2022年に通常の操作なしでロボタクシーを展開するための免除を取得しようとしたものの、2年経っても返答がなかったため、そのリクエストを放棄したという話も報じられており、テスラがこの数年で「ステアリングホイールなし」のサイバーキャブの販売許可を得ることは容易ではないかもしれません(実際にテスラはNHTSAに目をつけられている状態であり、NHTSAがテスラに許可を与えるとは考えづらい)。

それでも”万が一”テスラがサイバーキャブを導入するためにNHTSAの承認を得られた場合、現行の規則ではステアリングホイールやペダルなしのクルマは年間25,00台の登録しか許可されなとされ、これはイーロン・マスクCEOが掲げる「全米でロボタクシーの大群を走らせる」という目標を達成するにはまったくもって不十分。

なお、サウスカロライナ大学の法学教授で自動運転車の専門家であるブライアント・ウォーカー氏は、「免除(操作系のないクルマの販売認可取得)は大量生産メーカーにとって実行可能なルートではない」と述べており、「議会がこの上限を引き上げない限りは」とも。

様々な事情を総合するにやはりテスラがサイバーキャブの販売許可を取得することは難しく、販売の認可が降りたとしても「年間2,500台しか販売できない」となれば業績に与えるインパクトが非常に小さい、むしろコストがかかるばかりで経営を圧迫するとも考えられ、この観点からも「株価が上がる」要素がなそうです。

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Tesla

さらに、テスラは州レベルでの規制にも対処しなければならないとも報じられており、テスラはカリフォルニア州で無人運転のテストや展開の許可を持っておらず、取得までには数年かかるという報道も。

加えて州ごとに対して包括的なテストデータを提供する必要もあるとされ、テキサス州のような州ではサイバーキャブを路上に出すのが少し簡単かもしれませんが、そこでもテスラはこの技術が実用的であることを証明するという厳しい課題にも直面しています(ニューヨークのような大都市圏では認可を取得するのが難しそう)。

よって自動運転技術が「絵に描いた餅」に終わる可能性、そうでなくても「利益を大幅に押し上げることができない」可能性は非常に高く、過度にイーロン・マスクCEOが「サイバーキャブに期待を寄せる」という姿勢を危険だと感じた人々も少なくはないのかもしれませんね。

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参照:Bloomberg

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