| 現実的には、サルーンを計画していた2008年と現在とでは「市場が好むクルマ」が様変わりし、サルーンの市場性が小さくなってしまったからだと思われる |
ただし中国市場では非常に高い支持を誇り、しかしそこへ「賭ける」のは得策ではないだろう
ランボルギーニはレヴエルト、テメラリオ、ウルスに次ぐ「第四の」モデルとしてランザドールを追加する計画を持っており、そしてこれは「2ドアを持つクーペ風SUV」というボディ形状を持っています。
そしてランボルギーニがここに至るまでには様々な紆余曲折があり、今回「なぜSUVになったのか」という秘話が明かされることに。
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なぜ「ランザドール」という選択なのか
まずランボルギーニの「ライフスタイル系」ニューモデルの計画は2007年頃に始まっていて、当時ランボルギーニは「ムルシエラゴ」「ガヤルド」というラインアップを持っており、ここへ「エストーケ」という4ドアサルーン(リムジン)の追加を検討しています。
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そしてこのエストーケは「発売寸前」までプロジェクトが進むものの、当時発生したリーマンショック、それに起因する世界同時不況の影響で計画が潰えたと言われているわけですね。
ただ、このエストーケが「なぜ復活せず」、そして4ドアサルーンではなくSUVとしてのランザドールが「第四の」ラインアップとして選ばれたのかが今回ランボルギーニCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏の口から語られています。
ちなみにですが、当時エストーケはランボルギーニの「第三の」追加モデルとして検討されたものの、実際に第三のラインアップとして投入されたのは「ウルス」。
その理由としては単に「当時SUVが流行っていて、サルーンの人気が下火になっていたから」で、この判断はランボルギーニにとって極めて正しいものであったことが結果として示されています。
このウルスが成功し、一定のポジションを獲得するに至った今、ランボルギーニとしてはいよいよ「第四のモデル」を追加するという段階に差し掛かっていて、しかし実際に登場するのはエストーケではなく「ランザドール」。
要は「今回もまたサルーンが見送られた」わけですが、ステファン・ヴィンケルマンCEOが語るその理由は「サルーンはホイールベースを長く取る必要があり、そうなると美しいデザインを実現できないから」。
「サルーンは今日ではアジアや北米市場向けであり、長いホイールベースを持つことが求められるものの、必ずしも美しくありません」。
よってランボルギーニはサルーンではなくハイライダーGTカーあるいはSUVとしての「ランザドール」を選択することとなったわけですが、この「第四のモデル」そのものの必要性については「2台のスーパーカーと、より日常的に使えるクルマとの間でシナジーを見つける必要があったため」だと語り、加えて過去のランボルギーニのラインアップを見ても350GTやエスパーダのように「フロントエンジンと後部座席を持つ実用的なラインアップを持っていた」ことを強調しています。
さらにこのランザドールはピュアエレクトリックカー(BEV)として設計されるため、将来的に登場する「電動版ウルス」の開発にも貢献すると説明されており、様々な意味においてランボルギーニにとっての「重要なマイルストーン」となるのかもしれません。
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ただしランボルギーニ・ランザドールはすぐに発売されるわけではない
しかし注意を要するのが「ランザドールはすぐに発売されるわけではない」ということ。
ステファン・ヴィンケルマンCEOいわく「それは準備が整ったときである」といい、発売時期については、EVの市場受け入れや合成燃料の規制など、慎重に考慮すべき要素が多いとし、「それは数値だけでなく、車の感じ、デザイン、そしてハンドリングに関わることです」とも。
よって今後の開発状況次第、さらに言えば「ランボルギーニらしいクルマとして世に送り出せる準備が整った時」ということになりそうですね。
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