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ランボルギーニCEO「我々のEVは1300馬力を超える可能性があり、紙の上での数字は我々にとって重要です。しかしそれ以上に重要なのは、その数字を感情的に翻訳することです」

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| ランボルギーニのようなスーパーカーメーカーにとって、誰もが客観的に判断できる”数字”は非常に重要な意味を持つ |

しかし実際に「感情を揺さぶる」クルマでなくてはブランドとして成り立たない

さて、ランボルギーニは初の市販EVを示唆するコンセプトカー「ランザドール」を発表し、直近で発表された新しい中期計画では「2台目のEV」の発売に触れるなど積極的な電動化を進めている最中です(事実、直近においてもランボルギーニのラインアップはすべてPEHVへと切り替わる)。

そこで今回報じられたのがランボルギーニの会長兼CEO、ステファン・ヴィンケルマン氏の「EVの開発状況に関するコメント」で、要約すると「紙の上での”数字”としての馬力やパフォーマンスも重要であるが、それ以上に重要なのが、ダイナミックなエンゲージメントと感情的な魅力である」。

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ランボルギーニが今後10年の計画を発表、2029年にはランザドールに続く「二台めのピュアEV」を発表するとコメント。2024年にはウラカンとウルスの後継モデルも

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ランボルギーニはいったいどういったEVを開発するのか

そこでまずはこのコメントの前半部分である「数字」について。

これは出力や加速性能、ラップタイムといった「客観的に判断できるモノサシ」を意味しており、実際にランボルギーニはこれまでにも幾度となくニュルブルクリンクへと挑戦していることでもわかるとおり。※このセグメントは、そもそも数字上でライバルに見劣りするだけで訴求力を失ってしまう

そして今回、ステファン・ヴィンケルマン氏は「数字の事実は重要です」と述べ、「出力については、少なくとも1メガワット(1,341馬力)が基準になるでしょう。これはハイパフォーマンスを標榜するフルエレクトリックカーとしての”柱”の一つです」とも。

ただ、ステファン・ヴィンケルマンCEOはこれに加え、「ただしこれらはあくまでも数字であって、差別化の手段として、こういったパワーとパフォーマンスの数値にのみ依存することはけしてありません」。

これが冒頭のコメントの後半部分に繋がってくるわけですが、ランボルギーニである以上、他を圧倒する「数字としての」パフォーマンスは必要ではあるものの、ランボルギーニらしさを決定するのは数字のみによらない、というわけですね。※ランボルギーニの指す「数字で証明できるパフォーマンス」とは”加速、最高速度、ラップタイム、ブレーキング(制動距離)”

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ランボルギーニの優先事項は「真にユニークな運転体験」である

現在ランボルギーニは多くのEVをテストしているそうですが、そこからわかったのは「(ブランドによって)多くの違いがあること」。

そしてこれについてステファン・ヴィンケルマンCEOは「これは良い兆候です」とのべており、その理由は”(多様性があるということは)電気自動車をランボルギーニのニーズに適応させることができる可能性が多数存在しているから”。

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ランボルギーニは現在まだピュアエレクトリックモデルのプロトタイプを走らせてはいないものの、追求すべきは真にユニークな運転体験であり、つまりは「加速、最高速度、ラップタイム、ブレーキング(制動距離)」といった数値で示すことができる指標をいかに感情的な側面にて評価するか。

つまりはいかに速くても「楽しい」と感じなければ意味がないということになりそうですが、ステファン・ヴィンケルマンCEOは「刺激的な」ドライビングエクスペリエンスを実現するために様々な努力を行っていると語っており、これを達成するための主な手段についてはソフトウエア、そして新世代のパワートレインテクノロジーだと結論づけています(車体重量が重くなることについても触れている)。※BMW M2、M3、M4はとんでもなく重い車であるが、運転するとまったく重く感じないので、ソフトウエア、そしてパワートレーンの出力特性コントロールがいかに重要であるかがここからも理解できる

ランボルギーニ・ランザドールに積まれるモーターは自社開発ではなくグループ内から調達。なぜランボルギーニはフェラーリのようにモーターを内製化しないのか?
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さらに重視しているのは「繰り返し加速」「トップスピード」「航続距離」だとも述べていて、しかし前の2つと航続距離とは相反する要素であり(とくにEVは高速域で走行するとすぐにバッテリーが消耗する)、同氏いわく、これらを高いレベルでのバランスさせるのは「ほとんどミッション・インポッシブル」。

ただしステファン・ヴィンケルマンCEOは「ランボルギーのエンジニアが全力を注いで開発を行っていること」にも言及し、「ランボルギーニのノウハウを反映させることで、EVであっても非常にエモーショナルなクルマになること」についても自信を見せているので、今後の続報には期待したいところですね。

なお、速いクルマが楽しく、遅いクルマが楽しくないかというとそうではなく、クルマを楽しいと感じる要素は「速さとは別にある」のだとも考えられます。

参考までにフェラーリが「楽しさ」を表現するために用いている指標は「ハンドル操作に対する反応、ハンドル操作に対するリアアクスルの反応、ひいては扱いやすさを決定する横加速度」「アクセルペダルに対する反応の速さと滑らかさを示す縦加速度」「変速時間やギアチェンジのフィーリング」「ブレーキペダルの踏み込み量と反応」「車室内の音の大きさや質感、回転数の上昇に伴うエンジン音の変化」の5つだとアナウンスされていますが、ランボルギーニももちろん独自の指標をもって車両の開発に取り組んでいるのでしょうね。

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参照:Autocar

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