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【伝説の再来】フェラーリが未来の技術者育成へ向け「M-TECHアルフレッド・フェラーリ」教育ハブ設立。入学希望者は急いで応募だ

【伝説の再来】フェラーリが未来の技術者育成へ向け「M-TECHアルフレッド・フェラーリ」教育ハブ設立。入学希望者は急いで応募だ

| フェラーリは以前にも「技術者養成のための学校」を設立済み |

エンツォ・フェラーリ「工場は機械でできているが、フェラーリのクルマは人でできている」

自動車業界のイノベーションが加速する中、フェラーリは単なる高性能車の製造に留まらず、未来への「人材投資」という歴史的なコミットメントを再び強化。

フェラーリとアニエッリ財団、地元自治体が連携し、マラネロに「M-TECHアルフレッド・フェラーリ」教育ハブを設立すると発表しています。

2029年の完成を目指すこの複合施設は、エンツォ・フェラーリの創業精神を受け継ぎ、次世代の技術者や自動車イノベーターを継続的に育成するための「教育エコシステム」となることを目指していますが、この記事では、この野心的なプロジェクトの概要、提供される教育プログラム、そして地域社会に開かれた施設の全貌を解説します。

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マラネロに生まれる「産学連携」の継続学習拠点

M-TECHアルフレッド・フェラーリは、スクーデリア・フェラーリ創立100周年にあたる2029年に開設が予定されていますが、この施設は、単なるインフラ整備ではなく、教育と産業を統合することにより、イタリア国内だけでなく世界中から優秀な学生を惹きつけることを目標としています。

1. 創設の目的とジョン・エルカン会長のビジョン

フェラーリとアニエッリ財団の会長であるジョン・エルカン氏(フェラーリの会長も務めている)は、このプロジェクトがエンツォ・フェラーリの先見的なビジョンを追求するものだと強調。

「M-TECHアルフレッド・フェラーリは、この地域に対する具体的なコミットメントを意味する。教育こそが未来への鍵であるという確信のもと、エンツォ・フェラーリがマラネロに技術訓練学校を設立した前例に倣い、その先見的なビジョンを追求したい。」

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2. M-TECHが提供する統合型教育プログラム

M-TECHは、単一の学校ではなく、継続的な学習エコシステムを提供する複合施設となります。

特に、約3,000m²を占めるワークショップがハブの中心となり、ここでは現代の生産現場を反映した環境が再現され、学生がプロトタイプ作成やシミュレーションを行い、理論と実習を融合させることが可能となるのだそう。

教育機関/プログラム対象・内容
アルフレッド・フェラーリ高等技術学校エンツォが設立・寄贈した公立学校(現在約800人)。CAD、ロボティクス、エレクトロニクス、積層造形など高度な技術教育を提供。
MUNERモーターバレー大学(エミリア・ロマーニャ州立)。新しいハブに専用スペースを設け、高度な機械設計・シミュレーション作業を実施。
ITS Makerアカデミー卒業後の専門的なコース。高度なラボ学習を特徴とする。
継続的な専門能力開発コース既に働いている技術者向けのスキルアップ・再教育プログラム。
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2029年完成予定:環境に配慮し、地域に開かれたキャンパス

M-TECHは使用されていない工場跡地(ブラウンフィールド)を再開発することにより新たな土地を消費せずに建設されるそうですが、公共ジムも施設に含まれており、地元の人にとっても「ハブ」となるように設計されているようですね。

1. 建築と環境への配慮

  • 敷地面積: 合計32,000 m²(約9,680坪)
  • 建設期間: 2027年初頭に着工、2029年にオープン(ジムは2026年9月着工予定)
  • 設計: イタリアのLabicsが担当(デザインコンペで選定)。
  • サステナビリティ: 低排出ガス、高エネルギー効率の基準で建設され、約2,000m²の太陽光発電パネルを装備し、240 kWの発電能力を持つ予定。
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2. コミュニティに開かれた公共スペース

このハブは、学生だけでなく地域社会にも開かれており、そのデザインはアニエッリ財団の研究に基づき、「学習環境」と「建築」が統合されたダイナミックで包摂的な空間を目指しつつもウェルビーイングの促進に焦点を当てています。

共有スペース面積・用途
公共ジムエミリア・ロマーニャ州の資金提供で完成。地域住民も利用可能。
大広場(プラザ)2,500 m²。学生や地域住民の交流の場となる。
共有施設500席のオーディトリアム、カフェ、図書館など、文化活動やイベントに利用可能。
外部学習スペース周囲の自然と触れ合えるよう、日陰のパティオに屋外学習スペースを設置。
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なお、「アルフレッド」とはもちろん、エンツォ・フェラーリの若くしてなくなった愛息の名を取ったもの。

そしてエンツォ・フェラーリがかつて技術訓練学校を建設したのは「いいクルマはいい技術者がいないと作れない」という信念によるものだとされ(実際、創業当初はエンジニアの確保に苦労している)、その考え方は「工場は機械でできている。フェラーリのクルマは人でできている」という言葉に現れているように思います。

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参照:Ferrari

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