
Image:Audi
| アウディは大きく方向転換、「ハイパフォーマンス」方面にも再注力 |
いったんは「環境志向」に転じたが、ここでメルセデスAMG、BMW Mへの対抗心を再び強める
アウディの高性能ブランド「RennSport(RS)」のファンにとって、待望のニュースが飛び込んで来ることに。
長らく高性能ワゴンのアバント(Avant)のみの提供が続いていたアウディ RS6に対し、ついにセダン(Saloon)モデルが復活する可能性が高まった、と報じられています。
実際に最新のプロトタイプのスパイショットが出回っているということもあって今回のウワサは「現実味たっぷり」ではありますが、その姿はBMW M5や次期メルセデスAMG E63といったライバルを迎え撃つスーパーセダンの再来を強く示唆するかのよう。※下の動画はRS6アバント
市場の厳しい排ガス規制をクリアしつつライバルを圧倒するため、次期RS6セダンは700馬力を超えるプラグインハイブリッド(PHEV)パワートレーンを搭載すると噂されており、この記事では、復活するRS6セダンのパワートレインの予測、そして高性能セダン市場でのその位置づけについて解説しています。
15年ぶりの復活:RS6セダンと700馬力超えPHEVの可能性
RS6セダンが市場から姿を消したのは2010年のC6世代以来、実に15年も前のこと。
今回、アウディがセダンを復活させる背景には、ライバルメーカーとの直接対決を望む強い意志があるとされ、その背景を考慮するとライバルたちに引けを取らない、むしろ圧倒するであろうクルマが誕生するのではないかという期待も生じますね。
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RS6セダンの復活を告げる証拠
スパイ写真で捉えられたプロトタイプは、紛れもなくRSモデルの特徴を備えており・・・。
- 楕円形のテールパイプ: RSモデルの象徴であるツインオーバルのエキゾーストパイプ
- ワイドフェンダー: 力強く張り出したフェンダーと大径ホイール
- アグレッシブなエアロ: 大型のインテークやディフューザーを備えたダイナミックなバンパーデザイン
これらの特徴から、新型RS6セダンはアバントと同様に、C9世代のフラッグシップとして開発されていることが確認されています。
700馬力超えを支えるV8 PHEV(プラグインハイブリッド)
次期RS6は環境規制に対応しながらパフォーマンスを極限まで高めるため、電動アシストを取り入れることが確実視されており、様々なメディアの報道によると、ポルシェが開発した4.0リッターV8ツインターボエンジンにPHEVシステムを組み合わせ、730馬力に達する可能性を指摘する声も多数。
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これにより、RS6は増加する重量や複雑さに見合う「破壊的なパフォーマンス」と「低速域での優れた俊敏性」を獲得すると予想されます。※一方、ポルシェは次期Q5をベースとした新型SUVを投入するとされ、ポルシェとアウディとの距離がこの数年で一気に縮まりそうだ
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| 項目 | 予想パワートレイン | 予想最高出力 | 備考 |
| パワートレイン | 4.0L V8ツインターボ PHEV | 700〜730馬力超 | V8エンジン継続の可能性が高い |
| プラットフォーム | Premium Platform Combustion (PPC) | N/A | 改良型プラットフォームを採用 |
| 電動モデルの噂 | RS6 E-Tron(EV) | 670馬力(EV) | EVモデルは、市場状況により開発中止の可能性も |
市場での位置づけ:BMW M5との直接対決
RS6セダンの復活は高性能エグゼクティブセダン市場での競争激化を意味しており・・・。
- BMW M5: 次期M5もPHEVパワートレインの採用が確実だとされ、700馬力超の性能を持つと見られる
- メルセデスAMG E63: 同様に、次期E63もハイブリッド化され、このセグメントの頂点を争うことになると目される
RS6はこれまで「高速貨物列車」と評されるように、長距離を快適に、かつ驚異的な速さで移動できるラグジュアリーな高性能車として知られてきましたが、セダンバージョンはアバントに比べてわずかに軽量化できる可能性があり、ライバルとの差を詰める決定打となることも期待されます。
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ワゴン愛好家の希望:アバントモデル継続への切望
RS6セダンの復活は歓迎すべきニュースですが、アウディスポーツの真のファンは、ワゴン(アバント)モデルの継続を強く望んでいて・・・。
- アウディ RS7の廃止: 既にスポーティなルックスで人気を博したRS7(4ドアクーペ)の廃止が決定しており、アウディはラインナップの整理を進めている可能性がある
- ワゴン市場の成功: BMWがM5ツーリング(ワゴン)を成功させ、メルセデスもE63後継ワゴンを準備するなど、欧米市場で高性能ワゴンの需要は依然として高い
アウディにとってRS6アバントは長年エンスージアストの「お気に入り」として独自の地位を築いてきたという歴史があり、セダンを復活させる一方で、「ロングルーフ愛好家」を裏切ることなく、アバントモデルも継続提供し続けることが望まれるという状況です。
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実際のところ、M5ツーリングは「RS6アバントの市場」を狙って参入したハイパフォーマンスワゴンでもあり、この市場からRS6アバントが撤退すれば「みすみす市場を明け渡す」ようなもの。
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よってRS6アバントは「継続」と見るのが妥当ではありますが、セダンとPHEVという新たな要素を取り入れ、アウディの高性能哲学がどのように進化するのか、2027年モデルとしての登場が待ち望まれます。
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