
| ハイブリッドシステム「あり」「なし」ともに納得性の高い話ではあるが |
様々な状況を考慮すると「ハイブリッドあり」だろう
さて、フェラーリ296「チャレンジストラダーレ」に関する最新情報。
これまで、このフェラーリ296チャレンジストラダーレ(仮)については(競技用車である296チャレンジ同様に)ハイブリッドシステムを除去した「ピュアガソリン車」になるといわれていたわけですね。
ただ、最新のウワサ話によれば「どうやらハイブリッドシステムは残されるらしい」「900馬力以上を発生するらしい」とされ、ここでそれらについて考えてみたいと思います。
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フェラーリ296GTBはハイブリッドシステムを残す?あるいは取り除く?
ハイブリッドシステム「あり」の場合
現時点ではなにもかもがウワサにとどまり、そもそも296チャレンジストラダーレが発売されるのかどうか自体も未確認事項ではありますが、もしこれが発売(もちろん超限定)されるとして、まずは「ハイブリッドを残す」理由について考えてみたいと思います。
この理由は非常に明確で、ひとつは「最高出力を引き上げることができる」から。

ガソリンエンジンの出力向上に加え、エレクトリックモーターのピークパワーを引き上げることで900馬力オーバーを達成し、「ガソリンエンジン単体ではなしえないこと」を示すことができるため、フェラーリはハイブリッドシステムの有用性を誇示するためにもハイブリッドにこだわる可能性がありそうです。※ランボルギーニ・テメラリオに対する優位性構築という側面も考えられる
そのほかの要因としては「そもそもガソリンエンジンのみだと排ガス規制をクリアできず」、上場企業であるフェラーリがそういった反社会的行為を行うことが許容されないという状況もあり、ハイブリッドシステムを取り除くことは「許されない」のかもしれません(これはポジティブではなくネガティブな角度からの理由である)。
さらに、現在フェラーリは「V6+ハイブリッドこそがモータースポーツにおける最高のパワートレーン」だと明言しており、よってハイブリッドシステムを外すことはすなわち現在のフェラーリの戦略を「否定」することにもなりかねず、ブランドの戦略上という視点からでもハイブリッドシステムを使用し続けるほうが「自然」です。※GT3カテゴリではハイブリッドシステムの使用が認められず、そのGT3車両と多くを共有するチャレンジ車両にもハイブリッドシステムが装着されていない

そしてもうひとつ、エンジニアリング上の観点から見ると、そもそもこの2.9リッターV6エンジンは「ハイブリッドシステムありき」で設計されていて、ここからエレクトリックモーターを取り除くと低速トルクがスカスカになってしまい、よって大幅な設計変更が要求されることとなり、このコストはフェラーリを大きく圧迫すること、あるいは車両価格が跳ね上がることを意味します(296GT3、競技用車である296チャレンジでは低速トルクの不足は問題とならない)。
そしてこれらは購入者、実際に運転するドライバーに負担を強いることになるため、フェラーリの望むこところではないであろうとも考えています。
ただ、「ハイブリッドシステムあり」にて296チャレンジストラダーレを発売してしまうと、296スペチアーレとの位置づけが曖昧になり、296スペチアーレの価値を下げてしまう可能性もあるため、296チャレンジストラダーレの位置づけをどうするかが重要になってきそうですね。

Image:Ferrari
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ハイブリッドシステム「なし」の場合
そしてもう一方の「ハイブリッドシステムなし」の場合。
このメリットとしては「軽量化」「高純度化」に尽きるかと思いますが、たしかにこれは”ファン歓喜”ではあるものの、現在のフェラーリの(モータースポーツ上、そしてロードカーの戦略上における)方向性とは合致せず、ここでハイブリッドなしのピュアでハードコアなクルマを発売したとしても「一過性の話題」を作るのみにとどまってしまい、ブランディングそして経営上のインパクトは小さいものにとどまるであろうと考えます。
加えて、これをやってしまうと現在の路線、296シリーズの存在を否定してしまうことにもなりかねず、その観点からしても合理的とはいえない判断です。
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ただ、「非常に」数を絞り(500台以下)、かつ「296チャレンジやGT3といったレーシングカー直系」ということで”コレクターズアイテム”として売り出すのであれば少し話は異なり、これによってむしろ296シリーズへの注目を集めることができる可能性も(ただしこれはギャンブル的要素も含まれ、逆に296シリーズの価値を下げてしまう可能性もある)。
しかし「非常に少量」となると、そのコストを吸収するためには「非常に高額」なプライシングを行う必要があり、そして「V6」ではその価格を正当化することが難しいことも考えられ(ハイブリッドシステムを省いたとしても、その分の改修コストが生じる)、よって「非常に少数」「コレクターズアイテム」という路線もちょっと考えにくいのかもしれません。※ただ、296GTBの「ノンハイブリッド化」の手法は296GT3、296チャレンジにて確立されている
いずれの場合も「それなりの正当性」「それなりの”ない”といえる理由」が感じられるものの、実際にどうなるのかはまったくわからず、この296チャレンジストラダーレの正体を知るには、フェラーリからの正式発表を待つよりほかはないのかもしれません。
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